動画広告制作費用の最新相場調査:2020年2月版

2020年2月26日

2020年度のWebマーケティング施策の一環として、動画広告の実施を検討されているWeb担当者もいらっしゃると思います。動画広告は現在成長が著しい市場とも言われています。その主流は、YouTubeなど動画サイトに配信する動画広告ですが、Twitter、Facebook、InstagramなどSNSに配信する動画広告も注目度が高まっています。本記事では、動画広告について解説するとともに、主要な動画広告制作サービスの相場を調査しました。

動画広告とは

動画広告の種類

動画広告には、大きく分けると次の3種類があります。動画広告市場で主流なのはインストリーム動画広告ですが、スマートフォンとの相性の良さから、インリード動画広告も注目されています。

・インストリーム動画広告
YouTubeなどの動画サイトで配信される動画広告。動画視聴前に配信されることが多かったのですが、動画視聴中・視聴後に配信される広告も増えつつあります。動画視聴に慣れているユーザーにアプローチできます。

・インバナー動画広告
旧来のバナー広告の動画版。Webページの広告枠に配信。マウスオーバーで拡大表示されるなどの仕掛けのある動画広告もあります。旧来のバナー広告と同様に配信できるので、あまり動画を視聴しないユーザーもターゲットにできます。

・インリード動画広告
Webページのコンテンツ間に配信される動画広告。ページをスクロールして動画広告が表示されると再生が始まるため、動画の最初から視聴してもらえます。SNSやアプリでよく見かける動画広告です。スマートフォンと相性の良い動画広告です。

「インリード動画広告」と似たような言葉に「インフィード広告」「インリード広告」があり、同じ意味で使われることもあるようです。

―インフィード広告:配信枠はインリード動画広告と同じ。しかし、動画だけでなくテキスト+静止画の広告も配信されます。

―インスクロール広告:広告が表示されると再生が始まる点はインリード動画広告と同じ。しかし、Webページのコンテンツ間以外に、バナー広告の枠などにも配信されます。

動画広告の効果・特徴

テキストと静止画の組み合わせ広告と比較した場合、動画広告ならではの効果・特徴として、次の点があげられます。

・ユーザーの印象に残りやすい
音や動きのある動画広告は、ユーザーの目にとまりやすく、印象に残りやすいといわれます。

・多くの情報を伝えられる
テキストと静止画の組み合わせの広告に比べ、動画広告はより多くの情報を伝えることができます。

・スマートフォンとの相性が良い
動画広告は、スマートフォンユーザーに親和性の高い広告といえます。2019年12月2日に株式会社サイバーエージェントが発表した2019年動画広告市場調査によると、スマートフォン動画広告の需要は、昨年対比147%の成長を遂げ、動画広告市場全体の89%を占めています。

・拡散されやすい
スマートフォンとの相性の良さもあり、動画広告は、その内容がユーザーにとって興味関心の高いものだったり、共感を呼ぶものだったりすると、広告という枠を超えて拡散されることもあり得ます。

動画広告は成長市場であり、今後も成長が期待されています。前述のサイバーエージェント社の調査によると、2019年の動画広告市場は昨年対比141%の2,592億円になる見通しで、2020年には3,289億円に達する見込みです。

SNS毎の動画広告の特徴

動画広告を検討する場合、市場で主流のインストリーム動画広告か、注目の高まっているインリード広告を検討するのが良いのではないかと思います。

インストリーム動画広告はYouTubeでの配信が主流で、インリード型広告はTwitter、Facebook、InstagramなどのSNSやアプリでの配信がよく行われています。以下に、YouTube、Twitter、Facebook、Instagramにおける動画広告の特徴をまとめました。

・YouTube
動画視聴前・視聴中・視聴後のいずれかに動画広告を配信します。
動画広告再生から数秒でスキップできる広告と、スキップできない広告とがあります。前者は15秒程度の短い動画が多く、後者は1分以上の長い動画が多くなっています。

・Twitter
タイムライン上に動画広告を配信します。
Twitterは利用者数が非常に多く、幅広いユーザー層に対して配信可能です。拡散の起こりやすいSNSでもあります。

・Facebook
タイムライン上もしくは広告枠に動画広告を配信します。
Facebookは利用者の年齢層がほかのSNSよりも高めで、ビジネス利用も多いSNSです。B to B動画広告の配信なども向いているかもしれません。SNSのなかでは、比較的長めの動画配信でも視聴してもらえる可能性があります。

・Instagram
タイムライン上もしくはストーリーズ上に動画広告を配信します。
Instagramは利用者の年齢層が低めで、女性利用の多いSNSです。「SNS映え」する商材、美容やアパレル系の動画広告配信に向いています。広告に限らず、短めの動画が好まれるようです。

動画広告制作費用の最新相場調査

※下記条件を踏まえて広告動画を制作するケースについて調査を行いました。

  • YouTubeに動画広告を配信したい
  • 15~30秒の動画を制作したい
  • アニメーションを使いたい

1. 株式会社サムシングファン

サムシングファン

株式会社サムシングファンは、2003年設立の東京に拠点を置く企業。映像制作を始めとして、動画マーケティングや動画制作の内製化サポート、動画制作の人材派遣などのサービスを展開し、企業の動画活用を幅広く支援している。東京に提携スタジオを、大阪に自社スタジオと編集室を持っている。

