こんな課題をお持ちのWebマーケティング担当者向けの記事です
企業のWebマーケティング担当者やコンテンツマーケティング担当者の以下の課題にお答えする記事です。
- 競合サイトの調査を行なうメリットや効果を知りたい
- 競合調査で重視するポイントを知りたい
- おすすめの競合調査ツールを知りたい
この記事では、競合調査ツールをお探しの担当者に向けて、競合サイトの状態を調査する上で参考となる分析ツールを12サービスご紹介します。
無料で使えるツールだけではなく、より高機能な有料ツールも紹介するので、自社のWebサイトの課題を見出す手段の一つとして参考にしてください。
なぜ競合調査が必要なのか?Webマーケティングにおける重要性と効果
競合分析で得られる3つのメリット
Webマーケティングにおいて競合調査は、自社の戦略を最適化する点において重要です。
競合調査を行なうメリットとして、以下の3点が挙げられます。
■市場や業界の全体像が見える
競合サイトを分析することで、自社のポジションや業界内でのトレンドを把握できます。
どのチャネルが有効なのか、どのキーワードに注力しているのかといった情報から、戦略の方向性を見極めるヒントが得られます。
■差別化ポイントが明確になる
競合と自社のコンテンツや導線を比較することで、自社が勝っている点・劣っている点を可視化できます。
それにより、他社にはない独自の強みを磨くヒントが見つかります。
■施策の優先順位づけができる
自社の改善点だけでなく、競合が注力している分野から「今やるべき対策」を判断できます。
限られたリソースをどこに投下すべきか、具体的な判断材料になるのが競合分析の強みです。
競合調査を実施すべき企業や担当者について
競合調査は、特定の業種や企業規模に関係なく、あらゆるWebマーケティング担当者にとって重要な業務です。
特に、次のような状況にある企業や担当者には、競合調査の実施が強く推奨されます。
新規にWeb施策を立ち上げたい企業
これからオウンドメディアの運用やWeb広告を始める企業にとっては、競合がどのような施策を展開しているのかを知ることが、方向性を定めるうえで大きなヒントになります。
競合が強化しているチャネルやキーワードを把握することで、無駄のない戦略設計が可能になります。
成果が頭打ちになっている企業
すでにある程度のWeb集客に成功しているが、最近成果が伸び悩んでいるといったケースでは、競合の動向を分析することで改善の糸口が見えてきます。
たとえば、競合が新たに力を入れているコンテンツ分野やSEO対策の手法などから、取り入れるべき工夫を学ぶことができます。
担当変更やリニューアルを控えている担当者
新たにWeb担当になったばかりの方や、サイトリニューアル・広告戦略の見直しを検討しているタイミングでも、競合分析は効果的です。
まずは現状の立ち位置を知り、自社にしかできない強みをどのように打ち出すかを考えるための土台となります。
競合調査でチェックすべき主なポイントとは?
競合調査と一口に言っても、その対象や目的はさまざまです。
ただ漠然と他社サイトを眺めるだけでは意味がなく、どの情報をどう活用するかが重要です。
ここでは、Webマーケティングにおいて特に押さえておきたい調査ポイントを紹介します。
競合サイトを調査する際に注目すべき主な観点
競合調査を行なう際に注目すべき観点としては以下のようなものがあります。
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アクセス状況(トラフィック):どのくらいの訪問者がいて、どこから来ているのか。
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検索順位:どのキーワードで上位表示されているか、自社とどう差があるか。
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SEO設定:タイトルタグや見出し構成、内部リンク設計などの技術的な最適化状況。
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広告出稿状況:どの広告プラットフォームを使い、どのように集客しているか。
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使用技術(CMSやツール):どのCMSを使っていて、どんな解析・計測ツールを導入しているか。
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ページの表示速度やパフォーマンス:表示速度やモバイル対応など、ユーザー体験に関わる指標。
自社の目的に合った調査項目を明確にしよう
競合調査を行う際は、最初に「なぜ調査を行うのか」「どのような情報を得たいのか」といった目的を明確にすることが重要です。
調査の目的によって、集めるべきデータの種類や分析のアプローチが異なるためです。
たとえば、自社サイトの改善ポイントを探したいのであれば、競合サイトのトラフィックやコンバージョン導線に着目すべきです。
一方で、自社のSNS戦略を見直したい場合は、競合のフォロワー数の推移や投稿の反応率など、SNS上の活動に関する情報を優先的にチェックする必要があります。
このように、目的を明確にすることで、調査範囲が限定され、効率的に分析を進めることができます。
また、分析結果を社内で共有する際にも、目的に即した情報を提示できるため、納得感のある意思決定につながります。
