SNS運用で企業のファンづくりをするって何?|教えて!先輩マーケター!

2020年10月29日

連載企画「新米担当におすすめ!SNSマーケターへの道」。第7回のテーマは「SNS運用で企業のファンづくりを目指す」です。SNSアカウントの運用目的(KGI)は企業によって様々ですが、その1つに「SNSフォロワーを企業や商材のファンへ育成する」ことを掲げるケースもある、とのこと。そもそも企業のファンって?SNS運用でファンづくりをするってどういう意味?そんな疑問を先輩マーケターにぶつけてみました!

答えてくれたのは、元祖twittererとしてフォロワー20万人強を有し、数々の企業SNSアカウントの運用コンサルを手がけるShin5さんです。

Shin5さん(作家・プランナー)

イベント・企画・PR・SNS運用・ラジオ・執筆。140字のツイートが漫画や書籍や小説に。妻と子ども4人の家族の日常を発信します。書籍『結婚しても恋してる』『いま隣にいる君へ』『僕たちの10年間』『ボクの針は痛くない』ほか連載多数

インタビュー担当:ディレクターバンクの高野。
新米SNS担当 高野

企業SNSアカウントがファンづくりをするメリット

ディレクターバンク高野(以下、DB高野):今日は「SNSの企業SNSアカウントでファンづくり」をテーマに、いろいろと教えてください!よろしくお願いします。

Shin5さん:こちらこそよろしくお願いします。

DB高野:さっそくですが、「企業SNSアカウントのファン」ってどういう意味ですか?私は某アイドルのファンなので、アイドルの追っかけならわかりますが(笑)、「企業やブランドのファン」と聞いてもイメージが湧きづらいです。

Shin5さん:そうですね。企業SNSアカウントのファンとは、企業にとって有益なアクションをしてくれるSNSユーザーのことです。例えば、SNSで紹介した新商品を実際に買ってくれるユーザー、SNSで告知したイベントに実際に足を運んでくれるユーザーは、企業SNSアカウントのファンと捉えて良いでしょう。

少し大げさかもしれませんが、企業SNSアカウントとのつながりで人生が変わったユーザーと言えるかもしれませんね。例えば、ドラッグストアでティッシュペーパーを買う時、陳列されている複数のブランドから選ぶわけですが、その時に「SNSでみて面白かったから試してみよう」と、そのユーザーの判断材料として影響することがあります。

DB高野:なるほど。これが、就職先や住まいの選択になると、確かに人生を左右する判断になりますね。

Shin5さん:その通りです。フォローし始めた時点で、すでにファンであるユーザーもいれば、単純にプレゼントキャンペーンの賞品が目当てでフォローをしただけのユーザーもいると思います。既存のファンにはファンでい続けてもらい、“ファンの予備軍”には、自社商品やブランドを好きになってもらうための運用を心がけたいですね。

DB高野:「ファン=企業のサポーター」というイメージですね。

Shin5さん:そうですね。さらに言い換えると、ファンは「いち早く企業のニュースを伝えるべき人たち」でもあります。昨今、新型コロナウイルスの感染拡大で、ほとんどの企業がイレギュラーな対応を強いられたと思います。営業時間の変更、新製品リリース・新店オープンの延期、感染対策について、などは、一番のサポーターであるファンにいち早く伝えるべき情報ですね。SNSは直接ユーザーとつながれるプラットフォームなので、SNS運用を通じて「伝えるべき人に伝える素地づくり」をすることができます。

 

SNSアカウントの運用でファンは増やせるの?

DB高野:戦略的に企業SNSアカウントのファンになってもらうことは可能なんですか?

