企業Web担当者のためのXアカウント設計入門

2024年2月22日

こんな課題をお持ちのWebマーケティング担当者向けの記事です

認知獲得や集客を目的として、X(旧Twitter)を運用することを検討している、またはXアカウントを運用しているが思うように効果が出ずに悩んでいるWebマーケティング担当者の以下の課題にお答えする記事です。

  • 具体的なアカウント設計のステップを知りたい
  • ステップ別の具体的な作業内容を知りたい

このような課題をお持ちの方に向けて、この記事ではXを活用するメリットや具体的な事例、成功するために必要なポイントを解説します。

Xマーケティングの概要についてはこちらをご覧ください。

XのWebサイト
Xマーケティングとは?:Web担当者向け始め方解説

認知獲得や集客を目的として、X(旧Twitter)を運用することを検討している、またはXアカウントを運用しているが思うように効果が出ずに悩んでいるWebマーケティング担当者の以下の課題にお答えする記事 ...

Xアカウント設計・運用の4ステップ

これからXのアカウントを作成し運用を始める場合、次の4つのステップに沿って準備を進めましょう。

無料でアカウントを作成できるからと急がず、XというSNSの特徴を把握した上で、運用する目的やアカウントの方向性を定めておくことが重要です。

ステップ1)運用目的、戦略の設計

まずはじめに、運用を始める前にXを運用する目的やターゲットなどを検討します。

また、同業他社がXアカウントを運用しているかなどの調査も行ない、KPIを設定します。

ステップ2)Xアカウント設計

目的やターゲットが定まったら、プロフィールの設定やポストを投稿する時間帯など具体的な運用の方向性を設計します。

企業公式アカウントとして運用するのかや、キャラクターのアカウントとして運用するのかなどを決定した上で、運用ポリシーを作成していきます。

ステップ3)Xコンテンツ運用

運用が開始したら、インプレッションやエンゲージメントが増えることを意識してポストの質を高めていきます。

目標に到達しない場合やインプレッションを増やしたい場合は広告出稿やインフルエンサーの活用などの施策も検討してみましょう。

ステップ4)Xアカウントの分析・改善

無料で利用できるアナリティクス機能を活用し、最低でも週に一度は投稿した内容を振り返り、インプレッションやエンゲージメントなどのKPIの動きを確認しましょう。

アナリティクスだけではなく、専用の分析ツールを利用するとレポート作成を効率化できたり、詳細な分析を行うことが可能です。

ステップ1)Xアカウントの運用目的、戦略の設計

Xアカウント運用の目的の明確化

X(旧Twitter)はSNSの中でも即時性と拡散性が高いことが特徴です。

Xアカウントを運用する際は

  • 認知獲得
  • 企業WebサイトやLPへの誘導
  • ユーザー(顧客)とのコミュニケーション
  • 採用活動の強化

などを目的とするとXを有効に活用することができます。

成功しているXアカウントや競合のXアカウントの分析

Xにおける企業公式アカウントの中には100万を超えるフォロワーを抱えるアカウントが多数存在しています。

Xでフォロワー数を獲得しやすい企業アカウントは利用者が多い飲食店やコンビニエンスストアなど、消費者に親しまれている企業アカウントが多い状況です。

【企業公式のフォロワー上位:2024年2月時点】

ローソン:825万

スターバックスコーヒー:793万

セブンイレブン・ジャパン:667万

マクドナルド:657万

ファミリーマート:534万

このような人気企業アカウントがどのような内容を投稿しているかは多くのSNS担当者が注目しているので、チェックすることをおすすめします。

上記の人気アカウントは大手企業が目立ちますが、売り上げや株価とフォロワー数が連動しているというわけではありません。

中小企業でも多数のフォロワーを抱えることでアカウントの認知度や存在感が大きくなり、企業に注目が集まることにつながります。

さらに、同業種の企業が先行してXアカウントを運用している場合はどのように運用しているか、どのくらいのフォロワー数かを確認してベンチマークしていきましょう。

競合アカウントを分析する際は、ポストの内容だけではなく投稿頻度や時間帯、フォロワー数の推移、エンゲージメントなどをチェックしましょう。

ターゲットユーザーの設定と投稿コンテンツの戦略

Xを運用する目的が決まったら、どのようなユーザーにポストを見てもらいたいかを考える「ターゲットユーザーの設定」を行ないます。

顧客の属性が明確な場合は、基本的に顧客の属性を踏まえたコンテンツを投稿することになります。

ただし、企業の認知獲得を目的とする際は顧客の属性だけではなく、話題のキーワードを含めるなど、より多くのユーザーに表示されやすくなるための工夫も必要となります。

