電子契約サービスの最新相場調査:2020年7月版

2020年7月30日

新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、企業においてはリモートでの活動やテレワークが急増し、さまざまな分野でデジタル化が進んでいます。そのひとつが電子契約です。紙の書類や印鑑がなくても法的に有効な契約が締結できる電子契約サービスは、テレワークを進めるうえで必須の存在といえるでしょう。本記事では、主要な電子契約サービスについて、特徴と利用料金を比較・紹介します。

電子契約のメリット・デメリット

電子契約のメリットとしては、次のような点があげられます。

  • リモート、テレワークでも契約締結が進められる
  • 契約締結、管理に関する業務を効率化できる
  • 契約に関する履歴を追いやすくなる

電子契約サービスが注目されているのは、やはり、コロナ渦、アフターコロナの社会において、企業がテレワークの推進を迫られているという点がもっとも大きいでしょう。

電子契約は、業務の効率化、管理体制の強化という点でも大きなメリットがあります。

電子契約サービスでは、契約の締結や更新、解約などをツール上で管理、共有できるので、連絡や情報の不備、承認待ちなどが減り、そこにかかっていた時間や人手も減らすことができます。また、過去の契約や履歴を追いやすくなるので、管理も楽になるでしょう。

一方、電子契約のデメリットや注意点としては次のような点が考えられます。

  • 統一されたツールがなく、取引先によって使用するツールが異なる場合がある
  • 契約の締結相手にも電子化に対応してもう必要がある

今回の記事でも分かるように、電子契約には複数のサービスがあるため、自社が使っているサービスと相手が使っているサービスが違う場合は、どちらかに合わせる必要があります。また、相手がそもそも電子契約に対応していない場合、自社に合わせてもらうために説明と了承を取る必要が出てきます。

電子契約サービスはまだ普及途中であるため、こういったデメリットや注意点はありますが、利用する企業が増えるなかで解決されていくものと考えられます。

電子契約ツールの最新相場調査

1.ペーパーロジック株式会社

ペーパーロジック

ペーパーロジック株式会社は2011年設立の会社で、東京に本社を置く。企業の経理・総務・法務の領域における、紙書類のペーパーレス化を実現するクラウドソリューションを開発・販売している。公認会計士、税理士、弁護士など関連分野のプロが役員やリーガルチームとして業務に携わっている。

サービスの特長

  • 電子証明書を伴わない簡易署名(認印相当の効力、タイムスタンプ付き)は無料のため、簡易署名で済む契約が多いほどコストを抑えられる
  • 法令完全対応
    1.セイコー社の認定タイムスタンプ(10年有効)をすべての電子契約に付与
    2.タイムスタンプの一括検証機能を標準機能として利用できる
    (タイムスタンプの有効性をいつでも複数まとめてチェックできる)
    3.電子帳簿保存法で規定する検索機能を標準機能として利用できる
    (要素の組み合わせ等での検索ができる)

「電子契約の各社サービスを見比べていただくと、法令対応の部分で差が出てくるものと思います。ほとんどのサービス事業者で、PDF化した契約書へ電子署名を打つものが主流です。契約の成立時点では、それでもちろん有効です。

ただ、契約書の中には【受発注/売買など税務の対象】となる書類が含まれることが多いかと思います。税務では法的保存要件があり、下記3項目を満たしていないと電子保存が(税務では)認められません(契約当事者部門は問題が顕在化しないが、最終的に「財務経理部門等で電子保存の際」問題が顕在化)。

1.認定事業者のタイムスタンプが付されていること
2.タイムスタンプの一括検証機能
3.電子帳簿保存法で規定する検索機能

タイムスタンプ採用を謳うサービスであっても、実際には上記1~3を満たしていないと電子保存できないとご理解いただくと早いかと存じます。弊社は、追加料金なしの標準機能として、『電子署名法準拠の電子証明書付き電子署名』と上述の『電子帳簿保存法対応の認定タイムスタンプ」をすべての契約書へ付与しています」。

利用者の特徴

  • 業種・業態を問わず利用が広がっている

<導入による効果>

  • 印紙税削減
  • 人件費を含めたトータルなコスト削減が可能

中心価格帯

ミニマムプラン 月額2万円~

  • 契約数増加など必要に応じアップグレード

→ 詳しくはこちら(ペーパーロジック株式会社のサイトへ)

2.リーテックスデジタル契約(リーテックス株式会社)

リーテックスデジタル契約

リーテックス株式会社は、2019年設立、東京に本社を置く会社。日本テレワーク協会、日本文書情報マネジメント協会、ASPICの会員企業。親会社に、テレワーク・コンサルティングを行う株式会社システム・ファイナンスがあり、テレワーク導入のための支援を行っている。

サービスの特徴

  • 他社とは異なるスキーム設計
  • 厳重な本人確認によるなりすまし、架空契約、反社会的勢力の排除
  • 電子記録債権の利用が可能で、独自の資金調達制度「POファイナンス®」を用意

