こんな課題をお持ちのWebマーケティング担当者向けの記事です
BtoB企業のWebマーケティング担当者やコンテンツマーケティング担当者の以下の課題にお答えする記事です。
- BtoB企業でAI活用が加速している理由を知りたい
- 具体的なBtoB企業の成功事例を知りたい
- AI活用を成功させるためのポイントを知りたい
この記事では、AIを活用してビジネスを効率化したり業務効率化を行なっているBtoB企業を具体的に7社ご紹介し、これらの事例を元に、自社がAI活用で成功するためのポイントを解説します。
おすすめAIライティングツールや、AIを活用したSEO最適化手法など、BtoB企業がコンテンツマーケティング施策でAIを効果的に活用する方法の全体像については、こちらの記事をご覧ください。
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AI×コンテンツマーケティングで業務はどう変わる?BtoB企業が成果を出す活用法と注意点まとめ
BtoB企業のWebマーケティング担当者やコンテンツマーケティング担当者の以下の課題にお答えする記事です。 生成AIを活用して自分の業務を改善したい どんなツールが実務で使えるのか知りたい マーケティ ...
目次
なぜ今、BtoB企業でAI活用が加速しているのか
ChatGPTをはじめとした生成AIの登場により、オウンドメディア運用などのコンテンツマーケティング施策の効率化と改善が進んでいます。
特にBtoB企業では、「業務効率化」だけでなく、「人材不足」「競争優位性の確保」といった経営課題を背景に、AIを積極的に活用する企業が増加しています。
市場環境・業務効率・リソース不足などの背景
デジタルシフトの加速や消費者行動の変化により、企業間取引においても「質の高い情報提供」や「スピーディな対応」が求められるようになっています。
一方で、BtoB企業では以下のような課題も顕在化しています。
■人材不足によるリソースの不足
コンテンツ制作や営業支援、カスタマーサポートといった領域は、人手に頼る業務が多く、担当者の工数確保が課題になりがちです。
■非効率な業務プロセス
資料作成、問い合わせ対応、レポート作成など、繰り返し作業の多い業務が属人化している企業も少なくありません。
■競争環境の激化
顧客ニーズが多様化する中、いかに差別化された価値を提供できるかが、企業の競争力に直結しています。
こうした課題を解決する手段として、AIは今や「現場で使える技術」として注目されています。
コンテンツマーケティング領域にも拡大中
これまでAIの活用は、画像認識や予測分析など一部の専門領域に限られていましたが、ChatGPTなどの生成AIの登場により、テキスト生成やデータ要約、文献調査や市場調査といった言語領域にも対応が広がっています。
コンテンツマーケティング施策においても、以下のような業務への活用が急速に進んでいます。
- 記事・ホワイトペーパーの草案作成
- 作成した記事の校正
- SEOキーワード分析・検索意図の整理
- SNS運用のレポート作成や投稿分析
- コンテンツに合う画像の生成
かつて数日~1週間かけて行っていた作業が、数時間~半日で完了するため、「スピードと質を両立できるツール」として評価されています。
BtoB企業におけるAI活用の主な領域とは
コンテンツ制作(例:記事作成、ホワイトペーパー)
BtoBマーケティングにおいては、リード獲得やナーチャリングを目的にオウンドメディアを運用したり、ホワイトペーパーやブログ記事などのコンテンツを作成する企業が増えています。
こうした制作業務においてAIは、次のような活用が可能です。
- タイトルや構成案の自動生成
- 過去記事からの要約・再構成
- SEOキーワードに基づく下書き作成
- 専門知識に基づいた技術的説明の補助
ただし、「完全自動化」ではなく、AIを“下書き生成ツール”として使い、人間が仕上げるというハイブリッド運用がおすすめです。
営業支援(例:リードスコアリング、営業トーク生成)
BtoB企業における営業部門では、AIの活用によって属人性の高い業務を効率化する動きが広がっており、具体的には、以下のような方法があります。
- 顧客データに基づくリードスコアリング
- 商談内容からの提案資料自動生成
- 過去の商談履歴に基づいた営業トークスクリプトの生成
これにより、営業担当者はより確度の高いリードに集中でき、提案活動の質とスピードを同時に高めることができます。
カスタマーサポート(チャットボット、FAQ生成)
問い合わせ対応やサポート業務は、AIとの親和性が非常に高い領域です。
生成AIを活用することで、次のような取り組みが可能になります。
- チャットボットによる24時間対応の自動応答
- 顧客の質問履歴からFAQの自動生成
- 過去の対応データを学習したテンプレートの提示
AIによる対応が定型的な質問を担うことで、サポート担当者はより複雑な対応や顧客満足度向上に注力できるようになります。
データ分析/予測(商談成約率の予測など)
AIは膨大なデータからパターンを抽出し、未来の動きを予測するのが得意であることを活かし、BtoB企業においては以下のような業務でAIが活用されています。
勘や経験に頼りがちだった意思決定を、データドリブンで行えるようになるため、精度と再現性を高めることが可能です。
- 顧客データを基にした商談成約率の予測
- Webサイトやメール開封履歴からの購買意欲分析
- マーケティング施策の効果予測と改善提案
BtoB企業でもすぐ導入できるAI活用の成功事例7選
事例①:WAOCON|ライティングツールを利用した記事制作業務の削減

