【実践編】Canva・Wix・Adobe・Nano Bananaで企業・サービスロゴ作成!生成AIツールで作ったデザインを徹底比較

2026年3月18日

ビジネスの立ち上げ期において、ブランドの顔となるロゴの存在は非常に重要です。

しかし、プロのデザイナーに依頼すれば数万円から数十万円のコストと、ヒアリングから納品まで数週間の時間がかかります。

「起業したばかりで、しっかりした企業ロゴを作りたいが予算に余裕がない」

「新規事業や新サービスを立ち上げるにあたり、まずはスピード重視で仮のロゴを用意したい」

そんな課題に応える強力な代替手段、あるいは「アイデア出しの壁打ち相手」として急速に普及しているのが「生成AI」です。

前回の記事「AIを活用して企業やサービスのロゴを作るには?作成時の注意点やプロンプトのコツを解説」では、AIでロゴを作成する際の基本的な流れや、商用利用・著作権・商標登録といった法的・実務的な注意点について詳しく解説しました。

今回はその続編として、「実際にAIツールを使うと、現場で使えるレベルのクオリティのロゴが本当にできるのか?」という疑問に答えるべく検証を行います。

前回ご紹介した代表的な4つのAIロゴ作成ツール(Canva、Wix Logo Maker、Adobe Express、Nano Banana)を使い、全く同じ条件下で架空の「企業ロゴ」と「サービスロゴ」を作り比べてみました。

どのツールが自分のスキルに合っているかや、自社の目的に適したツールでお悩みの方はこの実践レビューを通じてツール選びの参考にしてください。

今回作成する架空の「企業」と「サービス」の設定

AIツールごとに、得意なデザインのテイストや、得意なアプローチ(対話型、プロンプト型など)は大きく異なります。

その違いを明確にするため、今回は方向性が真逆となる架空の設定としました。

一つは「BtoB向けの堅実で信頼感のある企業ロゴ」、もう一つは「BtoC向けの親しみやすく温かみのあるサービスロゴ」です。

この条件をベースに、各ツールでロゴの生成を行います。

架空の企業設定:株式会社みらいテック(ITコンサルティング)

まずは、堅実さと先進性が求められるBtoB企業のコーポレートロゴです。

(注:同じ名称の企業名が存在しますが、架空の企業を想定しています)

  • 企業名(英字表記):みらいテック(Mirai Tech)
  • 業種:AI技術を活用した中小企業向けのITコンサルティング事業
  • ターゲット層:企業の経営層、システム導入担当者、DX推進部門
  • ブランドコンセプト・伝えたい印象:テクノロジーの先進性、ビジネスにおける絶対的な信頼感、プロフェッショナル集団としての洗練されたスタイリッシュさ
  • メインカラー:ディープブルー(信頼)、シルバーまたはグレー(知性・先進性)
  • ロゴの要件:名刺やコーポレートサイトのヘッダーに配置した際、視認性が高く、スッキリとしたシンボルマークとテキストの組み合わせであること。

架空のサービス設定:ベジデリ(無農薬野菜の定期宅配アプリ)

次は、一般消費者に向けた、温かみと安心感が求められるBtoCサービスのロゴです。

(注:同じ名称の店舗名などは存在しますが、架空のサービスを想定しています)

  • サービス名(英字表記):ベジデリ(Veggie Deli)
  • サービス内容:契約農家から直接届く無農薬野菜の定期宅配スマートフォンアプリ
  • ターゲット層:健康志向の高い20~40代の男女、忙しい共働き世帯
  • ブランドコンセプト・伝えたい印象:オーガニック、日常への親しみやすさ、食卓の温かみ、採れたてのフレッシュさ
  • メインカラー:フレッシュグリーン(自然・野菜)、オレンジまたはイエロー(太陽・温かみ)
  • ロゴの要件:アプリアイコンとしても映える視認性の高さと、SNS(Instagramなど)でシェアされた際にもユーザーに好まれる「可愛らしさ」や「親しみやすさ」があること。

【実践】2つのAIツールで企業ロゴを作ってみた

Canva AIロゴジェネレーター

デザイン初心者からプロまで、世界中で圧倒的なシェアを誇るデザインツール「Canva」が提供するAIロゴジェネレーターは、直感的な操作性が特徴です。

Canvaでロゴジェネレーターを利用する場合Canvaにログインし、ロゴ作成を前提としたCanvaの編集画面からプロンプトを入力します。

「デザインを生成」ボタンをクリックすると、ロゴデザイン案が4つ出力されます。

【プロンプト】

  • 企業名(英字表記):みらいテック(Mirai Tech)
  • 業種:AI技術を活用した中小企業向けのITコンサルティング事業
  • ターゲット層:企業の経営層、システム導入担当者、DX推進部門
  • ブランドコンセプト・伝えたい印象:テクノロジーの先進性、ビジネスにおける絶対的な信頼感、プロフェッショナル集団としての洗練されたスタイリッシュさ
  • メインカラー:ディープブルー(信頼)、シルバーまたはグレー(知性・先進性)
  • ロゴの要件:名刺やコーポレートサイトのヘッダーに配置した際、視認性が高く、スッキリとしたシンボルマークとテキストの組み合わせであること。
出典:Canva公式サイト

