Web担当者のためのマーケティング・ノウハウガイド

教えて先輩マーケター!インスタ・ストーリーズの加工や投稿のコツ

2020年8月20日

連載企画「新米担当におすすめ!SNSマーケターへの道」。第5回は「Instagram(インスタグラム)ストーリーズ投稿の加工のポイント」がテーマです。過去にも当連載で、インスタグラム運用のKPIの策定方法や効果測定についても学んできましたが、今回はさらに焦点を絞り、ストーリーズ投稿に焦点を絞って、先輩マーケターにアドバイスをもらってきました。個人ユーザーの間で流行ってはいるものの、企業のインスタグラムアカウントはどのように活用すれば良いのでしょうか?具体例を交えて細かく教えてくれたのは、ROC・久原佑介さんです。

SNSディレクター 久原佑介さん

株式会社ROC 《会社概要》設立以来4年で300社以上のSNS運用を支援するなど、SNSによる企業の事業成長をサポートするSNSマーケティングに特化したベンチャー企業。500回以上開催・登壇したSNSセミナーを通して、延べ4,000名以上にその活用法をレクチャー。(本社:神戸市中央区、代表取締役:坂本 翔、2016年設立。)

インタビュー担当はディレクターバンクの高野です!

インスタのストーリーズ投稿とフィード投稿の違い

ディレクターバンク高野(以下、DB高野):今日は、インスタグラムのストーリーズの加工方法やその活用法について、教えていただければと思います。まずは、通常のフィード投稿とストーリーズ投稿って何が違うのでしょうか?

ROC久原さん(以下、敬称略):こちらこそよろしくお願いします。ストーリーズは、24時間で消えてしまうコンテンツということもあり、フィードより気軽に投稿できることが大きな特徴です。また、このあと詳しくご紹介しますが、インスタのアプリ内で加工できる機能もたくさん備わっているため、スマホ一つで投稿完了できることも特記すべき点ですね。

DB高野:確かに、テキストを挿入したりスタンプを押したり、個人的にも加工していて楽しいなと感じました。

ROC久原:ですよね。あとは企業のインスタグラムアカウントであれば、広告コンテンツとしての活用時にもストーリーズとフィードの違いは顕著に現れます。

DB高野:と言いますと??

ROC久原:はい、現状、フィード広告と比較してストーリーズ広告のパフォーマンスが良い傾向にあります。

DB高野:へー!そうなんですね。どのぐらい違うのでしょうか?

ROC久原:ストーリーズ広告のコンバージョンとして一般的なクリック数は1.7倍、リーチ数は約5倍、という結果が出たことがありますね。私たちの見解では、フィードに比べてストーリーズの方がスマホの画面占有率が高いため、訴求したい内容がユーザーに伝わり、次のアクションを取りやすいという点がこの違いを生んでいるのではと考えています。

インスタ・ストーリーズ加工の企業事例

DB高野:なるほど。ストーリーズ用のコンテンツもしっかり加工して、運用していくべきなんですね。

ROC久原:そうですね。ただし、前述の通り、フィード投稿よりもカジュアルな投稿をする場所ですので、加工に時間をかけすぎずライトな運用で良いと思います。

今から、実際に私が担当したストーリーズ投稿の事例をいくつかご紹介しますね。どれもアプリなどは使わず、インスタ内に備わっている機能のみで加工したものばかりです。

投票スタンプでクイックアンケート

単純なエンタメ向けの投票から、商品・サービスの価格・カラーバリエーションについて消費者アンケートもクイックに実施することができます。すでにインスタグラムのアカウントをフォローしてくれているユーザー限定の意見としてマーケティングの参考になります。

 

スタンプを使って、クイズを出題!

インスタグラムのストーリーズには、ユーザーとのコミュニケーションを促進するためのスタンプ機能があります。例えばこれはクイックアンケートや選択式クイズとして活用できるスタンプ。

ユーザーから質問を募集

ユーザーとの親密度をアップさせる他の例として、質問を募集する投稿も効果的です。例えば、下記は漢方薬局のインスタグラムアカウントで「カラダのお悩み」を募集している例。

質問スタンプへの質問の回答はDMを通して行うのですが、「アドバイスがもらえた!」「悩みの解決のヒントになった!」といった経験から、そのインスタグラムアカウントを好きになり、親密度の向上につながります。

また、この例の場合は「質問者=実際に体の悩みを持つ見込み客」でもあるので、コミュニケーションをとることで来店訴求にもなります。

ARフィルターを活用しよう!

