こんな課題をお持ちのWebマーケティング担当者向けの記事です
オウンドメディアをこれから構築する、もしくは既に運用しているWebマーケティング担当者の以下の課題にお答えする記事です。
- オウンドメディアを構築するにあたりCMSの導入を検討している方
- 自社のコンテンツや運用体制に最適なCMSを知りたい方
- オウンドメディアのコンテンツ管理を効率化したい方
この記事では、このような課題をお持ちの方に、オウンドメディアにおけるCMSの選定方法について、CMSの種類や選び方、具体的なおすすめCMSなどを解説します。
なお、具体的な構築ステップや参考となる他社事例、学習時に参考になる書籍などの情報については、以下の記事も合わせて参考にしてください。
-
-
オウンドメディアとは?効果的な構築方法と最新成功事例紹介
自社のWebマーケティングを強化するため、オウンドメディアの構築や運用についてお悩みのWebマーケティング担当者の方に向けて以下のような課題にお答えする記事です。 オウンドメディアとは何か、くわしく知 ...
オウンドメディアとCMS
オウンドメディアとは
Webマーケティング分野において、「オウンドメディア」とは、企業が自社の認知獲得や商品、サービスに関する情報を発信する媒体で、自らが保有、運用するWebサイトを指します。
自社やサービスの認知獲得だけではなく、BtoBビジネスであれば、資料請求や問い合わせ、メルマガ登録などを通じて商談につながる顧客接点を得る目的で構築運用されることが多く、BtoCビジネスであれば、商品やサービスの世界観を伝えブランドイメージの向上を図ったり、ECサイトへ誘導し商品やサービスの購入につなげる目的で運用されています。また、多くの企業で採用活動を目的としたサイトも運用されており、目的に応じて様々な形態のオウンドメディアがあります。
まず、オウンドメディアの目的とそれに応じたペルソナ設計やKGI、KPIを設定し、メディア構築をすすめていきますが、いずれのオウンドメディアにおいても構築・運用で欠かせないツールがCMSです。
CMSの重要性と役割
CMSとは「Contents Management System(コンテンツ管理システム)」の略称で、オウンドメディアに限らずWebサイトを作成する際に重要となるシステムです。
CMSに様々なWebページ、画像などを格納することで、Webサイトに訪れたユーザーに対し、要求されたページや画像をブラウザなどに表示させています。
CMSを導入することで、プログラミングの知識がない人でもWebサイトを作成したり、更新作業を簡単に行なうことが可能です。
オウンドメディアを構築する際はCMSを導入することが不可欠ですが、現在日本では無料のものを含めて幅広い種類のCMSが提供されています。
CMSの種類
■オープンソース型
オープンソース型とは、一般に公開されており、無料で利用できる「オープンソース」の性格を持つCMSです。
メリットは無料で利用できる点や第三者による機能強化プラグインなどが数多く販売されている点、デメリットはプログラムの内容が公開されており利用者が多いことからいるためセキュリティの脆弱性を突かれやすい点が挙げられます。
オープンソース型のCMSとしては「WordPress」などが挙げられます。
■パッケージ型
パッケージ型とは、開発企業からCMSがパッケージ化されて販売されており、ライセンスを購入しサーバー等にインストールして利用する形式のCMSです。
メリットはオープンソース型と比べてセキュリティが担保されている点ですが、ライセンス購入時などにサーバー代などの維持費とは別途費用がかかります。
パッケージ型のCMSとしては「Movable Type」などが挙げられます。
■クラウド型
クラウド型とは、CMSを提供する企業と契約してサーバなどにアクセスし、インターネット上で利用できるCMSです。
自社でサーバーを用意する必要がないことがメリットですが、無料で利用するとサービスのロゴが表示されたり、カスタマイズやセキュリティ対策の面で提供企業の仕様に依存してしまう部分が注意点です。
クラウド型のCMSとしては「Wix」「Ameba Ownd」などが挙げられます。
CMS導入のポイントと選び方
CMSを導入する際は以下の点を検討すると最適なCMSを選ぶことができます。
導入に関する費用
WordPressなどのCMSは無料で利用することができますが、サーバー維持費や有料テンプレート(テーマ)、有料の拡張機能(プラグイン)を利用する場合は追加費用が発生します。
自社でレンタルサーバーを契約する場合は年間最低1万円程度必要となり、クラウド型CMSを利用し有料の定額プランを契約しても同様に年間1万円程度に収めることが可能です。
構築の代行を依頼する場合は初期費用として数万円から数十万円の費用が必要となります。
機能比較
いずれのCMSも、テキストや画像、動画などのコンテンツを保存し、投稿コンテンツの作成・編集・管理・投稿が基本的に搭載されている機能ですが、アクセス解析機能が利用できるCMSもあります。