提案されたデザインはCanva上で編集することができ、フォントなども簡単に変更することができます。

出典:Canva公式サイト

編集したロゴは「共有」メニューからダウンロードできます。(PNG、JPEGに対応)

このツールで作成したロゴは商用利用可能となっています。

「Canva AIロゴジェネレーター」はこちら

Nano Banana

Googleが提供している画像生成AI「Nano Banana」はGoogle GeminiのWebページなどで利用できます。

Googleアカウントを持っていれば、最先端の「Nano Banana2」を使って無料でロゴマークを生成できます。

プロンプトを入力すると、ロゴデザイン案が提示されます。

入力したプロンプトはCanva AIロゴジェネレーターと同じものになります。

画像を作ってと指示すると、イメージに合いそうなロゴマークが複数提案されます。

出典:Google Gemini公式サイト

イメージ通りに出力されない場合でも、具体的な指示を行うと、細かい調整が可能です。

出典:Google Gemini公式サイト

出力された画像は無料でダウンロード可能です。(PNG形式)

Google WorkspaceでGemini(Nano banana)を利用する場合、商用利用は可能ですが、他のツール同様、著作権などの問題があるため、そのまま利用することは避けてください。

これまで数多くの画像作成を行いましたが、個人的に「Nano Banana」で作成したロゴは日本語フォントでもスペルミスや不自然な日本語が少ない印象を持ちました。

「Nano Banana 2」の紹介ページはこちら

【実践】2つのAIツールでサービスロゴを作ってみた

3. Wix Logo Maker

「Wix Logo Maker」はWebサイト制作プラットフォームとして有名なWixが提供するロゴ作成ツールです。

このツールは質問に答えるだけでロゴのイメージを作成することができるUIとなっています。

まず、業種を入力し、最適なものを選択します。

出典:Wix公式サイト

次に、ロゴのイメージを選択します(新鮮、個性など)。

出典:Wix公式サイト

ロゴに入れたいテキスト(企業名やサービス名)を入力します。

出典:Wix公式サイト

こちらのツールでは、ロゴサンプルの色指定ができないため、出力されたサンプルからイメージに近い色のロゴを選択します。

出典:Wix公式サイト

デザインを選択すると、Wix上の編集画面が開き、アイコンや色、テキストのフォントなどを調整できます。

出典:Wix公式サイト

デザインが完成すると、商用利用可能な画像や、高画質画像をダウンロードするための有料プランが提案されます。

有料プランではない場合、商用利用が許諾されていない点に注意が必要です。

出典:Wix公式サイト

左上の作成したロゴをクリックすると、サンプルロゴを無料でダウンロードすることができます。

出典:Wix公式サイト

「Wix Logo Maker」はこちら

4. Adobe Express

「Adobe Express」は画像作成や写真編集などの人気ブランドAdobeが提供する、初心者向けのデザインアプリで、Adobeで人気のフォントやアイコンを利用できる点が最大の特徴です。

【作成の手順】

  1. 会社名または組織名、キャッチフレーズを入力(任意)。
  2. アイコンのイメージを検索し、選択。
  3. デザインサンプルを選択。
  4. 出力されたものを調整(色、フォントなどを編集可能)

まず、会社名または組織名、キャッチフレーズを入力します(任意)。

出典:Adobe公式サイト

次に、アイコンのイメージを検索し選択します。

出典:Adobe公式サイト

デザインロゴのイメージを選択します。

出典:Adobe公式サイト

デザインを選択するとロゴが生成されます。

出典:Adobe公式サイト

カラーやフォント、アイコンなどを追加で編集することも可能です。

出典:Adobe公式サイト

さらに、Adobe Expressの編集では、商用利用可能な「Adobe FireFly」を活用することができます。

「Adobe Express(無料ロゴ作成ページ)」はこちら

使ってわかった!おすすめAIロゴ作成ツールの比較と選び方

【目的別】あなたはどのツールを使うべき?

共同編集したい、デザイナーと連携したいなら「Canva」

メンバーと一緒にロゴのアイデアを出し合ったり、後からプロのデザイナーにブラッシュアップを依頼したりする前提なら「Canva」が圧倒的におすすめです。

Canva最大の強みは、クラウド上での強力な共有・共同編集機能にあり、AIが生成したロゴをベース案としてチームに共有すれば、リアルタイムで編集したりすることが可能です。

最終的な仕上げだけを外部のデザイナーに引き継ぐ際も、Canvaのデータごと渡せるため、コミュニケーションコストを大幅に削減できます。

修正を繰り返したいなら「Nano Banana」

「もう少し色を明るくしたい」といった細かな微修正を重ねて理想の形に近づけたいなら、Google Geminiに搭載された「Nano Banana」が最適です。

通常のツールでは手動でパーツを調整する必要がありますが、Nano Bananaは対話型AIの強みを活かし、チャットで「〇〇の部分を直して」とテキストで指示するだけで、デザインのベースを維持したまま反復修正が可能です。