5Gが普及することで、今後ますます充実することが予測されているのがARフィルター。こちらもインスタグラムのアプリに備わっている機能です。例えば、こちらはサンタクロースになれるフィルター。

高野:久原さん、絶妙な表情ですね(笑)

久原:(苦笑)海外ではすでに流行っているようで、大手コーヒーチェーン店のインスタグラムアカウントでも多用されています。これを活用するメリットとして、プロフィールページの充実があります。ARフィルターを使用したストーリーズ投稿をしておくと、その投稿をまとめて閲覧できるタブがプロフィールページ上に掲出されるようになります。これにより「楽しいアカウントだな」という印象を与えることができますね。

リールを使って15秒動画を作ってみよう!

2020年8月5日に新しくリリースされた「リール」という機能を使えば、15秒のショート動画を作成することができます。音楽やエフェクトを挿入し、クリエイティブな動画へと加工することができます。要は、若年層で流行っている「TikTok」と同じようなことがインスタでもできるようになったんです。

ちなみに、個人的な印象ですが、TikTokとインスタグラムは、同じ15秒動画でも反応が伸びる動画の傾向性が微妙に異なっているように感じます。今後もプラットフォームの違いを理解した上で、リールを効果的に活用することによって、加速的にフォロワー獲得につなげることもできるとも考えています。

 

以上、インスタは、新機能がどんどん追加される動きの早いプラットフォームなので、担当者の方は、今回ご紹介のストーリーズ加工をはじめ、インスタ内の様々な機能に慣れ親しみ、トレンドをいち早くキャッチしておくことをオススメします!

 

投稿時の注意点・ストーリーズ投稿のKPIは?

DB高野:ストーリーズの投稿頻度はどのぐらいが適正なのでしょうか?

ROC久原:運用負荷を度外視すれば、理想は1日1回以上です。

DB高野:なるほど、毎日ですね…。1回以上ってことは、多ければ多いほどよいのでしょうか?

ROC久原:いえ、あまり多いと途中でユーザーが離脱してしまうので、1日10回未満が目安ですね。あまりに閲覧されないストーリーズ投稿が溜まってしまうと、ユーザーにとって価値のない投稿だと判断され、リーチが減ってしまう可能性がありますので、気をつけて下さい。

DB高野:わかりました。あと、同じストーリーズの表示欄に「ライブ配信」というのもよく見かけるのですが、あれは?

ROC久原:その名の通り、リアルタイムでユーザーに何かを発信できる機能です。事前にフィードやストーリーズ投稿で配信予定日時を告知しておいてイベントのように活用することもできます。何か大切なお知らせや、これはというコンテンツがある場合は、ぜひチャレンジしてみてください。ライブ配信を通じて、運用担当者と親近感を持ってもらえるよいチャンスです。

それ以外にも、ライブ配信中はストーリーズ表示欄の一番左(もっとも目立つ位置)に表示され続けるので、ユーザーに見つけてもらいやすい状態になり、その後のストーリーズ投稿のリーチが向上します。

ストーリーズ投稿におけるKPIの立て方は?

DB高野:フィード投稿はKPIを立てて運用をしているのであれば、ストーリーズ投稿にもKPI設定が必要でしょうか?

ROC久原:その方が望ましいですね。インスタ・ストーリーズのKPIとしてもっとも一般的なのは、リンククリック数でしょうね。ただし、フォロワー数が1万人未満のインスタグラムアカウントでは、ストーリーズにリンクを貼ることができないため、まずはエンゲージメント(リーチ数やユーザーのアクション数)をKPIとするのが良いと思います。

DB高野:ありがとうございます。いろいろな加工を試して、自社らしいストーリーズ運用ができるようチャレンジしてみます!

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