さらに改善提案やSEOコンテンツ支援、SNS連携などマーケティング施策の強化に役立つ拡張機能を提供しているサービスもあります。
また、CMSの中にはECサイトに特化したCMSや、BtoB向けオウンドメディアに特化したCMSもあります。
それぞれのCMSの特徴を理解してCMSを選択しましょう。
オウンドメディア構築におすすめのCMS10選
WordPress
WordPressは日本国内で最も広く利用されている(*1)オープンソース型CMSです。
無料で利用できるほか、初心者でも簡単に記事更新を行うことができ、セキュリティアップデートなども頻繁に更新されており、安心して利用することができます。
*1:HubSpotブログ「【2024年】シェアトップのCMSを比較!世界と日本の順位・WordPressが人気の理由」
■特徴・利点/デメリット
WordPressはオープンソース型CMSであり、無料で利用することができます。
レンタルサーバーを契約する場合、多くのサービスでは1クリックでWordPressをサーバーにインストールできるなど、初心者でも簡単に使い始めることが可能です。
また、集客機能を強化した有料のテーマやプラグインが豊富に揃っており、Webデザインを知らない担当者でも、自社に合うテンプレートを見つけることができます。
インストール直後の初期テーマでは集客が難しいため、多くのユーザーを集めることを目指す場合は、有料のテーマやプラグインを使うことをおすすめします。
注意点としては、多くの利用者がいることから、セキュリティの脆弱性を狙われやすく、自身でセキュリティアップデートを頻繁に行なう必要があることや、サーバーを自社で管理している場合、サーバー保守を行なう必要があります。
■こんな人におすすめ
- コストを抑えてWebサイトを作成したい
- 無料で高機能なCMSを使いたい
- セキュリティ更新作業が苦にならない
-
-
WordPressおすすめ日本語テーマ13選!オウンドメディア編|2022年6月版
WordPressを使って、自社でオウンドメディアを新しく立ち上げたい。 でも、あまり制作費をかけたくないので、Web制作会社に頼まずに、WordPressのオウンドメディアサイト用のテーマを使って、 ...
Movable Type
「Movable Type」はアメリカのSix Apart社が開発し、提供しているCMSです。
2001年のリリース当初はブログを作成するツールとして利用されていましたが、機能が強化され現在は企業のWebサイトを作成する際のCMSとして利用されています。
主にパッケージ型として利用されていますが、近年はサーバー提供とセットになった月額制の「クラウド版」も提供されています。
■特徴・利点/デメリット
Movable Typeは個人ユーザーがブログなどの目的で利用する場合は無料で利用することができますが、企業がMovable Typeでサイトを構築する場合はライセンス(*2)を購入する必要があります。
*2:1サーバー、無制限ユーザー99,000円(税込)から(初年度メンテナンス機能付)
企業が責任を持ってセキュリティに関するアップデートやメンテナンスを行なう点がオープンソース型CMSとの大きな違いになります。
また、ライセンスを更新することで、長期間、公式サポートを受けることができます。
■こんな人におすすめ
- オープンソース型CMSに不安がある
- 日本語によるサポートを希望している
- 費用の安さよりもセキュリティ対策やサポート体制を重視したい
CMS Hub(HubSpot)
CMS Hubは高機能なインバウンドマーケティングを開発している「HubSpot」が提供するCMSサービスです。
マーケティングに関する機能を持つMarketing Hub、営業支援機能を持つSales Hubなどと並ぶHubSpotを構成するソフトウェアになります。
■特徴・利点/デメリット
CMS HubはHubSpotの大きな特徴であるCRM(顧客管理システム)と連携させることができるため、オウンドメディアを構築する際にCRMを一緒に構築したい企業におすすめです。
Webサイトの作成やCRMデータベースは無料プランでも利用できますが、Starter Customer Platformプラン(月額1,800円)に加入すると、無料プランよりも多くのデザインテンプレートを利用できたり、HubSpotロゴを非表示にできるなどの特典があります。
■こんな人におすすめ
- 既にHubSpotを利用している
- オウンドメディアとCRMを連携させたい
- リード管理を効率化したい
-
-
HubSpot導入検討中のマーケ担当者に利用方法と料金プランを解説
企業がオウンドメディアなどのWebサイトを運用する際、商談に繋げることを目的として問い合わせフォームやランディングページを設置したり、メールマガジンを配信するなどのWebマーケティング施策を行なってい ...