「当社は電子署名法と電子記録債権法を組み合わせたサービス設計を行っております。多くの電子契約サービスは、電子署名法のみに準拠した設計となっているため、法人の確認ができず、法人契約に個人の電子印鑑を押すという奇妙な現象が起きています。当社は法人間契約に利用する電子記録債権法を併用することで、法人のデジタル印鑑を実現しました」。(リーテックス株式会社 担当者)

利用者の特徴

  • 個人事業主から大企業まで、規模・業種を問わず利用あり
  • 特にメディア・IT・メーカー・建設系の利用が多い

「サービスの特徴上、法律とセキュリティを重視するお客様からお選びいただくことが多いです。利用事例のひとつとして、東京FM様とその関連会社様との契約でご利用いただいており、本人確認の厳重さと電子記録債権の連携という点を評価いただいております」。(リーテックス株式会社 担当者)

中心価格帯

エントリープラン :月額無料
スタンダードプラン:月額1万円
プレミアムプラン :月額10万円
エンタープライズ :別途見積もり

  • スモールスタートとして、エントリープラン・スタンダードプランからの利用が多い

→ 詳しくはこちら(リーテックスデジタル契約のサイトへ)

3.ホームズクラウド(株式会社Holmes)

ホームズクラウド

株式会社Holmesが提供するクラウド型電子契約管理システム。Holmes社は2017年設立、設立当初は株式会社リグシーという社名だった。現在はホームズクラウドを事業の柱とし展開。東京に本社があり、その他、長野サテライトオフィス、福岡支社がある。

※公式サイトより調査

サービスの特長

  • 電子締結で場所を問わず契約業務が完結、契約ごとにワークフロー設定ができる
  • 複数の契約を同時管理、クラウドで一連の業務が完結
  • プロジェクトの関係者設定が可能、情報の共有・連絡・確認が簡単
  • 契約書・関連業務・ナレッジそれぞれのマネジメント機能で契約業務全般をカバー

利用者の特徴

<導入企業の一例>
株式会社Jリーグ:契約インフラの整備。契約管理の「脱・属人化」
株式会社東海理化:契約審査完了時間が5.5日から1.5日に短縮
認定特定非営利活動法人かものはしプロジェクト:契約締結までの日数が21日から1日に短縮

料金体系

スモールビジネス(従業員100名以下):利用料金目安 月額5万円~
エンタープライズ(従業員101名以上):利用料金目安 月額10万円~

  • 利用人数・利用状況に合わせたプラン提案が可能
  • SAML認証、SCIMプロヴィジョニング、API、IP制限のオプションあり

→ 詳しくはこちら(ホームズクラウドのサイトへ)

4.NINJA SIG(株式会社サイトビジット)

ninja sign

株式会社サイトビジットが提供するワンストップ契約サービス。サイトビジット社は2013年設立、東京に本社を置いている。法律とテクノロジーを掛け合わせたサービス展開を行っている。NINJA SIGNの他に、資格試験学習サイト「資格スクエア」や、法務・財務・税務・知財特化型人材サービス「Legal Engine」を提供。

※公式サイトを基に調査

サービスの特長

  • 電子契約締結数無制限・定額
  • テンプレ登録・入力項目設定などで契約書作成を効率化
  • 契約書ごとにワークフロー設定・修正履歴の保持が可能
  • タイムスタンプ、暗号化などの強固なセキュリティ体制

利用者の特徴

<導入企業の一例>
オートメーションラボ株式会社
InterRace株式会社
株式会社54
ビックマック株式会社
株式会社夢真ホールディングス
エンサムパートナーズ株式会社
株式会社アウトバウンドマーケティング

料金体系

Free 無料(1アカウント/契約書送信数月5通/テンプレート登録数3個まで)
Light 月額4,980円(1アカウント)
Light+ 月額19,800円/月(6アカウント・追加アカウント@1,000円)
Pro 別途見積もり

  • 有料プランは契約書送信数・テンプレート登録数無制限

→ 詳しくはこちら(NINJA SIGNのサイトへ)

5.GMO 電子印鑑 Agree(GMOクラウド株式会社)

GMO Agree

GMOクラウド株式会社が提供する電子署名・サインサービス。電子契約サービスのなかには、このサービスの仕組みをベースに自社のパッケージサービスを提供しているケースもある。GMOクラウド社は1993年創立のGMOグループの会社。東京に本社、大阪と下関に支社がある。クラウド・ホスティング事業、セキュリティ事業を中心に各種インターネットソリューションを開発・運用している。

