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SNS広告運用を成功させる秘訣は?代行業者選定から予算相場、発注のポイントまでを現役ディレクターが語る!

2021年1月29日

ディレクター陣が事業主へこっそり伝えたい「見積もりの取りかたノウハウ」シリーズ。今回は、SNS広告運用について取り上げてみたいと思います。安価から気軽に始められるWEB広告ですが、運用代行業者に依頼する場合は、どんなポイントに気をつけると良いのでしょうか?そんなSNS広告の基本について教えくれるのは、企業のSNS広告運用を含めたデジタルマーケティングに精通している現役ディレクター・平野由梨子さんです!

教えてくれたのはこの人!

EQREA平野さん

株式会社EQREA 代表・ 平野 由梨子

女性向けのSNS運用とEC運用を中心とするデジタルマーケティング支援事業を展開。プロジェクトの目的から逆算して現場の運用に戦略的に落とし込み、伴走する支援体制を提供。大手企業のSNSでは1年で3万人のフォロワー増加、EC領域では追加予算無しで1年間で売上数千万円UPなどの実績あり。

SNS広告って何?どんな時に運用すべき?

SNS広告の運用はどんな時に効果的なのでしょうか?

私がご支援している案件では、「集客」を目的にSNS広告を運用するケースが大半です。LP(ランディングページ)、ECサイト、オウンドメディアや自社HP、自社のSNSアカウントなど。誘導先はさまざまですが、アクセスを強化したいサイトがある場合に、その手段として検討しています。

SNS広告以外にもディスプレイ広告やリスティング広告など、他のWEB広告もありますが、何が違うのでしょうか?

ディスプレイ広告との違い

ディスプレイ広告との大きな違いは、SNS広告は自社SNSアカウントに紐づいているという点です。SNS広告を運用したいと思ったら、SNSアカウント開設は必須。同じ広告メニューから、サイト誘導と同時に自社アカウントのプロフィールページへも誘導することが可能です。日頃からSNSアカウントを運用されている企業であれば、広告運用をしながらアカウント周知を兼ねることができるというわけです。

リスティング広告との違い

リスティング広告は、ユーザーがキーワード検索をした際に表示される広告ですが、この広告がターゲットとするのは、商品名やサービス名などキーワード検索して情報収集をしているユーザー(ニーズの顕在層)に限られます。一方で、SNS広告はニーズの潜在層、つまり、まだ商品名やサービス名が頭に浮かんでいないユーザーに対して、画像や動画で興味喚起することを得意とします。マーケティングの視点で、顕在層・潜在層のどちらをターゲットとするかを検討すれば、自ずとどんなWEB広告を出稿すべきか判断できるかと思います。

SNS広告のプラットフォーム選定

ひとくくりにSNS広告と言っても、Instagram、Facebook、Twitterなど色々ありますよね? 何が違うのですか?

広告運用を検討する場合は、プラットフォーム自体の特長や違いよりも、そのプラットフォーム利用者の属性や趣味嗜好を探り、広告出稿で狙いたいターゲット層と合致するかどうか、という視点で使い分けをするのが良いでしょう。まずはターゲットとなる条件を洗い出し、それぞれのプラットフォームにどのくらいのユーザー数が存在しているかをチェックしてください。運用会社に依頼する場合は、運用会社が各プラットフォームの比較をした上で提案をしてもらえます。

補足として、Twitter広告に限った話ですが、広告出稿したツイート内容に話題性がある場合は、ユーザーが自発的にリツイート(RT)してくれ、想定を超えた拡散につながる場合もあります。過度な期待は禁物ですが笑、拡散の可能性が高そうなコンテンツであれば、Twitter広告を選択するのも一案です。

SNS広告の運用、成功のポイント

SNS広告を運用し成果を出すには、どんなことに気をつければ良いでしょうか?

