(2018年2月版のレポートに追加調査を行い、更新したものです)
新規顧客を増やしたいけれど、営業のリソースが不足しており、新規のテレアポに十分な時間を取れない。展示会などで集めた見込み顧客の情報、リストはあるけれど、アポイント獲得や売上につながらない。
そんな課題を持つ企業を助けるのが、テレアポ代行サービスです。このサービスでは、基本的にクライアント企業が持つリストと情報を基に、最適なトークスクリプトを作成し、テレアポを代行します。
料金体系は、コール課金型や一部成果報酬型、完全成果報酬型など、サービスによって違いがあります。本記事では、主要なテレアポ代行サービスについて、それぞれの特徴を比較するとともに、相場感を調査しました。
テレアポ代行サービスの進め方
- 基本的に、発注企業側がリストを提供する。テレアポ代行業者によってはリスト最適化を行ってくれるサービスもある。
- 発注企業について、また商品やサービスについてテレアポ代行業者がヒアリングを行い、トークスクリプトを作成する。
- 上記1、2に基づき、テレアポ代行業者側でアポイント獲得のための営業電話をかける。
- テレアポ代行業者から発注企業へ、獲得できたアポイントやコール進捗の報告。
- テレアポ代行業者によっては、訪問営業までを代行してくれるサービスもある。
サービス比較のポイント
・テレアポは誰が担当するか
実績豊富なスタッフが担当する場合や、コールセンターを運営しているような業者の場合、電話品質の高さが期待できる。
・トークスクリプトはどのように作成されるか
丁寧なヒアリングや、専門のテンプレート作成者がいる場合、効果的なトークスクリプトが期待できる。
・コール進捗、アポイント獲得についてのレポート
こまめに進捗レポートが確認できるサービスは安心感がある。コール録音を開示してくれるサービスもある。
・料金体系
コール課金型、一部成果報酬型、完全成果報酬型などがある。目標とするアポイント獲得や、成約一件ごとに見込まれる売上などに応じて、適切なコストとなるサービスを選ぼう。
・アポイント獲得後のフォロー
営業人員が不足している場合、訪問営業まで代行してくれるサービスもあるので、アポイント代行サービスと併せて検討すると良い。
テレアポ代行サービスの最新相場調査
1.ジェットソン デザイン&セールスフォース
都内2カ所に拠点を持つ。営業力強化のためのサービスを提供するセールスオフィスと、ブランディングやコンテンツ制作などのサービスを提供するデザインオフィスとにわかれている会社。テレアポ代行サービスはセールスオフィスにて提供。スタートアップサポートやイベントサポートなども行なっている。
サービスの特長
- ベンチャー企業、新規立ち上げ支援に特化
- Web・IT関連のスタートアップ支援、新規取引先開拓が得意
- テレアポ代行に加え、営業資料作成、戦略立案、訪問など営業活動全般の代行が可能
- デザイン面でのサポートもできる
利用者の特徴
- ベンチャー企業からの営業支援依頼が多い
- インサイドセールス、Web集客支援などのインバウンド強化の依頼もある
料金体系、中心価格帯
初期費用:1.5万円~
営業架電:100円~/件
アポイント取得(インセンティブ):4,000円~
- テレアポ代行のみ依頼の場合
- トークスクリプト作成などテレアポに必要な資料一式の作成を含む
- 活動量や期間によっては固定報酬での契約も可能
2.テレアポJAPAN
コーキ株式会社の提供するテレアポ代行サービス。同社は、アウトバンド(電話発信)業務に特化した各種業務の実績がある。自社でコールセンターも運営しており、コールセンター業務の他、テレマーケティング業務、データ入力業務なども請け負っている。
サービスの特長
- 長年のコールセンター運営に基づくオリジナルトークスクリプト
- 音声データを提供可能
- デイリーレポートにも対応
- 架電するスタッフの男女指定、市外局番のリクエストにも対応
利用者の特徴
以下のような活用事例がある。
- フリーペーパー(タウン情報誌)発行会社:営業部員が行っていたテレアポを外注。毎月6,000件のテレアポ代行で200件前後のアポイント獲得。営業の稼働効率が向上し、月次売上が300万円以上増加。
- オフィス用品販売会社:新規リストを中心に毎月5,000件以上のテレアポ代行。営業担当が1人で売上がほぼなかったところから、開始3ヶ月目で毎月約200万円の新規売上、約20社の新規取引開始を達成。
料金、中心価格帯
初期費用:5万円
架電費用:100円/件
- 業務委託型
- 1コールのみの場合(1コール目に不在でも再度架電しない)
