「Instagramを集客に活かしたい! でも何から始めれば良いかわからない」とマーケティング・広報担当者からのお悩みの声をよくいただきます。
この記事では独自のアルゴリズムをもつインスタグラムを企業が新たな集客チャネルとして活用するためのポイントについて詳しく解説します。商材、ターゲット、企業アカウントとしてするべき投稿、広告運用、外部委託の方法など、インスタ集客のイロハを身に付けましょう。
なお、この記事ではインスタでの集客=「自社HP・ECやLPなど外部サイトへの送客すること」と定義づけて集客方法やポイントなどを解説してます。企業アカウントを開設し、そのアカウントへの集客方法についてはこちらの記事をご参照ください。
目次
インスタグラムを集客手段として活用するメリット・デメリット
インスタグラムから自社HP・ECやLPなどに集客するにも、メリット・デメリットがあります。それぞれ確認していきましょう。
ターゲットや業種がマッチすれば集客に大きなメリットあり
まずはプラットフォームの特性を把握することが、企業のインスタグラム集客成功の大前提でしょう。具体的な4つのメリットを紹介します。
1.ターゲティングしやすい
インスタグラムは「ハッシュタグ」や「発見タブ」などのおすすめ機能があり、価値観や趣味思考が近しいユーザー同士がつながりやすいSNSです。ただ単に写真を載せるだけではなく、「世界観」を共有して繋がることを楽しむユーザーが多くいるため、ターゲットとなる一人にアプローチし、「いいね」と思ってもらえれば、同じ価値観を共有するクラスター内でアカウント認知が広がっていくこともありえます。結果として、CTRの向上やリピートをしてくれる顧客の獲得につながりやすくなります。
まずはターゲットとしたい一人のペルソナを具体化することが大切です。
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ペルソナ設計とは?
Webマーケティングのあらゆる施策の成功のポイントは、誰のための施策なのかが一気通貫していること、と言われています。 オウンドメディア、LP、SNS、メルマガなどの情報発信は、「誰に・何を・いつ」届け ...
2.中長期的な集客に向いている
インスタ以外のSNSと同様に自社アカウントをフォローしてもらうことで、一度集客したユーザーとコミュニケーションを継続できるのもメリットの一つです。一方的なコミュニケーションではなく、双方向のやり取りをしてフォロワーをファン化しましょう。
そうすることで、すぐに購入につながらない「潜在顧客」との関係性を継続し、ニーズが高まった時に購入検討の候補として想起してもらいやすくなるのです。
また、コメントをしたくなるような投稿をしたりアンケート機能を活用したりすれば、商品に対するフィードバックを得られることもあります。ユーザーから商品開発や改良アイデアを集めるような企画をすれば、テスト販売フェーズなどにもおすすめできます。実はtoCの有形商材だけでなく、SaaS提供企業なども相性が良いのです。
商品を使った感想を投稿してくれる、新たな使い方を発見してくれる(UGC)などでマーケティングをサポートしてくれるユーザーが台頭する可能性もあります。
3.若年層の集客が狙える
10〜20代のユーザーにとってインスタはGoogleよりも身近な検索プラットフォーム化している傾向にあります。これまでの検索はキーワードの前方一致でヒットする仕様でしたが、近々「キーワード検索」が可能になるとも言われており、Google、Yahooに匹敵する検索エンジンとしてますます認知されることが見込めます。WebのSEO対策と同じように、インスタでもユーザーが検索するキーワードを投稿に盛り込み、検索結果一覧で表示されるための対策をしておくことで若年層を中心とした集客を狙えます。
また、投稿画像から直接購入ページへ遷移できる機能「Shop Now」や「デリバリー注文受付スタンプ」が登場するなど、認知拡大だけでなく、売り上げに直接影響するのような集客は相性が良いプラットフォームへと日々変化しています。今後もC向け有形商材は相性が良いという見通しがあります。
こんな目的では活用が難しい? インスタグラム集客のデメリット
一方、インスタグラムには向いていない戦略やデメリットがあるのも事実です。
1.短期的な集客に向いていない
インスタグラム運用が得意とするのは中長期にわたる潜在顧客の集客・育成です。ニーズが顕在しているユーザーを集客し、コンバージョンにつなげたいのであれば、インスタ広告の出稿やインフルエンサー活用など、運用以外の施策を検討することが一般的です。インスタ運用が本領発揮をするのは、コツコツとユーザーの共感を得る投稿を継続し、丁寧なコミュニケーションをとることでしょう。したがって、インスタの運用は短期的な集客ではなく、中長期的な集客・育成適していると言えるでしょう。
2.画像や動画の投稿が必須
インスタグラムはTwitterやFacebookとは異なり画像や動画の投稿が必須です。クリエイティブに強い人材はメンバーにいるでしょうか?
