競合サイト分析ツールの最新相場調査:2019年9月版

2019年9月18日

Webマーケティングにおいて、競合調査は欠かせません。競合サイトのアクセス数を知りたい、競合企業のコンテンツや広告の対策キーワードを知りたいといったときに役立つのが、競合サイト分析ツールです。これにより、膨大なデータを短時間で効率的に分析でき、競合に負けないWebサイトや広告の運用が可能になります。本記事では、主要な競合サイト分析ツールについて、そのツール・サービスの特徴や効果をまとめるとともに、相場感を調査しました。

競合サイト分析ツールでできること

競合サイト分析ツールで調査できるデータとしては、大きく以下の3つがあります。

  1. 自社・競合サイトの流入キーワードやランディングページ
  2. 自社・競合の有料広告の出稿キーワードやクリエイティブ
  3. 特定の検索キーワードに対するユーザーの興味関心

1はSEO対策、2は広告運用の改善、3はサイトリニューアルや新規ページ・コンテンツ作成に役立つデータです。Webマーケティングにおいて、競合サイト分析は欠かせないものといえます。

しかし、これらのデータ収集・分析を自力で行おうとすると、膨大な時間がかかります。それを効率化してくれるのが、競合サイト分析ツールなのです。競合サイト分析ツールでは、ひとつのツールやサービスで、上記3点を網羅しているものが多くあります。

その上で、ツール・サービスによる違いは以下のような点に表れます。

  • 基本の分析(Webサイトや広告)以外の分析が可能か
  • 分析の精度
  • 分析のみなのか、施策やその効果検証までカバーするのか
  • レポート機能
  • サポートやコンサルティングなど

これらの違いにより、料金も月額数万円~数十万円と大きく異なります。そのため、ツール・サービスを検討しながら、自社に必要なラインを見極める必要があります。

競合サイト分析ツールの最新相場調査

1.eMark+(株式会社ヴァリューズ)

eMark+

eMark+(イーマークプラス)は、(株) ヴァリューズが提供する、競合サイトのアクセス解析ができる行動ログ分析サービス。ヴァリューズ社は、2009年設立の東京に拠点を置く会社。ビッグデータとマーケティングを掛け合わせた企業支援を得意とする。

サービスの特長

  • サイト(ドメイン単位)だけでなくディレクトリ単位でUU数、PV数、流入元、ユーザー属性を把握できる
  • 性別、年代、居住エリアだけでなく年収など細かく属性を把握できる

<ツール利用による主たる効果>

  • ユーザー理解が深まり広告出稿先やクリエイティブを精緻化できる
  • ユーザー理解が深まりコンテンツマーケティングのアイディア出しができる
  • 市場調査と競合調査の時間短縮ができる

利用者の特徴

  • 業界問わず、B2Cの事業会社からB2Cのクライアントをもつ広告代理店、サイト制作会社、コンサルティング会社などで幅広く導入実績あり
  • 上場企業だけでも250社以上の導入実績あり

中心価格帯

月額20万円

  • メニューの組み合わせにより料金が変動する

→ 詳しくはこちら(eMark+のサイトへ)

2.SEMrush(株式会社オロ)

SEMrush

SEMrush(SEMラッシュ)は、(株)オロが提供するツール。競合分析を始めSEO対策や広告戦略など幅広いWebマーケティング施策をカバーするSEMツール。オロ社は、1999年創業の東京に拠点を置く会社。国内主要都市に支社があり、中国・台湾にはグループ会社がある。クラウドソリューション事業とデジタルトラランスメーション事業の二本柱で、自社サービスを開発する一方、提携サービスの紹介も行っており、SEMrushもそのひとつ。

サービスの特長

  • 世界でもっとも利用されるSEO・SEMツール
  • 約40のツールがあり、Webマーケティングに必要な情報を網羅して収集・分析できる
  • 2017年と2018年、SEOのツールキットとして2年連続で世界各エリアのアワード受賞
  • Google Analytics・Googleサーチコンソールと連携可能で、Googleと相性が良い

<ツール利用による主たる効果>

  • Google Analyticsとの連携利用で、Webマーケティングに必要な基本的な分析を網羅
  • コンサルティングに頼らない分析・施策立案が可能に
  • Webマーケティングに関するコストを抑える

利用者の特徴

  • 世界400万人以上が利用
  • 社内に競合分析やSEOなどの専任チームを持つ大手企業、広告代理店、SEOコンサルティング会社などの利用が多いが、スタートアップからの問い合わせもある
  • 今後の展開として、アフィリエイター市場に注目

中心価格帯

月額2万円弱

  • もっとも利用が多いのはProプラン(月額99.95ドル/年間999.40ドル)
  • Pro/Guru/Business/Enterpriseの4つのプランがあり、上位プランほどトラッキングワード数の上限が上がる

→ 詳しくはこちら(SEMrushのサイトへ)

3.keywordmap(株式会社CINC)

keywordmap

keywordmapは(株)CINC(シンク)が提供するWebマーケティング調査・分析ツール。CINC社は2014年設立の東京に拠点を置く会社。ソリューション事業として、keywordmapのほか、いくつかのマーケティングプラットフォームを提供。また、アナリティクス事業、コンサルティング・メディア事業を展開している。

