(2020年4月版のレポートに追加調査を行い、更新したものです)
Webマーケティング施策としてインスタグラムの活用は一般的になってきたものの、「日々運用が正しいのか、何を指標としたらいいのか分からない」「理想の運用が描けているが、時間が足りない」という悩みをお持ちのWeb担当者の方も少なくないのではないでしょうか? そんなときに頼りになるのが、インスタグラムのコンサルティングや運用代行サービスです。本記事では、インスタグラムマーケティングを支援してくれる主要なコンサルティングサービスについて相場感を調査しました。
インスタグラム運用コンサルティングの形
インスタグラムマーケティングを外部に支援してもらう方法として、運用代行までまとめて依頼する場合と、コンサルティングのみを依頼する場合の2パターンがあります。
それぞれ支援の範囲がどう異なり、どういった企業におすすめかを次に解説していますので参考にしてください。
運用代行&コンサルティング
運用代行も含むコンサルティングサービスでは、支援会社が企業に代わり日々の投稿やキャンペーンの実施を代行します。新たにアカウントを開設する場合は、初期設定から依頼することもできます。
社内にインスタグラム運用を担当できる人材がいない場合には、運用代行まで外部委託することをおすすめします。
月に1回など定期的にミーティングの場を設け、支援会社からレポート共有を受けながら、投稿コンテンツの企画編集を行うとともに、改善のための施策を一緒に考えるという形が基本です。投稿やキャンペーンの頻度、制作範囲(撮影の有無など)により、料金が変動します。
コンサルティングのみ
社内に運用担当者はいるものの知識が不足している場合や、社内で人材を育成していきたい場合におすすめです。
自社で行なっているインスタグラム運用が、効果を生んでいるのか判断に迷う場合に、客観的な意見を取り入れられるコンサルの存在は心強いものでしょう。分析の内容や、社内でどこまでの業務をこなせるのかなどにより、料金が変動します。
【参考】ツール導入
インスタグラムアカウントの分析ツールやキャンペーンの管理ツールなどの導入によって業務を効率化します。
社内に知見のある担当者がいて運用体制も整っている場合は、ツール導入のみを検討するのもよいでしょう(ツール導入の相場調査は別の機会にご紹介します)。
インスタグラムマーケティングの効果とは
2019年10月29日に開催された「Instagram Day Tokyo 2019」で、インスタグラムの日本国内の月間アクティブアカウント数(2019年3月時点)が3300万にのぼることが発表されました。2018年に開催された「Instagram Day Tokyo 2018」では、日本国内の月間アクティブアカウント数は2900万と発表されていたので、約1年でさらなる伸びを記録したことになります。
若年層へのリーチに効果的
インスタグラムは特に若年層へのリーチに効果的なメディアです。前述の発表資料では、18-29歳の若年層が1ヶ月間でインスタグラムに接触している総利用時間は1億時間以上となっています。
また、18-29歳の若年層が1ヶ月で各メディアに接触している総利用時間について、2017年と比較すると、他のメディアが減少しているのに対し、インスタグラムは201%となっています。
若年層の情報収集がモバイル中心となるなかで、インスタグラムは効果的なメディアといえるでしょう。
ハッシュタグでの情報収集とエンゲージメント
また、インスタグラムのもうひとつの特徴として、「ハッシュタグ」があげられます。ユーザーは、自分の興味のある投稿をハッシュタグにより検索します。写真もしくは動画と、ハッシュタグの選定が、インスタグラムマーケティングで効果を出すために重要といえます。
前述の発表資料では、特に若年女性層が、ファッションやグルメ・レジャースポットの情報収集をする際に、インスタグラムを利用している割合が高いことが示されています。
さらに、インスタグラムの特徴として、「エンゲージしやすい」ということがあげあれます。インスタグラムマーケティングでは、写真が非常に重要です。写真映えする商品を持つ商品は、まず、挑戦する価値があります。最近では動画の活用も進んでいます。
同じく前述の発表資料では、若年層がインスタグラムの投稿を見て何かしらの行動を取る割合は85%とされています。
中小規模の事業者にとってのインスタグラム効果
「Instagramが日本経済に与える影響」(2019/3/29・IPSOS)という調査の「中小規模のビジネスに関する意識調査」の項目では、調査対象企業の40%が、「自社のWebサイトよりインスタグラムのほうが会社にとって重要な存在だと考えている」と回答しました。さらに、インスタグラムの効果として、以下の回答が続きます。
- 顧客にリーチし、エンゲージするために重要なプラットフォームである(94%)
- 新規顧客の獲得に役立つ(48%)
- 新規顧客の来店に繋がっていると感じている(48%)
- 顧客の来店促進に役立つ(56%)
参考:https://ja.newsroom.fb.com/news/2019/03/instagram-economic-impact-report/
インスタグラムマーケティング【運用代行&コンサルティング】の費用相場