BlueMonkey
「BlueMonkey」は59,000を超えるアカウントが導入されている国産の営業支援・マーケティングツール「Cloud CIRCUS」が提供しているクラウド型のCMSです。
■特徴・利点/デメリット
BlueMonkeyは有料のCMSとしては国内3位のシェアを保有しており、2,400社以上が導入しています。
特にBtoB向けビジネスを営む中小企業のオウンドメディア作成に向いているCMSであり、初心者でも使えるように使い方を工夫しています。
また、純国産のシステムであり、セキュリティの観点からオープンソース型CMSを使うことができない企業でも安心のセキュリティ体制となっています。
■こんな人におすすめ
- 国産のMAツールやマーケティングツールと連携したサイトを使いたい企業
- 既にCloud CIRCUSのサービスを利用している企業
- 日本語の機能説明を好む担当者
Adobe Experience Manager Sites
「Adobe Experience Manager Sites」はAdobeが提供するCMSサービスで、Adobeが企業のビジネスを支援する製品群(Adobe Experience Cloud)の一つです。
■特徴・利点/デメリット
Adobe Experience Cloudは、CMSやMAツールなど様々なマーケティングツールが含まれており、MAツールのAdobe Marketoなどを利用している企業がオウンドメディアを作成する場合はAdobe Experience Manager Sitesが有力な選択肢となります。
Adobeでは製品全体でAIの活用が進んでおり、CMSにおけるテキストの自動要約や、ページ毎に効果を数値化するなど、AIを活用した顧客体験の最適化が進んでいます。
■こんな人におすすめ
- Adobeのマーケティング支援ツールを利用している
- AIを活用したコンテンツ作成やサイトデザインに興味がある
→Adobe Experience Manager Sitesの公式サイトはこちら
ferret One
「ferret One」はWebマーケティングに関するメディア運営や、マーケティング支援を行っている株式会社ベーシックが提供するBtoBマーケティングに特化したCMSです。
■特徴・利点/デメリット
ページ作成において、テキストの調整をマウスのドラッグだけで可能となるなど、プログラミング知識がなくても簡単にページを作成、編集することが可能です。
また、「ferret One」はオウンドメディア作成機能だけでなく、BtoB企業がコンテンツマーケティングを行う際に必要な機能が備わっており、CMSと一体化したMAツールなどが利用できます。
■こんな人におすすめ
- BtoB型ビジネスでオウンドメディアを立ち上げたい
- サイト構築とコンサルティングを同じ会社に委託したい
はてなCMS
「はてなCMS」は株式会社はてなが提供する法人向けCMSです。
この「はてなCMS」は、企業の公式Webサイトやオウンドメディア構築に適したCMSとなっています。
■特徴・利点/デメリット
はてなブログなどこれまで提供してきたサービスで培った使いやすいUIを活かしており、ユーザーは機能アップデートや、サーバーのメンテナンス作業などをはてな側にお任せすることができます。
また、開発知識がない初心者でも構築することができ、まずは1ヶ月のお試し期間で自社に合うCMSかを確認することができます。
さらに、経験のある編集者がコンテンツ作成を支援するサービスもオプションで提供しています。
■こんな人におすすめ
- セキュリティ更新よりもコンテンツ作成に集中したい
- WordPressまたはMovable Typeからスムーズに移行したい
- コンテンツ作成について助言もしてほしい
Ameba Ownd
「Ameba Ownd」は株式会社サイバーエージェントが提供するWebサイト作成ツールで、アカウントを無料で作成することで、最大10サイトを管理することが可能です。