特に無形商材を扱っている場合はどんな画像を添えて投稿するべきかに工夫が必要です。
3.拡散にコツが必要
Twitterのような拡散ボタン(リツイート機能)がないこと、フィード投稿にはリンク貼れないことはインスタグラムの特徴です。
各投稿のテキスト内にリンクを貼れないため、外部サイト送客にもテクニックが必要です。(詳細後述)
インスタ集客に成功している事例まとめ
インスタグラムで集客に成功している事例を業界別にご紹介します。
ホテル業界のインスタ集客事例
ホテルのインスタグラムなら、ホテルの世界観が一目で伝わる画像投稿を。
また、自社で発信するだけでなく、宿泊客にも投稿してもらうには、「自分もインスタグラムで投稿したい」と思ってもらえるような親近感のあるインスタ運用が重要です。実際に宿泊したユーザーの投稿(UGC:User Generated Contents)は、時に自社アカウントの投稿よりも説得力のあるコンテンツとして評価され、集客力UPにつながります。
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飲食業界のインスタ集客事例
また必ずしも「映える」写真だけがインスタグラムで集客につながるわけではありません。
こちらのアカウントのように日常で食べるシーンをイメージしやすいのは共感を得やすいです。
フォロワーの中で購入した商品を頻繁に投稿してくれる方にインセンティブを付与する、などフォロワーをファン化する仕組みづくりもよいでしょう。 こんにちは、ディレクターバンクの高野です。 今月は、インスタグラムの運用について現場で奮闘する私がみた「今からインスタを始める担当者におすすめの運用方法」飲食業界編!をご紹介します。 「うっかりインス ...
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インスタから集客する方法(短期集中型)
それでは具体的にインスタグラムから外部サイトへ集客する「施策」をご紹介しましょう。
まずは短期間でニーズ顕在層をターゲットとする場合の集客方法として「広告出稿」と「インフルエンサー活用」を解説します。
広告出稿
一番手っ取り早く集客できる方法がインスタグラムの広告出稿です。自社アカウント開設は必要ですが、しっかり運用してなくても出稿は可能です。低額から試せるので、他のWeb広告と併用しても良いでしょう。
たとえば、一定期間内に集客目標を達成したい、以下のようなシーンでの集客に向いています。
- キャンペーン告知
- 新商品・新機能リリース告知
- ウェビナー、イベント告知
ターゲットは細かく設定できるのが魅力ですが、一方でコツも必要です。またフィード広告、ストーリーズ広告などメニューが複数あるので、メニューに迷ったらプロの広告運用代行業者に提案してもらうとノウハウ習得の近道です。
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インフルエンサーを活用
インスタグラム上ですでに多くのフォロワーをかかえ、良好な関係構築ができているインフルエンサーにPR投稿をしてもらう方法もよく知られた集客手段です。自社アカウントのフォロワーが少ない場合などに効果的です。
そして、インスタ上のPR投稿を依頼する際には自社にとって効果のあるインフルエンサーに依頼できるかが重要です。
ただフォロワーが多いからといってPRを依頼するのは失敗のもと。
過去のPR投稿の保存数・リーチ数などを参考にインフルエンサーを選定し、報酬も決定していきます。
「インフルエンサーとそのフォロワーにどんなメリットが生まれるのか」を上手に伝えられると、PR色を感じさせない自然で共感を生む投稿をしてもらえるでしょう。
連載企画「新米担当におすすめ!SNSマーケターへの道」。第8回は「インスタのPR投稿をインフルエンサーに依頼する」をテーマにお届けします。インスタのインフルエンサーを活用したマーケティング手法は、幅広 ... WebマーケティングにおけるSNSの存在感が増すなか、SNSマーケティングにインフルエンサーを起用する企業が増えています。それをサポートするツールやプラットフォーム、キャスティング会社も増えており、イ ...
