ペルソナ設計とは?具体的な設計手法やポイントをご紹介

2021年3月18日

Webマーケティングのあらゆる施策の成功のポイントは、誰のための施策なのかが一気通貫していること、と言われています。

オウンドメディア、LP、SNS、メルマガなどの情報発信は、「誰に・何を・いつ」届けるのかによって、好印象を与えることもあれば、ウザいと捉えられてしまうこともあります。

その施策の根幹を決める際に重要となるのがペルソナ設定です。今回は、そのペルソナ設定をするための具体的な方法から、ペルソナシートの記入例、参考となるテンプレートなどをご紹介していきます。

ペルソナとは?

ターゲットとなる顧客の特徴を細かく設定したモデルユーザー・顧客像のこと。性、年代、居住地、家族構成といったでもグラフィック情報に、趣味やライフスタイル、消費行動、価値観などを加え、明確な人物像を設定します。

「ターゲット」と混同してしまうことも多いのですが、ターゲットは年代、男女、学歴、年収、既婚未婚などの属性情報で分類することが一般的であるのに対し、ペルソナは趣味嗜好、行動などより詳細な情報を加えて、明確な人となりを設定します。

ペルソナとターゲットの違い

例えば「30代の男性会社員」「東京で一人暮らしをしている独身女性」などはターゲット。一昔前までは、このようなざっくりとした分類でも十分マーケティング活動ができていましたが、最近はライフスタイルが多様化し、属性情報だけでは顧客のニーズを把握することが難しくなっていきました。ここで注目されるようになったのが、ペルソナです。

なぜペルソナを設定するのか?

ペルソナを設定するメリットは以下の通りです。

メンバー間で共有できる

たとえば、Webページを構築する際、「ターゲットは30代女性」としか設定していなかったとしたら、プロジェクトメンバーが思い描く人物像はバラバラである可能性があります。キャリア志向か、プライベート充実派かによってキャッチコピーやコンテンツの切り口が変わったり、普段見ている雑誌やメディア、ファッションの好みが違えば、当然、好まれるサイトデザインも違ってくるでしょう。

誰のためのWebページなのかを定義づけ、イメージを共有した状態でプロジェクトスタートするためにペルソナ設定は有効な手段と言えます。

良い判断を導ける

ペルソナイメージがメンバー間でしっかり共有できていないと、Aさん向けのキャッチコピーに、Bさん向けの機能、Cさん向けのデザインと、チグハグなWebページが完成してしまうことがあります。これは、異なるペルソナイメージをもつメンバーの意見を全て取り入れようとした結果です。または、メンバー間で持っている共通認識を最終決裁者に伝えられず、「これも追加したい」「もっとこんな風にできないか?」と想定外のリクエストを出されてしまったということも考えられます。

明確なペルソナ設計をし、要件定義や意思決定の判断基準とすることで、議論が堂々巡りしてしまったり、作り手の視点だけで判断を下してしまったり、ということを防ぐことができるのです。

本当の意味でユーザー視点に立ちやすい

プロジェクトに携わる期間が長くなると客観的な視点が薄れていき、無意識にユーザー視点で考えている「つもり」な状況に陥っていることがあります。アンケートやインタビューで実際のターゲットに話を聞いた上で、しっかりとペルソナを設定し定期的に振り返ることで、思い込みのユーザー像を作り上げてしまうことを避けることができます。

 

設定するペルソナは1パターンで良いか?

ライフスタイルが多様化した今、ターゲットとなる顧客像が1パターンに収まることはほとんどありません。一般的には、3〜4パターン、多いときには6〜8パターンのペルソナを設定することがあります。

ただし、設定したからといって、全てのペルソナのニーズがかなった商品・サービスを目指すわけではありません。購入の可能性があるペルソナを一旦全て把握した上で、「メインはこのペルソナ」「直近の3ヶ月はこのペルソナに注力してみよう」「このペルソナを狙うのは断念しよう」と優先度をつけ、施策検討に生かしていくのです。

例えば、見積もり相場ガイドの場合は?

この記事を読んでくださっている皆さまをタイプ分けするのは、なんだか失礼にあたるのでは?という心の揺れをおさえてお伝えしますが(笑)、所属部署や担当業務、直面している課題などの軸で、以下のA〜Dの4つのペルソナに分けています。

タイプA

マーケティング部や広報部の現場マネージャー。担当業務はイベント用LP政策、コーポレートリニューアル検討、コーポレートコンテンツ運用などのWebコンテンツ制作

タイプB

Webでの新規リード獲得のための施策を探しているB2Bの中小企業経営者、B2Bの中堅企業以上の事業部門の現場マネージャー。HubSpot、オンライン商談などに興味がある。

タイプC

新規事業部のマネージャーや現場担当で、コンテンツマーケティング施策やオウンドメディア立ち上げを検討している。

タイプD

SNSマーケティングに興味関心がある中小企業の経営者、B2Cの中堅以上のWebマーケティング担当。

この記事はどのペルソナに向けた情報発信か?

毎月の編集会議では、必ず「今、どのペルソナに向けて記事を書いているのか?」を念頭において記事テーマを選定していきます。

ちなみに、今回のペルソナ設定に関する記事は、どのタイプ向けのコンテンツでしょうか?

正解は、Cタイプのコンテンツマーケティング施策やオウンドメディア立ち上げを検討している新規事業部のマネージャーや現場担当の皆さんです。(もちろんそれ以外の方にも読んでいただきたいとは思っています笑 ←こういう欲張りな気持ちが、施策のブレにつながっていくのです)

ペルソナ設計に必要な情報って?

