カスタマージャーニー作成の最新相場調査:2020年6月版

Webマーケティングの施策立案において、今、活用機会が増えているカスタマージャーニー。カスタマージャーニーを活用して成果につなげるためには、ユーザー行動を正しく理解すること、そして高精度のデータ分析が不可欠です。それを自社だけで行うのは難しいですが、ツールやサービスを利用することで、簡単に着手できます。本記事では、カスタマージャーニーについて解説するとともに、関連ツール・サービスの特徴と相場感を調査しました。

カスタマージャーニーとは?

カスタマージャーニーとは、メインターゲットであるユーザーが、自社の商品・サービスを認知・検討し、コンバージョン(CV)に至るまでの行動・思考・感情の変化を推測し、図式化したものです。通常、横軸にCVに至るまでのユーザー行動、縦軸に関連データや分析を基にしたユーザーの思考・感情、商品・サービスとの接点が置かれます。

Webマーケティングにおいてカスタマージャーニーが注目されているのには、大きく2つの理由があります。一つは、ユーザーの嗜好や行動が多様化・複雑化している今、基本属性を元にした従来のターゲット想定ではユーザー行動の背景を正確に理解できなくなったこと。もう一つは、技術の進歩によりユーザー行動について詳細なデータを収集・分析できるようになったことです。

カスタマージャーニーの活用方法と効果

カスタマージャーニー作成により、どのようなチャネル・コンテンツから集客があり、自社のメインターゲットとなるユーザーがどのような体験を経てCVに至っているのかが「見える化」され、分かりやすくなります。

商品開発、マーケティング、営業、顧客対応など各部署でカスタマージャーニーを共有し、各部署の施策をカスタマージャーニーに基づいて行うことで、各部署の動きが連動し、会社全体で一貫した施策を行えるようになります。

また、カスタマージャーニーの作成は、顧客の視点に立つことでもあります。的確なカスタマージャーニーを作成し、それに基づいた施策を実施することで、CVに至るまでの顧客の体験=UX(ユーザーエクスペリエンス)が改善します。それは最終的に、CVRの向上につながるでしょう。

カスタマージャーニー作成の最新相場調査

1.story bank(ストーリーバンク/株式会社ヴァリューズ)【ツール・クラウドサービス】

ヴァリューズ

story bankは、株式会社ヴァリューズが新たにリリースした、アクションに至るプロセス(story)を分析・可視化できるツール。ヴァリューズ社は2009年設立、東京に本社がある。Webマーケティング分析・コンサルティングに関する幅広いサービスを展開、インターネット行動ログ分析サービス「VALUES eMark+」を提供している。

サービスの特長

  • WEB行動ログにより、アンケート調査では把握が難しい次のようなデータを把握できる
    ―どんなサイトを、どのような順番で、どれくらい見たか
    ―どんな検索を行なったのか
  • 時系列で、自社サイトだけでなくドメインをまたいだWEB行動を把握できる
  • アンケートでは結果が分かるまでに時間がかかる、検索キーワードからのユーザーのクラスタリングを数分で分析でき、 何度もやり直しができる

利用者の特徴

<利用の多い業界>

  • toC向け事業会社
  • 広告代理店
  • サイト制作会社
  • toB向け事業会社

<利用者に多い課題>

  • 自社サイト訪問ユーザーが何を求めて来ているか、どういった経緯で来ているかを調査し、ニーズを把握したい
  • ファクトデータ(時系列のWEB行動)から、カスタマージャーニーマップを作成したい

「弊社が以前から提供しているサービス『VALUES eMark+』シリーズ(Site Analyzer/Keyword Finder/Target Focus)と併用し、3C分析における『Customer(顧客)』の分析強化に使っていただく場合と、単体でカスタマージャーニーや消費者ニーズの把握のためにご利用いただく場合とがあり、利用割合は半々くらいとなっています」。(株式会社ヴァリューズ 担当者)

料金体系

要問い合わせ

<参考>
「VALUES eMark+」の場合
初期費用10万円、月額費用10~20万円

  • 年間契約
  • データの対象デバイスをPCもしくはスマートフォンのみとするか、その両方とするかで月額料金が異なる

→ 詳しくはこちら(株式会社ヴァリューズのサイトへ)

2.USERGRAM(ユーザーグラム/株式会社ビービット)【ツール・クラウドサービス】

USERGRAMは、株式会社ビービットが提供するクラウドサービス。カスタマージャーニーツールというくくりではないが、ユーザーの「状況」を捉える手法に強みを持つ。ビービット社は2000年設立、東京・台北・上海にオフィスを置いている。エクスペリエンス・デザインを事業の柱として、UXデザインコンサルティング、UXグロースハック支援サービスの提供を行っている。

サービスの特徴

  • シーケンス分析(ユーザの『状況』を捉える手法)に特化したクラウドサービス
    →ユーザの『状況』をデータ分析により捉えることができる
  • ユーザの『状況』を誰でも簡単に把握できる
    →行動の順序や流れ(シーケンス)を、直感的に把握できるインターフェイス
  • チャネル・デバイスを問わず、ユーザの行動を捉える機能が揃う
    →顧客IDを取得できるため、PC・スマホ・タブレットなどバラバラのデバイスでアクセスしていても、顧客IDが同じであれば、同一のユーザとして特定可能

利用者の特徴

「業界や企業規模は問わず多様な企業様でご利用いただいております。また、解決に貢献できるお客様の課題は各種ございます。詳しくはセミナーにご参加のうえご確認ください。セミナーは無料ですので、お気軽にご参加ください」。(株式会社ビービット 担当者)