1.株式会社サイバー・バズ
ソーシャルメディアマーケティング事業に特化した会社。自社サービスとして、アカウント運用サービスの他、影響力の高いソーシャルメディアユーザーが集まる承認制会員サービスや、口コミを発生させるためのプラットフォームを提供。また、インターネットマーケティングなども手掛けている。
サービスの特長
- SNSのなかでもInstagramマーケティング支援に特に強みを持つ
- インスタグラマーを始めとしたインフルエンサーによるUGCクリエイティブ制作、投稿管理・サポートを始め、企画からキャンペーンの運用、ソーシャル監視、インフルエンサーキャスティングやAD運用サポートまでをワンストップで提供
利用者の特徴
- コスメ、日用品、食品、ブライダル業界が中心
- 累計100以上のアカウントをサポート
「サービスをご利用いただくことで、フォロワー数の拡大、インプレッションやエンゲージメントの最大化などの効果が期待できます。インスタグラムを中心にアカウントのブランディングにもご利用いただいております」。(サイバー・バズ 担当者)
料金体系
初期費用:20万円~
月額費用:35万円~
2.株式会社Tenmu
Tenmu社は2018年設立、東京に拠点を置く会社。SNSマーケティング事業およびクリエイティブ事業を展開している。SNSマーケティング事業では、運用代行だけでなく、SNSの分析に特化したサービス「Fiigs(フィーグス)」も提供。事業者のニーズに応じたSNSマーケティング支援を手がけている。
※公式サイト掲載情報より
サービスの特長
- 投稿・コメント代行、分析レポート・改善提案、クリエイティブ制作すべてサポート
- 戦略の質:ヒアリングに時間を割き、認識違いのないサービス提供
- クリエイティブの質:ブランディングを加速するクリエイティブ
- 分析の質:最新の分析ツールを導入、改善にフォーカスした分析
利用者の特徴
<よくある課題>
- 正しいKPIが分からず報告業務に時間がかかる、レポートに根拠がない
- 運用の改善方法が分からない、効果がなかなか得られない
- 解析ツールから何を読み取れば良いのか分からない
- 投稿内容を考えるのに時間がかかりすぎる
- SNS運用について相談できる相手がいない
<実績一例>
- 医療法人社団:SNS運用企画・制作
- スニーカーブランド:SNS運用
- 株式会社Taskall:改善にフォーカスした分析
- 医療社団法人 友伸會:SNS運用・インフルエンサーキャスティング
など
料金体系
【月額費用】
ライトプラン:45万円
ベーシックプラン:50万円
プレミアムプラン:65万円
3.株式会社コムニコ
株式会社コムニコは、2008年設立、東京・大阪にオフィスを置く会社。高知にはソーシャルメディアマネジメントセンターがある。SNSに特化して事業を展開しており、SNS運用支援の各種サービスの他、SNSに関連するリスク対策のためのサービスや、SNS運用効率化ツールなども提供している。
※公式サイト掲載情報より
サービスの特長
- プランニングから運用代行・効果検証までワンストップで支援
- 大手企業も多数含む約1,000アカウントの運用実績
- 常時50以上のアカウントを運用、情報収集が早く、災害・トラブル時の対応も安心
- 案件に応じてSNSコンサルタント・コンテンツクリエイター等のチームを構築
- 売上・好意につながる本質的なSNS運用
利用者の特徴
<実績一例>
- 公益財団法人高知県観光コンベンション協会
―リョーマの休日~自然&体験キャンペーン~:フォロワーの3割が高知県へ観光訪問 - 株式会社三井不動産ホテルマネジメント―ザ セレスティンホテルズ:獲得フォロワー3.1万人超
- 花王株式会社
―エッセンシャル:コメント数168%アップ
料金体系
<プラン例>
運用サポート:月額40万円~/1アカウント
運用代行(ベーシック):月額70万円~/1アカウント
<初期構築の概算価格>
SNSアカウント開設費用:10万円~
SNS活用プランニング費用:50万円~ など
※詳細は公式サイトより価格表をダウンロードできます。
4.Instagram運用代行サービス(ディレクターバンク株式会社)
ディレクターバンク株式会社が提供する、Instagramプロモーション運用の経験豊富な専任ディレクターが、企画・制作・投稿・効果測定まで、企業のInstagramアカウント運用を代行するサービス。
サービスの特長
- 実績豊富なディレクターをアサイン:幅広いジャンルでInstagramを活用したマーケティングを手がけてきた、運用実績の豊富なディレクターが運用を代行。
- 面倒な投稿作業はまるっとおまかせ:ターゲットユーザーからのエンゲージメントを獲得するための、テキストライティング、ハッシュタグ等の最適化を加えつつ、Instagramアカウントの運用を代行。
- 投稿&フォロワー分析と改善提案:毎月、投稿内容とフォロワー分析、そして競合他社の分析を行いながら、現状のInstagram運用の課題を抽出し、改善ポイントをアドバイス。
利用者の特徴、活用法
- 都内ホテルの大手チェーンでの集客キャンペーン(20代女性をターゲット)
- 大手不動産ディベロッパーの戸建て住宅キャンペーン(20〜30代の子育て主婦をターゲット)
