こんにちは。ディレクターバンクの河村です。
さまざまなマーケティング施策において、近年重視されているのが、カスタマージャーニーマップの作成です。カスタマージャーニーマップを作成することで顧客目線を忘れることなく、施策に関わるメンバー全員で同じゴールに向かって効率的に担当業務を行えます。
本記事では、カスタマージャーニーマップの基本を解説するとともに、具体的な作成方法を紹介します。
目次
カスタマージャーニーとは?
カスタマージャーニーとは、顧客(カスタマー)がCVに至るまでの時系列に沿った動き(ジャーニー)。
カスタマージャーニーを可視化したものを、カスタマージャーニーマップといいます。
自社の顧客はどういう人物?ペルソナの設定
カスタマージャーニーでは、「ペルソナ」と呼ばれる顧客像を設定します。自社の商品・サービスの利用者を象徴するような顧客像がペルソナです。
ペルソナは、性別・年代・職業・家族構成などのユーザー属性に加え、趣味やライフスタイル、価値観など、実在の人物のように具体的かつ明確な設定を行います。
【参考】ペルソナ設計とは?具体的な設計手法やポイントをご紹介
CVに向かうストーリー
カスタマージャーニーにおけるCVは、「商品の購入」を設定することが多いですが、それ以外にも、資料請求や会員登録、セミナー申込など、さまざまな設定が考えられます。
カスタマージャーニーマップでは、横軸に「認知」「興味関心」「比較検討」「購入」などCVに至るまでの時系列に沿ったプロセスを設定します。
縦軸には、CVに至るプロセスごとに、顧客とのタッチポイント、顧客がどういう行動を取り、どういう思考を行い、どういう感情を抱くのか、どういった施策ができるのかを設定します。
カスタマージャーニーマップ作成のメリット
カスタマージャーニーマップを作成するメリットとして、次の点があげられます。
顧客を理解して、顧客目線の施策が実施できる
自社の顧客をイメージするとき、年代や性別、興味関心など大まかなイメージはあっても、カスタマージャーニーで設定するペルソナほど具体的なイメージはできていないことも多いのではないでしょうか。
カスタマージャーニーマップにおけるペルソナの設定はただの想像ではなく、さまざまなデータを基に行います。そのため、自社の顧客についてより明確に理解することになります。それにより、顧客目線の施策立案も可能になるはずです。
また、カスタマージャーニーマップでは、CVに至るプロセスごとに、顧客の行動・思考・感情を想定するので、このことも顧客目線の施策立案に役立ちます。
共通認識を持つことで、業務が効率化される
カスタマージャーニーが組織全体で共有されていると、何か施策を行うとき、想定する顧客像やゴールがメンバー間や部署間で統一されているので、業務が効率化されます。
たとえば、何かマーケティング施策を行うとき、その施策はマーケティング担当者や部署だけでなく、クリエイティブ制作や顧客対応、営業などにつながっていきます。
組織全体でカスタマージャーニーを共有しておけば、その施策がどんな位置づけなのかが分かりやすく、他部署ともスムーズに連携が取れます。メンバー間や部署同士で認識の齟齬がないため、業務が効率化され、施策の効果を最大化が期待できます
カスタマージャーニーマップの作り方
カスタマージャーニーマップ作成のフローは大まかに以下の通りです。
- ペルソナを設定する
- CVを設定する
- CVに至るまでのプロセスを設定する
- 顧客に関するデータ収集
- (4)の情報を各プロセスに分類する
特に重要なのが、(1)と(4)です。
(1)のペルソナの設定は、簡単にいえば、自社のメイン顧客はどんな顧客かというのを具体化します。想像だけでなく、自社の顧客データの蓄積があれば、そこからメイン顧客といえる層のデータを収集しましょう。
購買データなどからは分かりにくい、趣味やライフスタイル、価値観などは、顧客アンケートなどを行うことで明確化できます。
自社の顧客データの蓄積がない場合は、競合する商品・サービスの顧客なども参考にしましょう。また、カスタマージャーニーマップ作成のためのツールやサービスを活用することで、必要なデータを収集することも可能です。
(4)のデータも(1)に似たところがありますが、ペルソナを基に、そういう人物であればどういう行動をとり、どういう思考をして、どういう感情を抱くかを深掘りします。
収集するデータとしては、顧客の流入元や閲覧ページ、サイト上での行動などがあげられます。ここでも、カスタマージャーニーマップ作成のためのツールやサービスが活用できます。
ツールやコンサルサービスを活用すると効率的
カスタマージャーニーマップは、より明確なカスタマージャーニーマップを作成しようとすればするほど、扱うデータや設定が複雑になっていきます。そこで役立つのが、カスタマージャーニーマップを作成できるツールやコンサルサービスです。
自社でデータをうまく扱うことができる場合は、ツールを利用することで、さまざまなデータを収集し、カスタマージャーニーマップ作成に役立ちます。
そもそもどうデータを扱えば良いか分からない、どうカスタマージャーニーマップを作成したら良いか分からないという場合は、コンサルサービスを利用するのもおすすめです。
【参考】カスタマージャーニー作成の最新相場調査:2020年6月版
カスタマージャーニーマップ作成時の注意点
カスタマージャーニーマップを作成する際は、次の点に注意しましょう。
ペルソナやカスタマージャーニーの信憑性
ペルソナ設定やカスタマージャーニーマップの作成は、できるだけ客観的なデータを基にして行うことをおすすめします。
空想だけで進めてしまうと、自分たちにとって都合の良い、現実から乖離した設定になってしまうおそれがあるからです。
とはいえ、データが不十分な場合は、まずは設定してみて、効果検証を基に少しずつ改善していくこともできます。
設定がこまかすぎないか
ペルソナ設定やカスタマージャーニーマップの作成は、具体的に行なうほうが良いのですが、あまりにこまかな設定になりすぎると、そこに対して実施できる施策が限定的になってしまいます。
カスタマージャーニーマップから立案できる施策に偏りがある場合は、設定がこまかくなりすぎていないか見直しましょう。
まずは顧客を具体化するところから
カスタマージャーニーマップ作成は、詳細にしようと思えばかなり詳細に作成できるのですが、簡単なカスタマージャーニーマップでも、マーケティング施策には十分役立ちます。
まずは自社の商品・サービスにどんな顧客がいるのか、その顧客がどういうプロセスを経て購入などのCVに至っているのか、シンプルにそこから考え始めましょう。それを具体化していくと、どんなデータが必要か見えてきます。
また、カスタマージャーニーマップに役立つツールやサービスもさまざまにあるので、活用していきましょう。