チャットボット導入費用の最新相場調査:2019年8月版

投稿日:2019年8月28日 更新日:

問い合わせ対応、サポート業務の効率化のため導入する企業が増えているチャットボット。チャットボットはサービス・ツールによって自動対応できる幅に違いがあり、導入方法にもいくつかの選択肢があります。もっとも簡単にチャットボットを利用できるのが、チャットボットサービスやツールを提供している企業に依頼することです。本記事では、そういった主要なサービス・ツールを比較し、費用感を調査しました。

チャットボットとは

チャットボット(chatobot)とは、音声やテキストによる自動会話プログラムのこと。Webサイト上やスマートフォンアプリ上で利用されます。チャットボットの機能としては、大きく以下の2つのパターンがあります。

  1. 蓄積されたデータを基に文脈に応じて回答を行う
  2. 特定の質問・単語に対して決められた回答・選択肢を提示する

サービスによって、一方の機能のみの場合と、2つの機能を組み合わせる場合があります。チャットボットの導入方法としては、主に以下があげられます。

  1. 自社で開発する
  2. チャットボットプラットフォームを利用する
  3. チャットボット作成ツールを利用する

(1)はかなりの費用がかかり、大企業でないと難しいかもしれません。その代わり、自社に合った作り込みができ、独自のデータを蓄積できます。

(2)は、FacebookやLINE、SlackなどのメッセージングアプリのAPIを利用します。各アプリに依拠しますが、(1)より費用を押さえられます。専門知識は必要ですが、作業を代行してくれるサービスもあります。

(3)は、費用を抑え、専門知識がなくとも利用できます。気軽に導入したい場合におすすめです。インターフェースに、LINEなどのメッセージングアプリを利用できるサービス・ツールも多いようです。本記事で調査・比較を行っているのはこの方法です。

導入するメリット

カスタマーサポート業務の効率化

チャットボット利用により、簡単な問い合わせ、よくある問い合わせに自動で対応できます。チャットボットで対応できない問い合わせのみ、有人のサポートへの導線を作ることで、顧客対応業務を効率化し、より丁寧な対応が必要な問い合わせに注力できます。

ページ離脱防止、CV向上

Webサイトを訪れ知りたいことがあったとき、通常、その情報が掲載されていそうなページやQ&Aを確認したり、フォームから問い合わせをしたりします。しかし、情報が見つからなかったり、問い合わせを面倒に感じたりして、ページを離脱するユーザーも少なくありません。特にスマートフォンではその傾向があります。

チャットボット利用により、ユーザーはより簡単かつ気軽に知りたい情報にたどり着くことができ、ページ離脱防止が期待できます。また、資料請求などへの誘導にも活用できるので、CV向上の施策にもなります。

顧客のニーズを知る

チャットボットに入力された内容から、ユーザーがどんな情報を求めサイトを訪れているのか、顧客のニーズを知ることができます。その情報は、ページ改善や商品開発、サービス品質向上などに役立つはずです。チャットボット利用は、Webマーケティングにも活用できるのです。

チャットボット導入費用の最新相場調査

1.hachidori (hachidori株式会社)

hachidori

hachidori株式会社は2015年設立、東京を拠点とする会社。2019年8月24号の週刊東洋経済「すごいベンチャー100」特集に掲載されている。2019年8月現在、チャットボット開発運用ツール「hachidori」およびチャット&業務管理アプリ「CAST」を二本柱として、企画・開発・販売を行っている。豊富な開発実績をもつ。

サービスの特長

  • プログラミング不要、GUIでチャットボット作成可能
    (初期構築はhachidori(株)で行い、利用者で改修可能)
  • 個人向けhachidori・法人向けhachidori plus、累計7,000超の開発実績
  • ステップ配信、キャンペーン配信などOne to Oneマーケティング機能の充実
  • 充実したカスタマーサポートサービス
  • LINE 法人向けサービス開発パートナー(Technology Patner)認定
  • LINE WORKS連携ソリューション認定
  • 各種APIとの連携(JSON形式で返却するREST APIの仕組みがあれば連携可能)

「これまでに蓄積したノウハウで複雑な開発にも対応します。法人向けプラン『hachidori plus』では、チャットボットによる自動回答、一斉配信機能に加え、業界で初めてステップ配信機能を提供開始しました。この機能では、メッセージを受信したチャット内でそのままチャットボットによる顧客対応が可能となるため、顧客は商品に関する質問や購入などをスムーズに行えるようになります」。(hachidori株式会社 担当者)