マーケティング支援を展開する株式会社WAOCONは、サテライトサイトの記事制作業務において、AIライティングアシスタント「Catchy」を導入し、従来3~5日かかっていた記事制作を1日以内に短縮することができました。
Catchyはマーケティング分野においてキャッチコピーや記事コンテンツの作成を支援するAIライティングツールで、無料プランで想定以上の文章が生成されたことをきっかけに導入を決定しました。
これにより、記事制作にかかる工数の削減と、外注費の削減に成功しました。
事例②:JBPress|海外ビジネス情報の校正をAIを活用して効率化

ビジネスメディア「JBpress」を運営する株式会社JBpressは、多様な寄稿者からの原稿を少人数の編集部でチェックしており、誤字脱字や表現のばらつきが大きな課題でした。
そこで、朝日新聞社が提供するAI校正ツール「Typoless(タイポレス)」を導入したところ、編集長による最終チェックでの修正作業が減少するなど編集業務の効率化と記事品質の向上を行なうことができました。
さらに、Typolessの使用を編集フローに組み込むことで、校正ルールの共通理解が進み、業務の標準化や情報漏えいリスクの低減にも効果をあげています。
事例③:メンタルヘルステクノロジーズ|営業担当の資料作成をAIで自動化、作成時間が3分の1に短縮

営業資料作成の効率化と質の向上を目指し、株式会社メンタルヘルステクノロジーズでは営業資料自動作成ツール「イルシル」を導入しました。
これまで提案書作成は月に10本以上、外注に頼ることも多く、月額約35万円のコストと、営業担当者の作業負担が課題となっていました。
イルシル導入後は、テンプレート活用により誰でも短時間で一定品質の資料が作成可能となり、作成時間は従来の約3分の1に、外注コストも約44%削減されました。
提案スピードが上がった効果もあり、営業リーダーからはエンタープライズ提案で成約率が20%以上向上したという声もあがり、導入効果を実感しています。
事例④:共立製薬|BtoBサイトへのチャットボット導入

動物用医薬品を扱う共立製薬株式会社では、BtoB向け(動物病院向け)の会員制ECサイト「ライフサポートセンター」において、問い合わせ対応の効率化が大きな課題となっていました。
月間400件以上にのぼる問い合わせは、営業担当とコールセンターが電話やメールで対応していましたが、その多くが「送料」「支払い方法」「ログイン手順」など定型的な内容で、現場の負担が大きくなっていました。
こうした課題を解決するため、同社はチャットボットを導入したところ、よくある質問への即時対応を自動化することで、電話による問い合わせは約3分の1に、フォーム経由の問い合わせは半減。全体として、問い合わせ件数を50%以上削減することに成功しました。
これにより、コールセンターのスタッフは専門的で複雑な対応に集中できるようになり、業務の質と効率が大幅に向上しました。
さらに、チャットボットの自動レポート機能により問い合わせ傾向の可視化が進み、営業資料や社内共有資料の作成にも役立てられています。
事例⑤:三井住友海上/生成AIチャットツールを全社員で活用

三井住友海上火災保険株式会社では、日本マイクロソフトが提供する「Azure OpenAI Service」を元に、セキュリティを確保した生成AIチャットツール「MS-Assistant」を構築し、全社員が利用しています。
MS-Assistantを使用すると、保険商品の詳しい内容や、事務手続きルールなどについて、チャット機能で質問するだけで回答が届くほか、事故対応時の通話記録から通話内容を生成AIが要約する機能などを業務で実践しています。
さらに、今後も約款に関する内容やよくある質問(FAQ)の情報などを追加し、安全に社員がデータベースとして利用できるよう開発を進めています。
事例⑥:日本触媒|広報業務を効率化