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インスタから集客する方法(中長期型)
広告は短期的には効果的ですが、中長期にわたって出稿し続けると、訴求したいユーザーを刈り取り切ってしまい、いずれ頭打ちになります。中長期的には潜在顧客への育成という戦略はマストです。
インスタユーザーを即座に外部サイトへ誘導しコンバージョンを狙うのではなく、一度自社のインスタアカウントへと集客し、ニーズが顕在化するまで地道なコミュニケーションを継続することで、ブランド認知度を維持し、好意度や購入意向、推奨意向の向上を図ります。このような中長期的な集客施策を実施するのに向いているのが「インスタ運用」なのです。
インスタアカウントを開設・運用していく上で、必ず念頭に入れておくべきポイントは以下の通りです。
■ 拡散性はない
Twitterのような拡散ボタンがなく、リンクを貼れる箇所が限られているので、外部サイト送客にはコツが必要
→ストーリーズやプロフィールリンク、EC用のショップ機能を最大限活用
■検索エンジン化しつつある
特に若年層を中心に、商品・サービスとの最初のタッチポイントとなりつつあるインスタ。検索エンジンとしても利用されるため、今やマーケティング戦略に欠かせないプラットフォームと言える。
→新規ユーザーの目に触れるような戦略作りが重要
※インスタアカウントの運用方法については、こちらの記事もご参照ください。
上記を踏まえた上で、具体的な集客手法を解説していきます。
ストーリーズ投稿を活用する
集客手法の一つ目は、ストーリーズ投稿の活用です。フォロワーが1万人を超えるとストーリーズにリンクを貼ることができサイトへの導線が作れます。インスタアカウント開設後、まずはフォロワー1万人を目指す企業が多いのはこのためです。
ただし、効果的なフォロワー獲得や離脱を防ぐための質の高い運用はかなり手間がかかるのが実情です。適当に運用するとブランドイメージの毀損につながるので、運用代行業者の活用を検討してもよいでしょう。 (2020年4月版のレポートに追加調査を行い、更新したものです) Webマーケティング施策としてインスタグラムの活用は一般的になってきたものの、「日々運用が正しいのか、何を指標としたらいいのか分からな ...
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プロフィールリンクを最大限活用する
集客手法の二つ目は、プロフィールリンクの活用です。

プロフリンクからサイトへ送客ができる
通常投稿のテキストにはリンクを貼ることができず、フォロワーが1万人未満の場合はアカウントプロフィールからの導線のみになります。
各投稿からプロフ閲覧を促してリンク押下を狙いましょう。投稿に合わせてプロフィールリンクを小まめに差し替えるというテクニックもあります。たとえば、キャンペーン中はキャンペーンサイトLPへのリンク、イチオシ商材を決めて商品詳細ページへのリンクを貼るなどです。
EC運用していれば直接誘導可
ECを運用している場合は、ショップ機能を用いて、インスタ上に設けた購入ページへ直接誘導することもできます。
この機能は2018年以降導入され、日本でも根付いてきました。タグ付けと同じスタイルで投稿画像上に誘導枠を設置し、購入へと誘導ができます。
さらに2021年にはECプラットフォーム大手の「Shopify」が決済サービスを導入。インスタグラム内での決済までも可能です。
人気投稿への掲出を目指す
フォロワー以外のユーザーにリーチするためには「人気投稿」「おすすめ」への掲出を目指すのも効果的です。

人気投稿(#マイホームの場合)
エンゲージメント率*が高いほど、人気投稿やおすすめに載りやすい傾向にあります。フィードに投稿したコンテンツにいいねやコメントなどの反応を得るためには、フォロワーのターゲット像(ペルソナ)を明確に捉え、興味関心に沿ったコンテンツづくりが必要不可欠です。そのためにも日頃の投稿を定期的に効果測定し、地道に精度を高めることが重要です。