利用者の特徴

  • 業界業種・規模:スタートアップから中堅・大手企業、自治体、学校など幅広い
  • 活用目的:問い合わせ対応・FAQ自動化が多く、次いでマーケティングが多い
  • インターフェースとしてLINEを利用している、利用したい企業が多い

<導入事例>

  • TRAVEL MARCHE(LINE)
    -バス空席検索/予約
    -FAQ自動化
    -問い合わせ対応
  • エアトリ(LINE)
    -国内航空券検索/予約
    -運行状況照会
    -問い合わせ対応
  • Leverages(LINE)
    ―ユーザー情報取得
    ―見込み顧客の育成
    ―イベント連携

中心価格帯

初期費用: 20万円
月額費用: 14.7万円
※利用内容によって異なる

→ 詳しくはこちら(hachidoriのサイトへ)

2.kuzen(株式会社コンシェルジュ)

kukzen

株式会社コンシェルジュは2015年設立、東京拠点の会社。事業内容は、人工知能ソフトウェア開発と、データの収集および解析。その技術を活かした高性能AIチャットボット「kuzen」を提供しており、大手有名企業に多数導入されている。2019年6月に約2億円の資金調達を実施し、事業をより展開させている。

サービスの特長

  • 話しかけ機能
  • UI・UX、管理画面の操作性・カスタマイズ性の評価が高い
  • 運用面までフォロー

「『話しかけ機能』では動的にアピールができ、チャットボットの使用率を高めることができます。お客さんからよく評価いただくのは、「UI・UX」の部分や、管理画面の操作性やカスタマイズ性です。そのほか、チャットボットはどうしても導入までの期間が(要件定義含めて)長かったり、KPIやPDCAなど運用面で壁に直面したりすることが多いのですが、そういった部分も含めてフォローさせていただく点も弊社の売りです」。(株式会社コンシェルジュ 担当者)

利用者の特徴

  • 規模:中~大企業が多い印象
  • 利用用途:FAQ自動化・社内FAQ・広告・マーケティング・販促などのリコメンド

「近年では業務効率化などの社内FAQとしてもご活用いただいておりますので、業界・業種は問わずさまざまなお客様にご導入いただいております。Webでご使用いただくお客様が多かったのですが、最近ではLINEにご導入いただくお客様が増えてきております」。(株式会社コンシェルジュ 担当者)

<導入事例>

  • 三井不動産
    チャットアプリ:LINE
    利用目的:コンテンツ強化・利用促進
    効果:単純FAQの減少・データの蓄積
  • ニッポン放送
    チャットアプリ:LINE
    利用目的:コンテンツ強化・広告
    効果:友だち登録数UP・データの蓄積
  • ウェザーニュース
    チャットアプリ:Web Plugin
    利用目的:コンテンツ強化
    効果:売上UP・満足度向上・FAQデータ蓄積

料金体系

初期費用:5万円~
月額費用:10万円~
「お客さまのご要望や、どういった構造をされたいのかにより変動いたします。お話をお伺いさせていただいた上でお見積りを出させていただきますので、お声掛けいただけますと幸いです」。(株式会社コンシェルジュ 担当者)

→ 詳しくはこちら(kuzenのサイトへ)

3.QA ENGINE(株式会社Studio Ousia)

studio ousia

株式会社Studio Ousiaは2007年設立、東京拠点の会社。自然言語処理に関する技術開発および実用化を進めている。製品としては、世界最先端の人工知能による質問応答システム「QA ENGINE」および世界最高水準のキーワード抽出エンジン「Semantic Kernel」を展開している。

サービスの特長

  • 高い回答精度:国際学術コンペで優勝実績を誇るAI技術を搭載。学習データが少なくても高精度な質問応答を実現。大手SIerによる性能比較試験において、初期学習データのみで比較した4社の中で最も高い90%の精度を記録した
  • 運用の簡便さ:クライアントによる運用が容易。回答候補や質問データのアップロード、機械学習の実施、学習モデル検証等の一連の運用を管理画面にて簡単に操作が可能
  • API提供: 既存のコミュニケーションチャネルや外部システムとの連携が可能

利用者の特徴

  • クラウド事業者、金融機関での活用が多い

「弊社のQAエンジンは、最先端の自然言語処理を『誰でも運用できる簡便なサービス』として提供していることと、『回答精度の高さ』を特徴としております。お問い合わせの種類が多岐にわたり、かつ回答候補数が多いため、簡易なルールベースのツールでは対応が難しいという課題に対応しております」。(株式会社Studio Ousia 担当者)