効果的なKPIの設計と目標設定

Xの運用目的やターゲットが決まったら、Xアカウント運用の成果を数値化させるために必要なKPIを検討します。

【Xにおける主要KPI】

  • フォロワー数
  • インプレッション(表示回数)
  • エンゲージメント(リポスト、いいねなど)
  • プロフィール遷移数

Xアカウントを作成すると、まず重要になるのは「インプレッション(表示回数)」です。

インプレッションの次に重要なのが「エンゲージメント(リポスト、いいねなど)」で、エンゲージメントが増加するとインプレッションも増加する効果があります。

フォロワー数を増やすためにはインプレッションを増やして多くの人にポストを見てもらった上で、プロフィールへ遷移してもらう必要があるため、各ポストにおける「プロフィール遷移数」も重要になるでしょう。

ステップ2)Xアカウントの設計

Xアカウントの世界観、プロフィールコンテンツ設計

Xアカウントの運用を始めることを決定したら、具体的なアカウント設計に入ります。

まず第一にXアカウントの世界観を考えましょう。

企業としてXアカウントを運用する場合でも、アカウントの世界観としては様々な方法があります。

【企業アカウントの主な世界観】

  • 企業公式アカウント
  • 商品やサービスの公式アカウント
  • 企業公式キャラクター
  • 企業の「中の人」

など

プレスリリースなど公式な情報を中心に発信し、炎上リスクを低く抑えることができるのが「公式アカウント」のメリットです。

「キャラクター」や「中の人」として運用する場合は親しみを持たれやすくなる一方、担当者の気軽な投稿が炎上してしまうことがあるため注意が必要です。

X投稿コンテンツの設計(テーマ、頻度、投稿時間帯など)

運用方法を細かく設定したい場合は投稿内容のテーマだけではなく、投稿頻度や時間帯は事前に運用ルールを定めておきましょう。

投稿テーマはプレスリリースやキャンペーン情報など、企業が発信したい情報の中からXで発信する情報を絞り込んでいきます。

企業公式としてプレスリリースの内容を投稿する場合でも、ユーザーの利便性を考慮して単純に企業のWebサイトへリンクさせるのではなく、Xの中で情報が完結するようにテキストを工夫したり画像や動画を追加して投稿することをおすすめします。

中の人として運用する場合は朝の挨拶や業務時間外の出来事など、世の中の話題に触れたり、中の人同士で情報を共有し合うことでインプレッションを高める効果もあります。

投稿頻度としては、ポストが多すぎるとフォロー解除されることもあるため、自社アカウントからの発信としては多くても1日5ポストを目安とすると良いでしょう。

基本的には投稿時間帯は朝とお昼休み、業務時間後がおすすめです。

ユーザーからのリプライがあれば必要に応じそれに対応することは問題ありません。

Xコンテンツ運用のコンセプト設計(フォロー、リプライ等の運用ポリシー設計)

運用を開始する前に運用ポリシーを策定することをおすすめします。

運用ポリシーは公式アカウント方式か、中の人やキャラクター方式かなどにより異なってきます。

公式アカウントであれば自社のカウントや企業・団体の公式アカウントに限りフォローする、中の人方式のアカウントであればスパムアカウントなどを除き柔軟にフォローバックなどコミュニケーションを可とする、といったようにアカウントの性質や世界観により運用ポリシーを決めておきます。

また、運用していく中でポリシーは最適な内容になるように定期的に見直しを行ないましょう。

【運用ポリシーの主な内容】

  • フォローする基準
  • フォローバックするか否か
  • フォローバックしない対象(スパム、非公開アカウントなど)
  • ユーザーからの返信(リプライ)への対応方針
  • ダイレクトメッセージの対応方針
  • トラブル時の報告手順(炎上マニュアル)
  • 社内公式用語や使用NG表現のまとめ

ステップ3)Xコンテンツ運用

URLを記載することは最小限に

企業WebサイトやLPなどに誘導する目的で、ほぼ全てのポストでURLを記載しているアカウントが見受けられます。

しかしXを始めとしたSNS運営企業はSNS内での回遊を優先したいと考えており、URLを記載したポストは拡散しにくくなる傾向があるため、最小限に抑えることを意識しましょう。

画像や動画を掲載するとエンゲージメントアップ

テキストだけのポストよりも画像や動画を掲載する方が、ユーザーからのいいねや返信などが集められやすくなります。

現在はCanvaなど初心者でも簡単にバナー画像を作成することができるソフトウェアやアプリが数多く存在するため、工数をかけられない場合でもできる限りポストに画像を追加することをおすすめします。