製紙メーカーの株式会社日本触媒では、BtoB広報活動における日報や成果報告レポートの作成業務が煩雑になっているという課題を抱えていました。
こうした課題を背景に、同社は広報業務の効率化、省力化を目的として、広報に特化したクラウドツール「PRオートメーション」を導入しました。
このツールには、過去を含めた記事クリッピング機能だけでなく、レポート作成の自動生成・一括編集・効果測定レポートの出力機能が備わっており、導入後は定型レポート作りが短時間で完了できるようになりました。
結果として、「レポート作りを大幅に時短できた」と広報部門でも手応えが得られただけでなく、広報業務を“見える化”できる仕組みが整ったことで、成果把握やPDCAサイクルへの即時反映が可能になりました。
事例⑦:ソフトバンク|採用活動のエントリーシート評価にAIを活用

法人向けの通信事業を展開するソフトバンク株式会社では、2017年より採用活動においてAIを活用しています。
新卒採用において学生から提出されるエントリーシートの評価を担当者が1件ずつ読むことが負担となっていたところ、効率化と評価基準を統一させる観点から、AI活用を開始しました。
不合格の場合のみ読み直す体制としたことで工数の削減につながるほか、誤った判定で不合格となることを防ぐため、AIによる判定で不合格になった場合でもあらためて担当者が読み直すことで結果を補正できる体制にしています。
事例から学ぶ成功の共通ポイント
活用目的を明確にしている
AI導入に成功している企業の多くは、「何のためにAIを使うのか」という目的を明確にしています。
たとえば、紹介した各社の事例において、株式会社WAOCONは「記事制作の工数削減」、共立製薬株式会社は「定型的な問い合わせ対応の自動化」、株式会社日本触媒は「広報のレポート作成の工数削減」、株式会社メンタルヘルステクノロジーズは「営業資料作成の内製化・スピードアップ」といった具体的な課題解決を目的としています。
目的が明確であれば、ツール選定や導入範囲、評価指標も定まりやすくなり、成果にも直結します。
AIの「得意・不得意」を理解して役割分担
AIをうまく活用している企業は、人間とAIの適切な役割分担にも注力しています。
たとえば株式会社JBpressでは、AI校正ツールを編集プロセスの一部に組み込むことで、誤字脱字のチェックやルール遵守をAIに任せつつ、最終的な判断や表現の統一は編集者が担っています。
ソフトバンク株式会社のように、AIによる初期判定のあとに人間が再チェックするなど、AIの出力を鵜呑みにせず、補完的に活用する姿勢が精度向上につながっています。
このように、AIの強みを活かしながら、人の判断や創造力が必要な部分には人が関与する体制が重要です。
検証体制・トライアルから始めている
成功事例では、多くの企業が小さく試して、徐々に本格導入へとステップを踏んでいます。
株式会社WAOCONがCatchyの無料プランで効果を実感してから正式導入したように、まずは少額で試し、成果や課題を見極めてから本格運用に移行するスタイルが主流です。
検証フェーズを設けることで、導入失敗のリスクを抑えつつ、自社にフィットするAIツールや運用方法を見つけやすくなります。
まとめ:まずは小さく試し、自社にあったAI活用モデルを見つけよう
BtoB企業におけるAI活用は、コンテンツ制作、営業支援、カスタマーサポート、データ分析など、さまざまな領域に広がりを見せています。
今回ご紹介した7社の事例から見えてきた、AI活用を成功させるためのポイントとしては以下のような項目が挙げられます。
- AI活用に関する明確な目的やKPIを設定する
- 人(担当者)とAIの役割を分担する
- 全社的な広がりが難しい場合は小規模なものから検証・導入する
業務内容を棚卸しし、どの業務でAIを活用するかを決定したら、ツールによっては無料トライアルを利用することで、低コストで試すことが可能です。
「試して学ぶ」姿勢が重要
AIはあくまでツールであり、「使ってみる」ことではじめてその適性や効果が見えてきます。
そして、AIの出力結果は必ずしも正確なものではない可能性があるため、人間(担当者)による事実確認などが必要な場合もあります。
最初から完璧な活用を目指すのではなく、トライアルや限定運用を通じて、自社に合った使い方を模索していく姿勢が重要です。
小さな成功体験の積み重ねることで全社的なAI活用へとつながります。
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