ペルソナ設計のアウトプットは、このようなものになります。

ペルソナシートの入力サンプル

レシピサイト運営するプロジェクト用に作成したペルソナ。※内容はフィクションです。

A4またはA3出力で1ページに収まるよう作成します。1ペルソナ・1ページという資料のつくりにしておくと、複数のペルソナシートをホワイトボードに貼り俯瞰してみることができるので、会議の際に便利です。

それでは、このようなペルソナを作る上で、必要な情報を列挙していきましょう。(長いです)

基本情報

まずはデモグラフィック情報からです。

-名前
-性別
-年齢
-職業
-学歴
-収入
-既婚・未婚
-同居家族構成
-居住地域

仕事関連の情報

BtoBサービスのペルソナを設計する際にもっとも基本となる情報です。

-事業規模(売上規模や従業員数など)
-業種
-業態
-所属部門、役職
-企業の課題
-仕事上の役割
-意思決定権の有無、または意思決定における役割
-1日の過ごし方(通勤、出社から帰社まで)
-接触するメディア、情報収集の仕方
-社外での活動(キャリアに関するもの)

行動情報

その人をよりリアルに想像するために必ず設定します。また、広告出稿する際のメディア選定、SNSの投稿時間などを決める判断材料にもなります。

-平日・休日の基本的な流れ
-よくいく場所
-友達の数(リアル、SNS)
-趣味
-好きなWebメディア、SNS
-好きなテレビ番組、雑誌
-使用デバイス

購買検討時の情報

商品・サービスであれば購買までの行動、コンテンツであれば購読までの行動を詳しくヒアリングします。

-購入前の不安
-商品・サービス認知のきっかけ
-検索キーワード
-比較検討した商品・サービス
-購入を決めた理由
-購入しなかった理由
-購入後に感じた効果や変化
-商品やサービスへの要望

目標と課題(仕事とプライベートを含め)

その人のやりたいこと、解決したい課題解決をサポートできる商品・サービス・コンテンツかどうか、振り返る上で大切な要素です。

-今、もっとも課題だと感じていること
-それ以外に把握している課題
-今、チャレンジしていること
-いつかチャレンジしてみたいと思っていること
-チャレンジしたいが無理だろうなと思っていること
-現状チャレンジできていない、無理だと思わせる障壁は何か

価値観

その人が大切にする価値観を理解することで、避けるべき表現や伝えるべきメッセージが決まります。

-優先する価値観
-言われたり、されたりすると嫌なこと
-尊敬する人

ペルソナ設計に必要な情報収集

ヒアリングしたい項目が決まったら、実際のターゲットにヒアリングを開始します。その手段は、いくつかありますので順にご紹介します。

よく使われるのが、基本属性を対象にWebアンケートです。新規事業の場合などは、ターゲットグループの中にどんな人物像がいるのか把握でいていないことが多いので、まずは、広くターゲットにアンケートをとり、その回答結果をまとめながら、数パターンのペルソナを見つけていきます。

デプスインタビューの様子

ですが、アンケートだけでは回答に深みがなく、周辺情報を得ることができないので、デプスインタビュー(DI)実施します。これは、対象者1人に対して、モデレーター(インタビュアー)が「1対1」でインタビューをする調査手法です。細かい質問が続くので、対象者は普段の記憶を辿るのに時間がかかることも多いのですが、デプスの場合は、マイペースに語ってもらえることがメリット。さらに、大勢の前では話しづらいトピックについても話しやすくなります。

平均的なインタビュー時間は40〜90分。トータルで10〜20人にヒアリングすることが一般的です。

インタビュー成功のポイントは、モデレーターが聞き上手であること。対象者が安心して話せるよう打ち解け、答えやすい質問を投げることが重要です。回答内容を誘導することなく、うまく引き出すにはある程度の経験も必要になるので、プロのモデレーターに依頼することも検討してみてください。

続いて、ソーシャルリスニング。専用のツールを用いて、「〇〇にハマってる!」「〇〇めっちゃ便利!」などと商品名・サービス名がどんな文脈でSNS上に投稿されているかを分析します。また、「~~が使いづらい」「〇〇が不便」など課題抽出に使うことができます。

膨大な量のクチコミから必要な情報を探すにはコツが必要ですが、ソーシャルリスニングツールの提供会社のほとんどが、ツールの使い方や分析のポイントをレクチャーしてくれると思いますので、ぜひ相談してみてください。

 

ペルソナシートを作ってみよう

情報収集が終わったら、いよいよ資料に落とし込んでいきます。

まとめ方に決まりはありませんが、無料ダウンロードできるテンプレートもたくさんあります。一つのテンプレートにこだわらず、いろいろなテンプレートを集めて自分なりに使いやすい内容にカスタムしてみるのが良いと思います。

こちらの記事を参考に

マーケ担当者のためのペルソナ作成テンプレート7選:2020年6月版

ペルソナ設計に迷ったら?

ディレクターバンクでは、オウンドメディアの運用やWeb戦略に必要なペルソナの設計もご支援しています。経験豊富なディレクター陣が、現場で培ったノウハウを惜しみなくシェアさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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福田貴子

福田貴子

WebメディアやSNS企業アカウントの運用中心にコンテンツ企画、制作ディレクション、ライティングまで幅広くこなす。元PRプランナー、デジタルマーケティングコンサルタントを経て2016年に独立。2020年より見積もり相場ガイド2代目編集長に就任。

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