<導入事例>

  • カスタマーサポート: freee/セブン銀行
  • 社内問い合わせ対応:農林中央金庫
  • 法人顧客向け問い合わせ対応:千葉銀行/三重銀行

中心価格帯

初期費用:なし
月額費用:30万円(エンジン1個目)
※エンジン2個目以降は月額20万円

→ 詳しくはこちら(QA ENGINEのサイトへ)

4.AI-FAQボット(株式会社L is B)

AI-FAQ

株式会社L is Bは2010年設立の会社。東京に本社、関西に支社がある。クラウドソリューション、アプリケーション、Webシステムの開発などを手掛け、ビジネスチャット「direct」を基盤としてさまざまなサービス・ソリューションを展開。本記事で紹介する「AI-FAQボット」のほか、労働時間を最適化する「direct Smart Working Solution」なども提供している。

サービスの特長

  • 事前学習不要:初めに質問と回答を入力したデータを用意するだけで利用可能
  • 言葉の揺れの自動学習(特許出願中):質問や回答に未登録の単語も、2回目以降は内容に沿った回答が出るように自動学習
  • 分析ツールで業務課題の見える化:分析ツールでランキングや利用傾向がわかり、課題解決に役立つ

「『AI-FAQボット』のAIは、L is Bで開発したオリジナルAIです。話し言葉のような自然な文章を理解し、最適な回答を導きだします。また、回答までのプロセスで関連度の高い単語を文脈から抽出し自動学習します。利用時は、QAデータに質問と回答のみでも、自動で単語を抽出してボタンを生成します」。(株式会社L is B 担当者)

利用者の特徴

  • 業種・業態をしぼらず、規模も大小さまざまな企業が幅広く利用

「FAQを用意しても、それを確認せずに聞くというケースが非常に多いです。その理由として、聞いたほうが早い、探しているものが見つけにくいということがあります。同じ意味の単語でも入力の違いによって回答に結びつかないことがその要因です。一方、聞かれる方は同じような質問に答え続けることはやはり苦痛です。『AI-FAQボット』は、そのような状況を解決し、使われなかったFAQを使われるFAQに変える新しいFAQソリューションです」。(株式会社L is B 担当者)

料金体系帯

月額6万円~

  • 初期費用・年間費用が必要
  • 利用規模に合わせた契約プランあり
  • 無料トライアルで30日間 / QA数100問まで利用可能

→ 詳しくはこちら(AI-FAQボットのサイトへ)

4.Quick QA(株式会社エーアイスクエア)

Quick QAは、株式会社エーアイスクエアが提供する自動応答システム。エーアイスクエアは、2015年設立の東京に拠点を置く会社。人工知能(AI)を活用した各種ITサービスの提供およびコンサルティングを事業とする。Quick QAのほか、自動要約・分類システム「Quick Summary」という製品も提供している。

サービスの特長

  • 多くの企業で評価される高い回答精度
  • 学習データのメンテナンス工数が小さくて済む
  • UI問わず連携可能で、有人チャットとのハイブリッド運用も可能

利用者の特徴

  • 企業規模は上場企業クラスが大半
  • 自社サービスを案内するBtoC向け
  • 社内人事総務・ITヘルプデスクを対象としたBtoB向け

「提供サービスの複雑化、人件費高騰および採用難を背景に、24h自己解決可能な新規チャネル創出を目的にされるケースが多いです。また、社内管理系業務を対象とした従業員向けチャットボットもお引き合いが多いです」。(株式会社エーアイスクエア 担当者)

<導入企業の一例>
JT/LIXIL/サントリー/アイリスオーヤマ/NTTぷらら

料金体系帯

初期費用:100万円~
月額費用:30万円~
※学習データ作成支援や、利用されるチャットUIにより御見積いたします。

→ 詳しくはこちら(エーアイスクエアのサイトへ)

5.チャットプラス(チャットプラス株式会社)

チャットプラス

チャットプラス株式会社は2016年設立、東京拠点の会社。チャットサポートツール「チャットプラス」の企画・制作・運用を行っている。インターネット業界に長く携わってきたメンバーが、チャットの可能性に着目してサービスを立ち上げた。サービスの立ち上げ以降、国内導入企業数を順調に伸ばしている。