闇雲にデータを集めるのではなく、調査の「なぜ」をはっきりさせたうえで取り組むことが、競合調査を成功させる第一歩となります。
競合サイトのアクセス数を調べるおすすめツール【トラフィック分析】
競合サイトとの比較と始めるにあたりまず把握したいのは、競合サイトが現在どのくらいのアクセスを集めているかという情報になります。
多くのサイトはページビュー(PV)数などの情報を公開していないため、アクセス数を調べることができる分析ツールを利用します。
なお、これらのサービスは独自のモニターなどから情報を集めて掲載しているため、正確な数値ではないことがあり、あくまで参考情報として利用してください。
1.Similar Web
「SimilarWeb」は、競合サイトのトラフィック状況を簡単に把握できる定番のアクセス分析ツールです。
調べたいWebサイトのURLを入力するだけで、月間アクセス数、平均滞在時間、直帰率、トラフィックの流入元(自然検索・SNS・リファラーなど)などを即座に確認できます。
無料プランでも基本的なデータを確認できますが、より詳細な分析や複数サイトの比較、過去データの閲覧には有料プランが必要になります。
海外製のツールながら日本語にも対応しており、グラフやチャートで分かりやすく可視化される点も評価されています。
2.Dockpit
「Dockpit」は、日本国内のユーザー約250万人のWeb行動ログをもとに競合サイトを分析できるツールで、以前は「eMark+」という名称で提供されていましたが、現在の名前にリブランディングされて提供されています。
対象サイトのURLを入力することで、訪問者数や流入チャネル、閲覧ページの傾向などが分かる点は「Similar Web」と同様ですが、国内に特化したパネルデータを活用しているため、特に日本市場を対象とした競合分析においては非常に精度が高いのが特長です。
また、Chrome拡張機能を導入すれば、Webサイトを閲覧しながらユーザーデータを確認することも可能です。
競合の検索順位をチェックするツール【キーワード対策】
競合サイトのアクセス数を把握したところで次に必要なのは、検索順位の調査です。特定のキーワードにおいて、自社の順位と競合サイトの順位を比較し、どのキーワードで自社のページの検索順位を上げるかについて検討することは非常に重要です。
3.GRC
「GRC」はYahooやBingの検索順位をチェックできるツールです。(Googleは現在仕様変更に伴い順位取得不可)
Windows端末で利用できるソフトウェアとなっていますが、macOS端末でも、BootCampやリモートデスクトップサービスなどを利用すれば使用することができます。
あらかじめ検索キーワードと自社および競合サイトを登録すればボタン1つまたは起動のタイミングで最大無制限(*1)の検索順位の調査が可能で、その推移をグラフ化して表示することができます。
(*1ライセンスプランにより異なり、最も低額であるベーシックプラン=月495円の場合URLの数は最大5件、検索項目数は最大500項目)
4.集客職人
「集客職人」はクラウド型のSEO対策ツールで、ローカルSEOに強みを持ちつつ、競合分析機能も充実しています。
Googleビジネスプロフィールと連携して、地域ごとの検索結果における競合順位も可視化できます。
WordPressやWixといった主要CMSと連携できるため、サイト運用の延長線上で分析が行えるのが特徴で、6ヶ月契約で月額5,980円(初月無料)という価格設定も、中小企業や個人事業者にとって導入しやすいポイントです。
5.Gyro-n SEO
「Gyro-n SEO」は、検索順位の自動取得や競合分析、検索上位ページの比較などが可能なクラウド型SEOツールです。
無料プランでも最大10キーワードまで登録可能で、夜間に順位データが収集され、朝には最新情報を確認できます。
競合のドメインを登録すれば、自社と同じキーワードでの掲載順位を比較でき、狙い目のキーワードを見極めるのに役立ちます。
また、近年のAI活用の中でも注目されているGoogle検索における「AIによる概要(AI Overview)の計測も可能です。
競合のSEO設定を調査できるツール【タグ・リンク・構造分析】
検索順位を上げるために実施しているSEO対策について、競合サイトがどのような設定を行っているかを把握するためのツールも存在します。
6.SEOチェキ
SEOチェキは、URLを入力するだけで、以下のような基本的なSEO情報を一括で取得できる無料ツールです。
- titleタグ、meta description、h1タグの内容
- 内部リンク・外部リンクの数
- 使用しているホストサーバーの情報
- ドメインの取得日
- 任意キーワードにおける検索順位(追加入力が必要)
トップページだけでなく、競合の個別記事ページを指定してタグ設定やリンク構造をチェックすることで、SEO施策の傾向や運用の工夫が見えてくる場合もあり、手軽に使える分析ツールとして、導入の第一歩に適しています。
7.SEO META in 1 CLICK(ブラウザ拡張)
「SEO META in 1 CLICK」は、競合ページのSEO設定をその場で確認できる無料のChrome拡張ツールです。
ページを開いた状態でクリックするだけで、title、description、Hタグの階層、alt属性、canonicalタグなどが一覧で表示されます。
競合サイトを閲覧しながら直感的に分析できるため、手軽に使える補助ツールとして便利です。
ページごとのタグ設計の傾向をつかみたいときや、他のツールと組み合わせて使用する際におすすめです。