- 1コール目に不在のとき、2回目の架電をおこなう場合は150円/件、3回目まで架電をおこなう場合は200円/件となる
3.ビズコール88
株式会社イクイップが提供するテレアポ代行サービス。同社は、テレアポ代行を始め、首都圏特化型の訪問営業代行やテレアポ特化のコンサルティング、クリエイティブ業界に特化した営業代行など、営業力強化、アウトソーシングに特化したサービスを展開。10年以上の実績がある。
サービスの特長
- テレアポ経験2年以上の経験豊富なスタッフ
- トークリストの適宜見直し
- アポイント獲得率2~5%を目標にテレアポ実施
- 業界最安水準の架電費用
利用者の特徴
- 他社サービスからの乗り換えが多い
- 他社サービスで成果が出なかった、コストを抑えたいという依頼が多い
料金、中心価格帯
初期費用:19,800円
架電費用:88円/件
- 1コール目に不在の場合、2回目以降の架電をおこなう場合は別途費用
4.コミットメントα
株式会社コミットメントホールディングスが提供するテレアポ代行サービス。テレアポ・営業代行に特化して、本サービスと営業代行「コミットメントΣ」の2本柱でサービスを展開している。いずれも完全成果報酬型で、確実に成果を出すために月の受注数を制限している。
サービスの特長
- 月5社限定の受注でサービス品質を保つ
- アポイント獲得の録音データをすべて開示
- 完全成果報酬型
- 実績豊富なコールセンターと最適化したトークスクリプトでアポ率3%以上
利用者の特徴
- B to Bの商品・サービスのみ
5.SALES BASE
SALES ROBOTICS株式会社(旧社名:株式会社WEIC)が提供するインサイドセールス支援のクラウドシステム。他のテレアポ代行サービスと違い、システムを利用するなかにテレアポ代行サービスが含まれている。同社は、営業支援のためのシステム開発と運用、そこから派生する営業活動のサポートを行なっている。
サービスの特長
- SALES ROBOTICS社が保有するリスト・データを基に、見込み顧客を自動で抽出できるクラウド型サービス
- SALES BASEによるインサイドセールをベースとして、リード獲得、アポイント獲得等をSALES ROBOTICS社で実行可能
- 狙って攻めるABM(アカウントベースドマーケティング)
利用者の特徴
- ITサービス系、人材サービス系の企業が多い
- 営業のパイプラインが足りない、リソースが足りないという課題が多い
料金体系、中心価格帯
月額40万円~50万円の利用が多い
- SALES BASEの利用は月額8万円~(年間契約・10ユーザーまで)
- アポイント獲得1件あたりの単価を設定したうえで、月ごとのアポイント獲得数に応じた「カートリッジ」(1本30万円)を購入する形
編集部のまとめ
今回の調査概要
- 調査母数(問い合わせした企業数):15社
- 有効回答数(調査にご協力いただいた企業数):5社
- テレアポ代行サービスの中心的価格帯は次の通りとなりました
- 初期費用:2万円~5万円程度
- 架電費用:100円前後/件
テレアポ代行サービスに関しては、初期費用に加えて架電数に応じた費用が発生する料金体系が多いようです。また、1コール目で不在だったときに2コール目以降の電話をかけるかで料金が変わります。
初期費用+架電数に応じた費用に加え、アポイント獲得数に応じた料金が発生する一部成果報酬型の料金体系のサービスも多いようです。中には初期費用や架電数に関係ない完全成果報酬型のサービスもありますが、こちらは珍しい料金体系のようです。
訪問営業に対応できる人員がそれなりにいて、営業を効率化したいという場合は、初期費用+架電数に応じた費用という料金体系が向いています。訪問営業から売上につながる確率が高い、成約一件あたりの売上がそれなりにあるという場合は、一部成果報酬型のサービスを選ぶのも良いと思います。
テレアポを行うにあたっての見込み顧客リストは、利用企業側が用意するのが一般的ですが、リストの最適化をおこなってくれるサービスもあります。テレアポに欠かせないトークスプスクリプトに関しては、テレアポ代行業者が、利用企業のヒアリングを行いつつ作成するのが一般的です。
その際、自社のサービスや商品の強みが明確であるほど、効果的なトークスクリプト作成につながります。テレアポ代行サービスを利用する際、営業の効率化や売上向上といった課題を抱えていることが多いと思いますが、改めて自社のサービス・商品について見直しておくと良いのではないでしょうか。
調査実施概要
- 期間(更新):2019年1月22日〜2019年1月31日
- 調査方法:インターネット調査及び電話・メール取材にて実施