※公式サイト・チャット問い合わせより

サービスの特長

  • 訪問者の企業名判別、チャットボット機能、チケット機能、リード機能など、問い合わせ対応やマーケティング全体を包括的にサポート
  • 有人対応も、チャットボット応対もできる最先端のサービス
  • 2,500社以上の要望を組み込み、業界最安レベルの料金で機能数は業界最多

利用者の特徴

<導入事例>

  • 株式会社シルバーライフ:新規顧客コンタクトポイント20%増
  • 株式会社ONE:リスティング広告比10倍の費用対効果
  • 株式会社バイプドビッツ:B to Bインサイドセールスで問い合わせの60%以上が案件に

料金体系帯

月額費用:1,500円~(ミニマムプラン)

  • 月の問い合わせ数が100件程度までの場合、ビジネスライトプラン(月額5,800円)もしくはビジネスプラン(月額15,800円)推奨
  • 問い合わせが多い場合、プレミアムプラン(月額30,000円~)推奨。友人対応のオペレーターによるサポート機能あり
  • プランによりアカウント数、サイト数、利用できる機能が異なる
  • 10日間の無料トライアルあり

→ 詳しくはこちら(チャットプラスのサイトへ)

6.mobi Agent(モビエージェント/モビルス株式会社)

mobiagent

モビルス株式会社は2011年設立、東京拠点の会社。大手キャリアやSIer企業にも採用実績のあるコミュニケーションプラットフォームの提供、モバイルと人工知能を活用したコミュニケーションソリューションの開発などの事業を行っている。

※公式サイト掲載情報より

サービスの特長

  • SNSアプリからロボットまで、自由自在な顧客インターフェース設計
  • 人工知能やFAQ/CRMシステム連携による、フレキシブルな個別自動対応
  • 応対品質向上につながる、充実した統計情報とレポーティング機能
  • チャットボットとオペレーターが連携、時間帯・問合せ種別等に応じた柔軟な切り替え
  • SV・オペレーターによるチームサポートに完全対応したチャットサポートシステム設計

利用者の特徴

<導入事例>

  • アニコム損害保険株式会社
  • KDDI Evolva
  • GLOBAL WiFi

など

料金体系帯

初期費用:10万円~
月額費用:12,000円/ID
―自動応答オプション 月額15万円
―LINE接続オプション 月額10万円
―Facebook接続オプション 月額10万円

  • メッセージ送信自動応答は10万通まで(有人応答は無制限)
  • システム連携・カスタマイズは別途見積もり

→ 詳しくはこちら(mobi Agentのサイトへ)

編集部のまとめ

今回の調査概要

  1. 調査母数(問い合わせした企業数):8社
  2. 有効回答数(調査にご協力いただいた企業数):5社
  3. チャットボット導入の中心的価格帯は次の通りとなりました。
  • 初期費用:10万円
  • 月額費用:5万円~10万円

チャットボット導入に関しては、サービス・ツールにより初期費用がかかるものとかからないものと、ばらつきがあります。初期費用がかかるサービスのほうが、カスタマイズできる幅がある傾向がありますが、手軽に始めたいなら初期費用がかからないものを選ぶこともできます。無料トライアル期間があるサービス・ツールもあるので、上手に利用してみてください。

月額費用については、チャットボットにどこまでの機能を求めるか、他のサービスと連携をするかで料金が変わり、高度な機能やカスタマイズを求める場合は10数万円~数十万円かかる場合もあります。ツール・サービスによっては問い合わせ件数や対応する人数によって料金が変わる場合もあります。

よくある質問や簡単な質問を自動化するだけで良いのか、ウェブ以外のインターフェースで利用するのか、マーケティングの分析や施策まで行うのかなど、チャットボットの利用目的に沿った機能を利用できるサービス・ツールを選ぶようにしましょう。

調査実施概要

  • 期間:2019年8月19日〜2019年8月27日
  • 調査方法:インターネット調査及び電話・メール・チャット取材にて実施

編集部では、調査にご協力いただける企業を随時募集しています。
調査協力に関する問い合わせは以下のフォームよりご連絡ください。
https://webtanguide.jp/contact

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  • この記事を書いた人
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河村 郁恵

i.kawamura

山口県出身。王朝文学が好きで研究者を夢見て大学で国文学を専攻するも、方針転換で就職。新卒で入社した会社でネットショップ運営に携わり、カスタマーサポートから商品開発、プロモーションなどを経験。その後、EC業界向けメディアに転職。編集部でメディア運営や業界紙の制作ディレクションを経験した後、フリーのライター・編集者として独立。

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