料金体系
基本プラン料金:月額費用15万円~
- 投稿する素材をご用意していただき、弊社担当ディレクター側で、投稿文章/ハッシュタグ設計から投稿、レポートまでを運用代行する際の基本運用プラン例
インスタグラムマーケティング【コンサルティング】の費用相場
5.スマートシェア株式会社
スマートシェア株式会社は、2011年設立、東京に拠点を置く会社。主力事業として、UGCを有効活用できるマーケティングプラットフォーム「OWNLY」を提供している。同社では、OWNLYを通じて培った知見を活かし、SNSマーケティング支援も行っている。
※公式サイト掲載情報より
サービスの特長
- 「OWNLY」によるSNS活用の知見を活かしたSNSマーケティング支援
- SNS運用の内製化を目指すプランと運用代行のプランを選べる
- OWNLYで実施している年間約1,700件のイベント実績を元に企画・立案
- サービス・商品愛用者をアンバサダーとしてスカウト、UGCマーケティングに活用可能
- SNSポリシーやガイドラインの策定、炎上対策の勉強会、投稿内容のアドバイスなど、伴走型のさまざまなプログラムを用意できる
利用者の特徴
<よくある課題>
- SNS運用の効果が感じられない
―自社商品・サービスがSNSで話題にならない
―SNSアカウントのフォロワー数が伸びない
料金体系
社内自走プラン:月額55,000円~
- 最短3カ月~
- 社内の運用内製化を目指し、コンサルティング提供
- 別途運用代行&コンサルティングのプランもある
6.Mtame株式会社
Mtame株式会社は、2018年設立、東京に本社を置く会社。大阪、福岡には支店がある。Webマーケティング全般を支援する各種サービスを展開しており、そのうちの集客支援のひとつとしてSNSコンサルティングを提供している。他にも、MAのツールやコンサルティング、Webサイト制作などを手がけている。
※公式サイト掲載情報より
サービスの特長
- AIツールを活用したInstagramコンサルティング
- 専任コンサルタントがアカウント運用を全面的支援
- 新規アカウントの場合はアカウント開設・初期設定にも対応
- 初月にヒアリングに基づくペルソナ設定・目標設定・ガイドライン策定を行い、レポートと月次ミーティングにより、次の施策を確定していく
- 運用代行には対応していない
利用者の特徴
<よくある課題>
- 一方的な宣伝に終始している、いいね/フォロワーが増えない
- 人的リソース不足、運用の仕方が分からない
- 素材が集まらない
料金体系
初期費用:10万円
月額費用:25万円
- 1アカウントあたりの料金
- オプション
―投稿素材提供:10万円/5枚 - 最低利用期間3カ月~
編集部のまとめ
今回の調査概要
- 調査母数(問い合わせした企業数):8社(初回)/6社(更新)
- 有効回答数(調査にご協力いただいた企業数):4社(初回)/1社(更新)
- インスタグラムマーケティング支援の費用相場は次の通りとなりました。
- 運用代行&コンサルティング:月額10万円代と月額50万円前後で分かれる
- コンサルティング:月額10万円以内の場合と月額数十万円する場合で分かれる
- 初期費用:利用企業の状況により異なるが月額費用と同程度かかることが多い
本記事の冒頭でも解説した通り、インスタグラムマーケティング支援の費用相場は、運用代行&コンサルティングの場合とコンサルティングのみの場合とで分けて考えます。基本的には運用代行&コンサルティングのほうが料金が高めですが、依頼内容と支援会社によっても異なります。
今回の調査の限りでは、運用代行は月額10万円代で依頼できる場合と、月額50万円前後とやや高めの依頼になる場合とに分かれました。依頼する企業側で素材を用意して、投稿頻度をある程度限定することで、運用代行でも費用を抑えることができます。
コンサルティングでは、月額10万円以内程度で依頼できる場合と、月額数十万円する場合とに分かれ、企業により料金にバラつきがあります。定例ミーティングを基本として、日々の運用は自社メインで行う場合は費用を抑えやすく、逆にマンツーマンのように日々サポートについてもらうような場合は費用が高めになります。
いずれにせよ、効果を出すことが大切なので、社内の体制的に無理のないサービスを選ぶようにしましょう。インスタグラムマーケティングは、依頼する企業に合ったサービス内容を組んでもらえることが多いので、社内の体制と予算をきちんと伝えることも大切です。
編集部では、調査にご協力いただける企業を随時募集しています。
調査協力に関する問い合わせは以下のフォームよりご連絡ください。
調査実施概要
- 期間(初回):2019年5月7日〜2019年5月17日
- 期間(更新):2021年5月12日〜2021年5月18日
- 調査方法:インターネット調査及び電話・メール取材にて実施
編集部では、調査にご協力いただける企業を随時募集しています。
調査協力に関する問い合わせは以下のフォームよりご連絡ください。
https://www.webtanguide.jp/contact
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