■特徴・利点/デメリット
サイトを構築する際は初期費用も月額費用もかかりません。商用利用可能であることが明記されており、日本企業が提供するサービスのため、日本語表記に違和感なく利用することができます。
無料プランの場合、独自ドメインが利用できなかったり広告や「Ameba Ownd」ロゴが表示されますが、プレミアムプラン(1サイトあたり年間9,600円)に加入することで、非表示にすることができます。
■こんな人におすすめ
- 年間の運用コストを1万円以内に収めたい
- WordPressより簡単な操作感のCMSを利用したい
Wix
Wixはイスラエルに本社があり、世界で1.5億人以上が利用したことがある世界的なホームページ作成サービスです。
■特徴・利点/デメリット
Wixは無料でWebサイトを作ることができるだけでなく、900以上のデザインテンプレートの中からデザインを選ぶことができます。
最適なデザインを見つけることで最短即日オウンドメディアを公開することも可能です。
無料プランで強制表示されるWixロゴを非表示とするためには、パーソナルプラン(月額1,300円)以上の有料プランに登録する必要があります。
■こんな人におすすめ
- オウンドメディアを早期に立ち上げたい
- デザインテンプレートが豊富なサービスを利用したい
- 独自ドメイン費用にお金をかけたくない
CREAM
「CREAM」はSODA株式会社が提供する記事型オウンドメディアに特化したパッケージ型CMSです。
同社は2019年より上場企業である株式会社イードのグループ企業となっています。
■特徴・利点/デメリット
CREAMにおいて一番のアピールポイントは「SEOに強い」ことです。
このCMSは、サイト構造の最適化や内部施策を行なうことで、検索順位で上位表示されやすい仕組みを導入しています。
また、問い合わせフォームや記事の承認機能など、WordPressでは機能追加が必要な機能を標準機能に含め、記事作成の場面でも様々な機能をボタンで一覧表示するなど、初心者でも簡単に記事を作成できるよう使いやすさを向上させています。
また、CREAMはパッケージ型CMSですが、サーバー契約やCMS環境構築の代行をオプションとして委託することも可能です。
■こんな人におすすめ
- SEOに強い記事特化型オウンドメディアを作りたい
- パッケージ型CMSで初期費用を抑えたい
- IT補助金を利用してオウンドメディアを構築したい
まとめ
オウンドメディアを構築・運用する場合、日本国内で圧倒的なシェアを持つCMSは「WordPress」です。
「WordPress」は無料で利用でき、初心者でも簡単にWebサイトを作成できますが、自身でセキュリティ更新作業やサーバー保守を行なう必要があります。
サーバー保守やメンテナンスが不要なCMSもあるため、複数のCMSでメリット・デメリットを比較しつつ、自社に最適なCMSを検討しましょう。
CMSを検討する際は、主に以下のような点を比較することをおすすめします。
- 利用料金
- 機能的特徴(初心者でも使いやすい、SEOに強いなど)
- マーケティング機能の有無(CRM、MAツール連携など)
- デザインテンプレート数
- サポート体制
ディレクターバンクにはオウンドメディア構築や運用に詳しいWebマーケティング人材が300名以上在籍しています。
CMSの選び方やオウンドメディアの構築代行、運用後のセキュリティ更新作業代行など、オウンドメディアに関するお悩みがありましたら、ぜひご相談ください。
オウンドメディアのサイト改善、記事コンテンツ制作をワンストップで代行
ディレクターバンク(株)のオウンドメディア記事制作は、ターゲットユーザー選定、キーワード分析から、オウンドメディアのコンテンツ企画、記事制作まで、オウンドメディア運営の必要なサポートをワンストップで提供させていただきます。