競合の広告運用を可視化できるツール【配信プラットフォーム分析】
8.GHOSTERY
「GHOSTERY(ゴースタリー)」は、競合サイト上で動作しているトラッキング技術を検出できるブラウザ拡張機能です。
インストールすると、アクセス中のページに組み込まれている広告タグやアナリティクスツール、リターゲティング用スクリプトなどが一覧で表示されます。
たとえば、Google広告やMeta広告などの配信タグが検出されれば、そのサイトがそれらのプラットフォームで広告配信を行っていると判断できます。
また、どのトラッキングツールを使ってユーザー行動を分析しているかも可視化されるため、広告だけでなく計測設計の参考にもなります。
競合の使用CMS・ツールを調査するツール【技術分析】
9.built with
「BuiltWith(ビルトウィズ)」は、Webサイトに使われている技術スタックを調査できる代表的なツールで、対象URLを入力するだけで、以下のような情報を確認できます。
- 利用されているCMS(WordPress、MovableTypeなど)
- アクセス解析ツール(Google Analytics、Hotjarなど)
- 広告配信タグやA/Bテストツール
- サーバーやCDNの種類
- フォントやJavaScriptライブラリの情報
特にCMSが分かれば、更新頻度の高いサイトがWordPressなどを用いて内製しているのか、それとも静的サイトで構築しているかの違いを読み取れます。
また、マーケティングツールの導入状況から、競合のデジタル施策への力の入れ具合も判断できるでしょう。
ページ表示速度・UXを比較できるツール【パフォーマンス診断】
主に自社のページの現状分析として利用されている分析ツールも、競合サイトのURLを入力することで採点結果などを得ることができ、自社サイトの改善点を検討するために利用することができます。
10.PageSpeed Insights
「PageSpeed Insights」はGoogle公式の無料ツールで、ページ表示速度をモバイルとPCで別々にスコア化します。
パフォーマンスを100点満点で採点した上で、表示速度を上げるために必要な改善点を提案されます。
こちらのツールは実際のユーザー行動に基づいた「実測データ(Field Data)」と、シミュレーションによる「ラボデータ(Lab Data)」の両方を提示してくれるのが強みです。
また、改善項目には技術的な指摘も含まれるため、開発チームとの連携が必要なケースにも適しています。
11.Website Grader
「Website Grader」は世界的なマーケティングツールを提供しているHubSpotが提供しており、無料で利用することができます。
このツールは、URLを入力するだけで「ページ速度」、「モバイル対応」、「SEO」、「セキュリティ」の4観点からスコア化してくれます。
特にマーケティング初心者でも直感的に理解できるシンプルなUIが特徴で、競合サイトとのざっくりとした比較にも向いています。
ただし、診断項目は簡易的で詳細な技術分析には不向きです。
12.GTmetrix
「GTmetrix」はカナダの企業が提供する無料ツールで、Webサイトの速度を評価し、表示速度のボトルネックを細かく可視化できるツールです。
会員登録を行なうことで、世界各国からのアクセスにおけるサーバー応答時間や画像の最適化状況、JavaScriptやCSSの読み込み順など、PageSpeed Insightsよりも詳細な技術情報が得られる点が特徴です。
特にグローバル展開するサイトや、複雑な構造を持つページの分析に向いています。
まとめ:自社に合ったツールで、競合に負けないWeb施策
マーケティング戦略を立てるうえで、競合サイトの分析は非常に有効です。
自社にはない強みや特長を再発見できるだけでなく、業界のトレンドや顧客ニーズの変化をいち早く察知する手がかりにもなります。
競合サイトのアクセス数や検索順位といった表面的な数値だけでなく、使用しているCMSや広告配信プラットフォーム、SEOタグの設定状況などを調査することで、相手企業のマーケティング戦略や投資の方向性まで見えてくることがあります。
こうした競合分析を効率的かつ継続的に行うには、各種のサイト分析ツールを活用するのが効果的です。
多くのツールが無料で提供されており、登録不要で気軽に使うことができますが、無料ツールには「データを自分で手動でまとめる必要がある」「分析の自動化ができない」「調査できるキーワード数が限られている」などの制約も存在するため、本格的に競合対策を強化するなら、有料ツールの導入を検討することをおすすめします。
有料ツールであれば、多数のキーワードを自動で定期的に計測したり、詳細なレポートを自動生成してくれるなど、分析の精度と作業効率が格段に向上します。
視覚的なレポート出力や履歴データの蓄積など、社内共有や改善提案にも活用しやすいのが利点です。
なお、海外製ツールの場合はドル建てでの支払いが必要だったり、クレジットカード決済のみに対応しているケースもあります。
導入のしやすさを重視するなら、日本企業が提供するSEO対策ツールや競合分析ツールから始めてみると、安心して継続利用できるでしょう。
ディレクターバンクでは競合調査以外にも様々なお悩みを解決する専門のWebマーケティングディレクターが多数在籍しておりますので、お困りのことがありましたら是非一度ご相談ください。
御社のWeb担当者として即戦力マーケターをアサイン
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