<導入企業の一例>
日本生活協同組合連合
株式会社日本財託
株式会社エイチーム引越し侍
TBCグループ株式会社
株式会社フェリシモ

中心価格帯

月額利用料20万円×12ヶ月(年間240万円)~
・上記は標準的な利用の場合
・対象サイト、アプリケーションのアクセス量で変動あり。詳細は要問い合わせ

→ 詳しくはこちら(USERGRAMのサイトへ)

3.AD EBiS(アドエビス/株式会社イルグルム)【ツール・クラウドサービス】

アドエビス

AD EBiS(アドエビス)は、株式会社イルグルムが提供するマーケティング効果測定プラットフォーム。カスタマージャーニーを把握するために必要なデータを一元管理できる。株式会社イルグルムは、2001年設立、大阪と東京に本社がある。アドエビスの他、運用型広告レポート自動作成ツール「アドレポ」やECオープンプラットフォーム「EC-CUBE」などのマーケティングロボットを提供している。

※公式サイトより調査

サービスの特長

  • 導入実績1万件、サポート満足度92%を実現
  • マーケティング施策を統合管理できる
  • マーケティング施策の関係性を正しく理解する計測が可能
  • 成果の内容からユーザーの「傾向」を分析可能
  • 集客からサイト内行動まで一気通貫で把握できる
  • 計測データを外部サービスと連携可能

利用者の特徴

  • 成果や売上向上につながった事例が多い

<導入事例>
SATORI株式会社:リードの質が8カ月で30%から60%まで好転
SBペイメントサービス株式会社:1年でCPAを87%削減、CV数120%増
株式会社div:広告予算200%像、CPA維持でコンバージョン増加
株式会社ニューアート・ラ・パルレ:1年で全広告予算のROASを1.5倍に
株式会社スマレジ:レポート工数30%削減&CV数150%アップに貢献

料金体系

  • 初期費用無料
  • 月のクリック数・PV数に応じて3つのプランがある。料金非公開(要問い合わせ)

ライト:~5万クリック数/月
スタンダード:~40万クリック数/月・~300万PV/月
個別見積もり:スタンダードプランより上のクリック数・PV数

→ 詳しくはこちら(AD EBiSのサイトへ)

4.ディー・フォー・ディー・アール株式会社(D4DR inc.)【コンサルティングサービス】

d4dr

ディー・フォー・ディー・アール株式会社は2002年設立。東京に本社、札幌にリサーチセンターがある。経営戦略、マーケティング戦略における各種リサーチおよびコンサルティングサービスを幅広く展開している。そのひとつとして、カスタマージャーニーのコンサルティングを提供している。

※公式サイトを基に調査

サービスの特長

  • リサーチ・分析ノウハウを活用したカスタマージャーニー作成
  • カスタマージャーニーを起点とした戦略立案・施策プランニングまで支援

利用者の特徴

<以下のような課題解決に効果的>

  • 顧客目線でのコミュニケーションが取れていない
  • 顧客とのコミュニケーションに一貫性がない
  • ペルソナのデータによる裏付けがない
  • セグメント設定と施策との整合性が取れない
  • MAやDMPでのセグメント設定がうまくできない
  • データを一元的に把握できていない
  • データがうまく施策に結びついていない

中心価格帯

1.設計:30~50万円
2.集計分析
・アンケート:100~200万円
・グループインタビュー:100~200万円
・ログ:30~120万円
・ソーシャルメディア:30~120万円
・購買データ:150~300万円
※調査分析内容により変動あり
3.マップ作成:50万円~
※マップ作成枚数により変動あり
4.戦略・プランニングフェーズ:80~300万円

→ 詳しくはこちら(ディー・フォー・ディー・アール株式会社のサイトへ)

編集部のまとめ

  1. .調査母数(問い合わせした企業数):8社
  2. 有効回答数(調査にご協力いただいた企業数):2社
  3. カスタマージャーニー作成の中心的価格帯は次の通りとなりました。
    ツール・クラウドサービス利用:月額20~30万円
    コンサルティング:内容により差が大きい

カスタマージャーニー作成の方法としては、ツールやクラウドサービスを利用して自社で行う場合とコンサルティングサービスを利用する場合とがあります。

ツールを利用した場合、ツールで収集・分析できるユーザー行動などのデータを基に自社で最終的にカスタマージャーニーを作成する必要がありますが、コストを抑えられます。カスタマージャーニー作成対応ツールは、カスタマージャーニー作成に必要なユーザーのデータを集めやすい機能を備えています。ツールによっては、データ収集・分析だけでなく、AIなどでカスタマージャーニー作成のベースを示してくれることもあります。

コンサルティングサービスを利用する場合、コストは高くなりますが、詳細なカスタマージャーニー作成が可能です。大きな予算がつく案件などで利用すると良いかもしれません。

カスタマージャーニー作成にこれから注力していくという場合は、まずはツールを利用しながら、ユーザーの行動データなどを収集・分析し、施策を実施してPDCAを回していくと良いのではないでしょうか。

編集部では、調査にご協力いただける企業を随時募集しています。 調査協力に関する問い合わせは以下のフォームよりご連絡ください。

https://www.webtanguide.jp/contact

調査実施概要
  • 調査機関:2020年5月1日〜2020年6月1日
  • 調査方法:インターネット調査及び電話・メール取材にて実施
  • この記事を書いた人
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河村 郁恵

i.kawamura

山口県出身。王朝文学が好きで研究者を夢見て大学で国文学を専攻するも、方針転換で就職。新卒で入社した会社でネットショップ運営に携わり、カスタマーサポートから商品開発、プロモーションなどを経験。その後、EC業界向けメディアに転職。編集部でメディア運営や業界紙の制作ディレクションを経験した後、フリーのライター・編集者として独立。

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