※公式サイトを基に調査

サービスの特長

  • 検索条件や格納方法、出力方法など管理機能が充実
  • 国税関係書類に該当する契約書類も電子データ保存可能
  • オプション機能利用で基幹システムとの連携が可能
  • 電子サインのみか、電子サインと電子署名の両方を利用するか選べる
  • GMOグローバルサイン直接連携、Adobe認定ルート証明書採用、セイコーソリューションズ社認定タイムスタンプなど、安心のセキュリティ体制

利用者の特徴

<導入企業の一例>

  • 株式会社ワンビシアーカイブズ:電子契約と書面契約の一元管理始動
  • 株式会社ティップネス:2~3週間かかった契約書締結が1日で完了
  • ソフトブレーン株式会社:約20,000件の契約書を電子化

料金体系

お試しフリー
月額無料(社内ID数:1/署名数:月10文書まで)
電子サイン利用料:無料

契約印プラン(電子サイン)
月額10,000円(社内ID数・署名数:無制限)
電子サイン利用料:1文書あたり100円(税抜)

実印&契約印プラン(電子署名&電子サイン)
月額20,000円(社内ID数・署名数:無制限)
電子サイン利用料:1文書あたり100円(税抜)
電子署名利用料:年間8,000円(税抜)+1文書あたり300円(税抜)

→ 詳しくはこちら(GMO 電子印鑑 Agreeのサイトへ)

6.クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

クラウドサイン

弁護士ドットコム株式会社が提供する電子契約サービス。弁護士ドットコム社は2005年設立、東京に本社を置く他、大阪、福岡に支社がある。日本最大級の法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」や、税務相談ポータルサイト「税理士ドットコム」などのポータルサイトを運営している。

※公式サイトを基に調査

サービスの特長

  • 日本の法律に特化した弁護士監修のサービス
  • 電子契約利用企業の約80%が利用するサービス(2019年7月時点)
  • メール認証に加え、任意のアクセスコード認証による本人確認ができる
  • APIによる既存システムとの連携
  • 紙の契約書の一括管理や営業事務の自動化など、合わせて使える関連サービスあり

利用者の特徴

<導入企業の一例>

  • 株式会社美伸:タブレット契約を導入、所用時間を50%短縮
  • 日総ビルディング株式会社:契約数8倍増に担当者2名増で対応
  • 株式会社タイカ:契約書400件を1カ月で電子化

料金体系

Freeプラン
無料
・送信件数5件/月・ユーザー数1名まで
・タイムスタンプは付与されない

Standard
月額固定費10,000円
送信費用200円/件

  • すべての基礎機能を利用可能

Standard plus
月額固定費20,000円
送信費用200円/件

  • Standard機能+インポート機能

Business
月額固定費10,000円
送信費用200円/件

  • 高度なリスク管理機能を利用可能

→ 詳しくはこちら(クラウドサインのサイトへ)

編集部のまとめ

  1. .調査母数(問い合わせした企業数):8社
  2. 有効回答数(調査にご協力いただいた企業数):2社
  3. 電子契約ツールの中心的価格帯は次の通りとなりました。
    月額費用:1~2万円
    電子サイン利用料:100~200円/件

電子契約サービスについて、月額固定費と合わせてチェックしておきたいのが、以下に制限があるかどうかです。

  • 利用可能なアカウント数
  • 保管データ容量
  • 月の契約締結数・電子サイン利用の上限

これらに制限があるサービスの場合、今月は上限に達してしまったから利用できないとならないよう、自社の平均的な契約数を踏まえた上でプランを選ぶ必要があります。

また、契約締結数・電子サイン利用の上限がない場合、1件ごとに個別の料金が発生するのが一般的です。月額費用と合わせて、その分の費用も考慮に入れて検討しましょう。

自社でなんらかの基幹システムを使っている場合は、そのシステムと連携可能かどうかも重要です。また、すべての契約を電子化することが難しく、紙の契約書も一定数残ることが予想される場合、紙の契約書をPDF化して一括管理できる機能があると便利です。

電子契約では、サービスごとの料金差はそこまで大きくないので、以上のような点を踏まえて比較検討すると良いのではないでしょうか。

電子契約サービスの導入が多くの企業で進むなか、自社にはまだ必要ないと思っていても、利用企業が増えるほどに必要に迫られる可能性が高まります。早めに情報収集だけでもしておき、いざ必要になったときにすぐに対応できるようにしておきましょう。

https://www.webtanguide.jp/contact

調査実施概要
  • 調査機関:2020年6月16日〜2020年7月10日
  • 調査方法:インターネット調査及び電話・メール取材にて実施
  • この記事を書いた人
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河村 郁恵

i.kawamura

山口県出身。王朝文学が好きで研究者を夢見て大学で国文学を専攻するも、方針転換で就職。新卒で入社した会社でネットショップ運営に携わり、カスタマーサポートから商品開発、プロモーションなどを経験。その後、EC業界向けメディアに転職。編集部でメディア運営や業界紙の制作ディレクションを経験した後、フリーのライター・編集者として独立。

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