SNS広告からサイト誘導、そしてコンバージョンへと効果的に遷移させるためには、[1]誘導先の設計、[2]SNS広告の設計、という二軸から検討していく必要があります。

[1]誘導先での設計

SNSから遷移してきたユーザーにアクション(購入や資料請求)をしてもらうための設計がしっかりできているか、制作段階でしっかりと検討してください。ここでは詳細に触れませんが、ターゲットに合ったトンマナでデザインされているか、文言やボタンなどのレイアウトは適切かなど、様々な検討箇所がありますので、改善すべき点は出稿前に対応しておいた方が効果的です。

[2] SNS広告の設計

広告と遷移先のクリエイティブがあまりに違うと離脱の原因になります。どこへ誘導するための入り口(広告)なのかをしっかりイメージした上で、広告制作に着手すると効果的です。LP制作とSNS広告運用を別会社に外注している場合は、クリエイティブを共有し、トーンを踏襲してもらうよう依頼をしてください。

SNS広告運用を代行してもらう場合

SNS広告の運用を代行業者に依頼する場合の費用感や業者選定について教えてください。

費用相場

大半の運用代行業者は、出稿金額の20%を運用手数料と設定しています。中には、最低手数料・最低出稿金額を設けている場合がありますので見積もり依頼時に確認をしてください。

運用代行業者の選定ポイント

どの運用代行業者も、代行する作業自体は以下のような流れになります。

  1. 広告メニュー選定
  2. クリエイティブ制作
  3. ターゲット設定
  4. 出稿プラン策定
  5. 運用
  6. レポート提出

その中でも、6.運用中にこまめに進捗報告を入れてもらえるかどうかが成功の秘訣なので、事前に確認しておくと良いと思います。

SNS広告を含めた運用型広告は、運用期間中にもリアルタイムで様々な数値を取得することができますが、その数値がいいのか悪いのかを判断をし、悪い場合はその理由を分析・改善案提示できるかどうかは、運用代行業者の力量にかかっています。

その力量の違いは、過去実績の豊富さに比例します。実績が多ければ、他案件の数値や平均値との比較ができ、数値の良し悪しの判断がしやすくなるからです。引き出しが多ければ多いほど、様々な角度から解析をすることができ、必要な軌道修正が可能です。さらに言えば、過去実績の中でも同業種や類似商材の実績があれば、なお良いでしょう。

運用代行依頼時に必ず伝えるべきこと

SNS広告含めたデジタル広告は、コンバージョンまでの数値が明確に取得できるので、費用対効果を図りやすいのがメリットです。ただ、どの数値で効果を図るのかを決めてから出稿しなければ、効果測定ができません。広告出稿前の現状把握をするため、以下のような内容を教えてください。

・LP(または誘導したいサイト)への通常のPV数や訪問者数
・コンバージョン数やコンバージョン率

もし数値が手元にない場合は、SNS広告出稿前に短期間でも計測期間をを設けると良いでしょう。その現状を踏まえた上で、広告出稿でどの程度まで向上させたいか、という希望をお知らせください。

現状分析をしないままに広告出稿をすると、広告単体での効果測定ができなくなるからです。ピンとこないままスタートすると、ぼんやりとした結果しか得られず、もったいないですからね。サイト側の設計に問題があるのか、広告の出稿内容に問題があるのか、しっかり解析をして初めて次の一手が見えてくるようになります。

 

RFP(提案依頼書)テンプレートのダウンロードはこちら!

平野さん、ありがとうございました。

今回の取材を元に、SNS広告の運用代行を依頼する際に、運用代行業者へ必ず伝えるべきポイントをまとめ「RFP(提案依頼書)テンプレート」を作成しました。SNS広告の発注・見積もり依頼時にどうぞご活用ください。

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福田貴子

WebメディアやSNS企業アカウントの運用中心にコンテンツ企画、制作ディレクション、ライティングまで幅広くこなす。元PRプランナー、デジタルマーケティングコンサルタントを経て2016年に独立。2020年より見積もり相場ガイド2代目編集長に就任。