サービスの特長

  • 実用性の高いデータ抽出
  • 精度の高いSEO・コンテンツマーケティング分析が可能

「CINCは、コンテンツマーケティングのコンサルティング事業からスタートしました。自社のデータアナリストのために開発されたのが『Keywordmap』であり、実用性の高いデータ抽出が特徴です。圧倒的な日本語データ量と分析スピードを誇り、精度の高いSEO・コンテンツマーケティング分析を行いたい方にオススメです」。(株式会社CINC 担当者)

<ツール利用による主たる効果>

  • 自社サイトの戦略方針や機会損失を明確にする
  • 自然検索における競合との相対的評価のなかで勝ち抜く

「競合サイトがSEOで上位表示を実現しているキーワードやページを大量かつ定量的に調査することにより、自社サイトの戦略方針や機会損失を明確にすることができます。また、現在Googleが『ユーザーの検索意図』をどのように評価しているかを把握し、競合との相対評価のなかで勝ち抜くことが可能になります」。(株式会社CINC 担当者)

<他社ツールの比較>

  • オーガニックと広告の両軸での分析
  • キーワードの事前登録が必要なく、戦略策定に必要な市場調査・競合調査を実施できる
  • ドメインの事前登録が必要なく、新たに登場した競合の分析や、近似業界の成功事例を自社の戦略として水平展開できる
  • 統計データによる推計値ではなく、実データによる実績値であるため、データの信頼性が圧倒的
  • 自社で大量のデータを蓄積しているため、都度データを取得する必要がなく、表示スピードが圧倒的
  • 国産ツールであるため、日本語の言語解析能力が高く、分析データの精度が高い

利用者の特徴

以下のような課題がある。

  • サイトのセッション数を増やしたい
  • 問い合わせ数を増やしたい
  • 属人化している運用を改善したい
  • 調査・分析時間を削減したい
  • ファクトに基づく施策を行いたい

「ECサイト運営、メディア運用などを行う事業会社から、広告代理店、戦略コンサルティングファームなど業種を問わずデジタル戦略に注力する企業を中心に、1名から数万の社員数規模の企業までご活用いただいております」。(株式会社CINC 担当者)

料金体系

要問い合わせ

  • 無料トライアルあり

→ 詳しくはこちら(keywordmapのサイトへ)

4.AI analyst(株式会社WACUL)

AI analyst(AIアナリスト)は、(株) WACUL(ワカル)が提供する、自動アクセス解析を行う人工知能。WACUL社は、2010年設立の東京に拠点を置く会社。設立当初はWebコンサルティング事業を行っていたが、2015年にAIアナリストをリリースし、以降、事業の柱となっている。

※公式サイト・資料より

サービスの特長

  • 累計約30,000サイトに導入、広告宣伝費上位100社の40%が利用
  • 2.9万サイト以上で使われる効果的な分析手法に基づき、人力で5日程度かかる分析をAIが自動で行う
  • 担当コンサルタントによる定期的な打ち合わせを実施。AIによる分析と改善方針に基づく提案
  • 1.5カ月に1回のTV会議によるツールの使い方レクチャーあり
  • 契約開始日前にキックオフTY会議によるヒアリングあり

<ツール利用による主たる効果>

  • Webサイトの改善によるCVの向上
  • 分析から戦略立案までの手間を削減

利用者の特徴

  • 業界問わず効果あり

<導入実績の一例>

  • 株式会社ツヴァイ:CV数2.3倍
  • ゼクシィ:CV数2倍以上

料金体系帯

都度見積もり

  • 無料プランで「人工知能の提案一覧」「レポート画面」機能利用可能

→ 詳しくはこちら(AIアナリストのサイトへ)

編集部のまとめ

今回の調査概要

  1. 調査母数(問い合わせした企業数):5社
  2. 有効回答数(調査にご協力いただいた企業数):3社
  3. チャットボット導入の中心的価格帯は次の通りとなりました。
  • 月額2~20万円

競合サイト分析ツールでは、ツール単体で提供している場合は月数万円程度と料金が安く、分析やレポート作成、コンサルティングなどのサポートが入る場合は月数十万円と料金が高くなるようです。後者の場合、都度見積もりというツール・サービスも多くなります。

単純に競合サイトについて知りたいという場合は、シンプルなツールを利用するとコストを抑えることができます。あるいは、社内にWebマーケティングの知識やノウハウのある人材が在籍しているのであれば、シンプルなツールでも十分でしょう。

逆に、人材が不足しているなかで、Webサイト改善やコンテンツ制作、広告運用など、なんらかのWebマーケティング施策で効果を出すために競合サイト分析を行いたい場合は、分析やレポート、コンサルティングなどなんらかのサポートを受けられるサービスのほうが結果的に成果につながるのではないでしょうか。

調査実施概要

  • 期間:2019年9月10日〜2019年9月18日
  • 調査方法:インターネット調査及び電話・メール・チャット取材にて実施

編集部では、調査にご協力いただける企業を随時募集しています。
調査協力に関する問い合わせは以下のフォームよりご連絡ください。
https://www.webtanguide.jp/contact

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i.kawamura

山口県出身。王朝文学が好きで研究者を夢見て大学で国文学を専攻するも、方針転換で就職。新卒で入社した会社でネットショップ運営に携わり、カスタマーサポートから商品開発、プロモーションなどを経験。その後、EC業界向けメディアに転職。編集部でメディア運営や業界紙の制作ディレクションを経験した後、フリーのライター・編集者として独立。