Shin5さん:もちろん可能です。やり方は様々あります。直接、自社製品やサービスのメリットをアピールする運用方法もありますが、ユーザーが自発的に「この企業が好き」と思ってもらう方法が効果的だと思います。

そのためには、企業SNSアカウントをフォローするユーザーメリットを提供できているかどうかという視点が大切です。例えば、最新情報や最新トレンドを発信し続けることも、フォロワーにとっては大きなメリットとなります。フォロワーがどんなことを求めているのか、常にアンテナを張りめぐらせてSNS運用をすると、ファンが増えやすくなります。

DB高野:フォロワーが求めること、ですね。・・・すいません、企業SNSアカウントを開設したばかりで、フォロワー数がゼロの場合は、どうすれば良いのでしょうか?

Shin5さん:その場合の考え方として、オススメは自社の社員がいいなと思えるコンテンツかどうか?そしてその社員が、家族にシェアしたくなるコンテンツかどうか?と自問自答してみてください。身近な人が、その投稿を見て「買いたい」「行きたい」と思える内容であれば、OKです。

個人ではなく「企業SNSアカウントのファン」づくり

Shin5さん:もう一つ重要な視点は、あくまで「企業SNSアカウントとしての発信である」と、忘れないことです。

DB高野:…と言いますと?

Shin5さん:個人アカウントであれば、たとえ過激な発言をしたとしても、その個人の責任範囲で収まります。しかし、企業SNSアカウントの場合は、お客様や取引先などの関係者、株主にまで影響が及び、その企業の経営を左右する可能性もはらんでいます。「会社がブラックすぎる、早く帰りたい」など、冗談のつもりの発言が、想像以上に炎上してしまうリスクは常に念頭に置いておかなければなりません。

私も個人アカウントでは自由に投稿をしていますが、企業SNSアカウントの運用となると、かなり印象が変わると言われます。が、当然のことですね。

また、「中の人」としてキャラの立った運用をする場合も、引き継いだ次の担当者が継続できるかどうかまで配慮して運用を開始しないと、後々窮地に追いやられることがあります。

DB高野:SNS運用って手軽なイメージでしたが、意外と責任重大なのですね。そうは言っても、お堅い投稿ばかりでは、なかなかフォロワーも増えない気がします。リスク対策とエンゲージメントを両立するにはどうすれば良いのでしょうか?

Shin5さん:最初に、アカウントの運用方針を決めておくと、良いでしょう。一般的な方法としては、1ヶ月先のコンテンツをカレンダー化して作成し確定させておく方法です。事前に社内チェックをするフローを組むことでリスクヘッジができます。

DB高野:1ヶ月前!?もっとリアルタイムでどんどん投稿するのかと思ってました!

Shin5さん:確かに、リルタイム性はないので、トレンドを取り入れづらい運用方法ではあります。運用方法の2つ目として、半分は1ヶ月前に確定しておき、残りの半分は運用担当者がその時のトレンドに合わせて自由に投稿するやり方もあります。その場合は、基本ルールだけを決めておき、あとは担当者のセンス任せ、ということになります。

DB高野:基本ルールってどんなものがありますか?

Shin5さん:例えば競合アカウントのツイートをRT(リツイート)するか否か。どんなニュースサイトの引用RTならOKか、などですね。

そして、基本ルールは、運用開始時に全社共有しておいた方が良いでしょう。社内でツッコミが入ったときも、「こういうルールに沿って運用しています」と切り返すことができますから。

補足ですが、このルールは運用しながらより良い姿を目指して軌道修正していくべきものです。トレンドやユーザーの嗜好は常に変化しますので、やりながらどんどん変えてける柔軟性が必要になります。

DB高野:なるほど。「企業SNSアカウントをフォローするユーザーメリットを提供できているかどうか」という視点でPDCAを回して改善していくわけですね。Shin5さん、ありがとうございました!

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福田貴子

WebメディアやSNS企業アカウントの運用中心にコンテンツ企画、制作ディレクション、ライティングまで幅広くこなす。元PRプランナー、デジタルマーケティングコンサルタントを経て2016年に独立。2020年より見積もり相場ガイド2代目編集長に就任。