自分の言葉でディレクションしながら妥協せずにディテールを追求したい方にぴったりのツールです。

0からイメージを作りたいなら「Wix Logo Maker」

「どんなロゴにしたいか、まだ全くイメージが湧いていない」という状態なら、選択形式でデザインを導き出してくれる「Wix Logo Maker」から始めるのが一番の近道です。

業種や「遊び心がある」「モダン」といった抽象的な好みをいくつかの質問で選択するだけで、AIがあなたの意図を汲み取り、多彩なレイアウトパターンのロゴを一気に提案してくれます。

真っ白なキャンバスを前に手が止まってしまう方にとって、ゼロから方向性を定めるための最高のアイデア発想ツールとして機能するはずです。

Adobeにこだわるなら「Adobe Express」

将来的な本格運用やブランド展開を見据え、クオリティと権利関係に徹底的にこだわるなら「Adobe Express」が最もおすすめです。

プロの現場で標準採用されている高品質な「Adobe Fonts」がそのまま使えるため、文字の美しさが格段に違います。

さらに、クリーンな画像データのみを学習した画像生成AI「Adobe Firefly」が搭載されており、企業が商用利用する際のコンプライアンス面でも非常に安心です。

プロ品質の洗練されたロゴを安全に作りたい担当者の強い味方です。

実際に作ってみてわかった!AIで実用的なロゴを作る4つのコツ

コツ1:下書きはAIに任せ、ロゴやテキスト部分は自分で微調整する

最新のAIは画像生成の精度が飛躍的に向上していますが、依然として画像内に正しい文字を生成して挿入したり、美しい文字間隔を調整するのは苦手な傾向があります。

そのため、AIにすべてを任せるのではなく、出力されたシンボルマーク(図形部分)やテキスト部分をベースとして人間の手で微修正することが最も確実な方法です。

生成されたシンボルをそのまま使用する場合も、社名やサービス名などのテキスト部分はツール内の別フォントを使って編集してみることで、違和感のない美しいロゴに仕上がります。

コツ2:「色の心理学」をプロンプトに組み込む

ロゴにおいて「色」はブランドイメージを決定づける最重要要素です。

AIに指示を出す際は、単に「青」と言うのではなく、「信頼感を表すディープブルー」「親しみやすさを感じさせる温かいオレンジ」など、その色が持つ意味や感情(心理学的な要素)をプロンプトに添えることで、AIがより文脈に沿った色味を調整して出力してくれます。

コツ3:長期的な使用を検討する場合は、長く使えるツールを選ぶ

企業やサービスの顔として長期的にロゴを使用する予定がある場合、初期の手軽さだけで簡易な作成ツールを選択してしまうと、「後から一部の色だけ変えたい」「少しだけ文字の配置を調整したい」といった編集ができない場合があります。

特に、Webサイト上だけでなく、SNSのアイコンやバナー、さらには名刺やパンフレットなどの印刷物にもロゴを展開していくことを考えると、様々なサイズや背景透過での書き出しが必要になります。

そのため、本格的な運用やマルチ展開を見据えるのであれば、後から細かなデザイン編集や高解像度での保存がしやすく、デザインツールとしての拡張性が高いAdobe ExpressやCanvaといったツールで作成・管理することを強くおすすめします。

コツ4:最後は必ず「人の手」で調整し、類似調査を行う

AIが生成したロゴは、あくまで「たたき台」です。

そのまま完成とするのではなく、自社のコーポレートカラーの厳密なカラーコードに合わせたり、余白のバランスを整えたりと、最後は必ず人の手による調整を行ってください。

また、前回の記事でも触れた通り、生成されたデザインが意図せず既存の他社ロゴと酷似してしまうリスクもゼロではありません。

最終決定の前には、Google画像検索などを活用し、類似ロゴが存在しないか人間の目でしっかりチェックすることが企業ブランドを守る鉄則です。

まとめ

今回4つの生成AIツールを使い架空の企業ロゴ・サービスロゴを作成してみた結果、どのツールも実用に耐えうるレベルのロゴ案をわずか数分で提示してくれることがわかりました。

Canva AIロゴジェネレーターやNano Bananaのようにプロンプトを入力するツールであれば、プロンプトで細かく指示をすればより希望に合ったロゴを作成でき、イメージがわいていない場合はWix Logo Makerのような必要項目を入力するだけで幅広いサンプルを提案してくれるものもあります。

いずれのツールも「社内プロジェクトのキックオフ用の仮ロゴ」「新規サービスのランディングページ(LP)でテスト検証するためのロゴ」といった用途であれば利用できますが、対外的に利用する場合は必ず商標検索や著作権侵害チェックを行いましょう。

事業が本格化して商標登録などを行うフェーズに入った際に、AIで作ったこの「理想のたたき台」をプロのデザイナーに渡し、「この方向性でブラッシュアップしてほしい」と依頼すれば、コミュニケーションのズレもなく、非常に効率的で満足度の高いロゴ制作が可能になります。

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山口優

2017年にIT企業を退社しフリーランスとなる。自ら企画したブログメディアやSNSを中心としたマーケティング活動を行なっている。現在は動画製作とHubSpotを勉強中。

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