エンゲージメントの中でも、「コメント」すなわちコミュニケーションがいかに生まれたかが、人気投稿かどうかに深く関係する傾向にあります。インスタグラムのアルゴリズムは日々変化しているので、試行錯誤しながら人気投稿へ掲出されやすいコンテンツの傾向性を見出しましょう。
*エンゲージメント率:インスタ投稿がリーチしたユーザーの中で、反応(いいねやコメント)を示したユーザーの割合。
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インスタ集客を成功に導くポイント
インスタグラムで集客を成功にするためには、ただインスタグラム内で完結せずに、マーケティング施策全体の中に位置づけることが重要です。LPや社内リソースについてのチェックポイントは以下が挙げられます。
LPの最適化は必ず同時に行う
プロフィールのリンクやストーリーズがクリックされた先のLPはきちんと最適化できていますか? インスタグラムで打ち出していた世界観とギャップが大きすぎるとユーザーの離脱につながるので、ズレがないように調整をしましょう。
効果測定を行う
インスタグラムを地道に運用していても、ユーザーが全く反応しない投稿が続くと、フォロワーのタイムラインに投稿が表示すらされなくなってしまいます(エッジランク)。こうなると投稿のエンゲージメントは低下する一方。
こんな状況を防ぐためには、日々の投稿の効果測定が欠かせません。どんな投稿にリアクション(いいね、コメント、保存)があったかをチェックし、反応率の良い投稿の傾向性を見定め、再現していくことが大切です。
企業アカウントが注意すべき設定上のポイント
企業としてアカウント運用をする場合、個人アカウントとは異なる点があります。各種設定方法を見直しましょう。プロアカウント(ビジネスアカウント)に切り替えることで、プロフィールに問い合わせ先を表示させたり詳細な分析機能も見られたりするようにできます。
より詳しいアカウント開設・設定方法はこちらの記事も参考にしてください。
運用体制を整える
戦略策定、投稿コンテンツの企画・制作、効果測定、と運用に紐づく業務は多岐にわたります。自社のリソースだけでは運用が回らない、自社にノウハウがないときは外部パートナーへの委託も検討をしましょう。
ただし、外部委託先から的を得た提案をしてもらうためには、委託内容を整理して振り出す必要があります。初めて外部パートナーに依頼をする場合は、どういう仕事をしてもらいたいかを記載したドキュメント「RFP(Request for Proposal/提案依頼書)」を作成し提示することも効果的。依頼内容を明文化することで、的外れな提案を避け、手直しに費やす工数を減らすことができます。
以下は、インスタを含むSNS運用・SNS広告運用を外部委託する際のRFPテンプレートです。無料ダウンロード可能なので、ぜひご活用ください。 SNS運用外注時のRFP(提案依頼書)ダウンロードページです RFPとは、外部パートナーに対してどういう仕事をしてもらいたいかを記載したドキュメントのこと。依頼内容を明文化することで、的外れな提案がさ ... SNS広告の運用代行依頼時のRFP(提案依頼書)ダウンロードページです RFPとは、外部パートナーに対してどういう仕事をしてもらいたいかを記載したドキュメントのこと。依頼内容を明文化することで、的外れ ...
SNS運用 RFPテンプレート
SNS広告運用 RFPテンプレート
まとめ
インスタグラムの集客を成功させるためのメリット/デメリット、短期/中長期施策、集客を加速させる機能の紹介をしてきました。SNSの双方向のコミュニケーション特性を活かし、お客様をより深く理解するためにもぜひ上手に活用してみてくださいね。
インスタグラムの開設自体は簡単ですが、運用とその継続には手間もかかるものです。「自社のサービスはインスタグラムのユーザーと相性が良さそうだ! しかし、運用体制が確保できない」という方はぜひ外部リソースの活用も考えてみてください。
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