広告やインフルエンサーマーケティングを活用する

どうしてもSNSから集客したい場合にはX広告を利用したり、インフルエンサーマーケティングを活用する方法がおすすめです。

X広告は拡散力が高く予算に応じて細かくターゲティングが可能です。

インフルエンサーマーケティングは広告よりも閲覧者に受け入れられやすく、起用するインフルエンサーによってアプローチしたい層に絞り込んで拡散できることがメリットです。

ステップ4)Xアカウントの分析・改善

アナリティクスを活用する

アナリティクス画面
アナリティクス画面:直近28日間のインプレッション数推移のグラフ(例)

Xで提供されているアナリティクス機能はアカウント全体のアナリティクスと、投稿毎の「ポストアクティビティ」に分けることができます。

アナリティクスはWebブラウザのみ閲覧可能で、28日間のインプレッション数や、ポスト毎のインプレッション数およびエンゲージメント数、直近期間のエンゲージメント数などを確認することができます。

ポストアクティビティはXのアプリからも閲覧することができ、プロフィールへの遷移数やポスト毎の新規フォロワー数などを確認できます。

この2つの機能は最低週に一度は確認することをおすすめします。

専門の分析ツールで詳細を分析する

公式のアナリティクスより詳しい分析を行いたい場合や、レポート作成を効率化したい場合は第三者が提供する分析ツールを活用しましょう。

SINIS for Xは無料で利用することができる分析ツールで、レポート作成を効率化することができます。

SocialDogは国産のXマーケティングツールとして最も多くのユーザーが利用しています。

有料プランに登録すると予約投稿機能だけでなく、フォロワー分析やフォロワーのリスト化、自社のポスト分析が利用できます。

このような分析ツールを活用することでより効果的なアカウント運用が可能になります。

効果的なXアカウント設計を行うポイント

最適な時間帯での投稿を心がける

同じポストでも投稿する時間帯によって反応が大きく変化します。

あまり反応が得られなかったポストでも時間帯を変えてみると、エンゲージメントを獲得できる可能性があります。

適切な時間帯が見つからない場合は、ビジネスパーソンがXを見ることが多い時間帯である通勤時間やお昼休み、終業後などの時間帯(朝7時から9時、12時から13時、18時以降)に投稿するとインプレッションが得られやすくなります。(*1)

*1=フラー株式会社の調査

投稿コンテンツの定期的な分析と最適化

Xアカウント運用を行なうと、日々の投稿作業に追われてしまいやすいため、時間を決めて過去の投稿を振り返ることを習慣づけるようにしましょう。

ポストアクティビティでポスト毎のエンゲージメントの状況を確認するほか、投稿の方向性の振り返りの観点から「いいね数が多いもの」や「ユーザーからの返信が多いもの」を検索して抽出するとユーザーの反応が得やすいポストのヒントになります。

検索画面で「from:ユーザーID min_faves:数値」と検索することで、一定の数値以上のいいね数が多いポストを探すことが可能です。

同様に、一定数以上のリプライがある返信を探したい場合は「from:ユーザーID min_replies:数値」で検索すると抽出可能です。

このように検索コマンドを学習することで知りたいポストを検索できるようになると分析ツールを使用しなくてもツイートの絞り込みが可能になるため知っておくと便利です。

ユーザーフィードバックの活用とコミュニケーション

インプレッションを増やすためには、ポストについたユーザーからのリプライに反応することが重要です。

リプライへの反応は、営業日であれば24時間以内に行なうようにしましょう。

リプライが難しい内容の場合は、自社Webサイトなどの問い合わせ窓口に誘導する形でも構いません。

自社で定めた運用ポリシーに沿って対応することが前提となりますが、ユーザーとできる限りコミュニケーション量を増やすことがXアカウントの価値を高める有効な手法です。

まとめ

Xアカウントを運用する際は、事前に運用目的やフォローしてもらいたいユーザーを想定してアカウントの世界観を設計していきます。

公式アカウント、キャラクターや中の人スタイルなど、担当者の運用しやすい形にした上で、炎上リスクを防止するため、運用ポリシーを策定します。

しかし、炎上リスクを恐れ、ユーザーとのコミュニケーションを行なわないこともアカウント全体の利益とはならないため、インターネットリテラシーを踏まえて積極的なコミュニケーションを取るようにしましょう。

また、定期的に投稿の反応やKPIの動向を振り返るミーティングやレポートを作成するようにしましょう。

ディレクターバンクではXをはじめとしたSNS運用について、企画段階から様々なご相談にお応えしつつ、運用のお手伝いも行なっております。

これからXを運用したい企業ご担当者の方はぜひ一度ご相談ください。

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山口優

2017年にIT企業を退社しフリーランスとなる。自ら企画したブログメディアやSNSを中心としたマーケティング活動を行なっている。現在は動画製作とHubSpotを勉強中。