サービスの特長

  • ディレクターや編集者がインハウスで常駐しており、制作スピードが早い
  • 動画のABテストツール(「DOOONUT(ドーナツ)」)などを自社開発、ツールとセットで提案可能

利用者の特徴

<YouTube広告用動画制作の場合>

  • 大学/化粧品/士業事務所などの業種が多い
  • アニメーションよりも実写が多い
  • 最近では、キャラクターだけアニメーションを利用したVチューバーが商品を紹介する体裁の動画制作の相談もある

中心価格帯

50~100万円

  • 実際の受注は50~100万円の案件が多いが、相談ベースでは30万円程度が多い

→ 詳しくはこちら(株式会社サムシングファンのサイトへ)

2..株式会社Global japan corporation

gjc

株式会社Global japan corporationは、2011年設立の札幌に拠点を置く企業。東京にもオフィスがある。企業向けに幅広いジャンルの動画制作を手掛ける。動画制作の他に、Webサイト制作や動画配信サイト制作、楽曲、ナレーション、チラシ・パンフレット制作にも対応している。また、動画制作のリソースがほしい企業向けにパートナー契約も行っている。

サービスの特徴

  • 低価格:得意分野のプロモーション系・Web動画に特化して機材・人材を絞り、地方都市に編集拠点を置くことで、業界相場の半額近い金額で高品質の映像・動画制作を行う
  • Webマーケティングに強い:広告代理店の経験や、自社でも実践しているWebマーケティングの知見を活かし、インターネット上で成果の出る映像・動画を制作
  • サービス業としての心地よい顧客対応:ただ映像・動画を制作するだけでなく、顧客満足の最大化のため、サービス業の意識でお客様対応を行う。サービス業経験者を窓口スタッフとして、素早いレスポンス、心地よい対応、要望への柔軟な対応で納品まで進行

「弊社が創業から一貫して意識していることは、制作実績3000社以上の経験から培ったノウハウやスキルで企業が抱える課題や問題を動画で解決するということです。そのために、弊社ではお客様とのヒアリングを大切にしており、経験豊富な企画担当がお客様とのコミュニケーションを通して最適な企画から動画の活用方法までご提案をしております」。(株式会社Global japan corporation 担当者)

利用者の特徴

  • 業種・業界に偏りなく約60業種、一部上場企業~中小・零細企業まで累計3,000社以上、制作実績あり

「ご利用が多い企業を挙げると、すでにリスティング広告やWEB広告などを積極的に行っている企業で、新しい媒体を探して動画広告をテスト配信し、新規獲得や広告単価削減につなげたいといった企業が多いです」。(株式会社Global japan corporation 担当者)

<YouTube動画広告制作の場合>

  • 実写よりもアニメーション利用が多い

「実写はコストを下げにくいことと、アニメーションのほうが端的に特徴やメリットを短い時間で訴求出来る点で、アニメーションを利用されるケースが多いです」。(株式会社Global japan corporation 担当者)

中心価格帯

~10万円/本×パターン別に複数

「動画広告は検証が重要なので、1本の単価は10万円以下で、パターン別に複数制作することが多いです」。(株式会社Global japan corporation 担当者)

→ 詳しくはこちら(株式会社Global japan corporationのサイトへ)

3.株式会社プルークス

プルークス

株式会社プルークスは、東京に本社、大阪に支社を置く動画マーケティング会社。映像・動画の企画・制作だけでなく、動画広告の運用・配信や動画マーケティング、コンサルティングなど、映像・動画に関して幅広く事業を展開している。動画マーケティングに関する情報発信を行うメディアも運営している。

サービスの特長

  • 業界業種問わず幅広いジャンル・クリエイティブの映像制作がワンストップで可能

「弊社では東京・大阪を中心に、企画~動画制作、動画マーケティング支援など、全体的なプランニングから動画広告配信まで行っています。業種業界問わず幅広いジャンル・クリエイティブを映像制作しており、企画構成からディレクション、絵コンテ、撮影、動画編集、BGM、ナレーション収録、データ納品までワンストップで提供可能です」。(株式会社プルークス 担当者)

利用者の特徴

  • YouTube配信希望の課題は認知拡大がメイン

「クラウド上のサービスやSaaS型サービスなど、静止画・文章では伝わりづらいものを動画化することが多いです」。(株式会社プルークス 担当者)

<YouTube動画広告の制作事例>
freee
スケルトニクス
ユーザベース
ウェブマネー

  • YouTube配信では、実写・アニメーションともに同程度の制作がある

「実写は、イメージ喚起しやすく、信用性・説得性が高まりやすいというメリットがありますが、費用が高かったり逆にイメージが固定化されやすいというデメリットもあります。アニメーションは、実写では表現できないことを表現できたり、情報量が多くてもグラフィックで伝えやすいなどのメリットがありますが、実写よりもイメージ喚起しづらいというデメリットもあります。そのため、サービス内容と目的によって合うものを提案をしています」。(株式会社プルークス 担当者)

中心価格帯

低価格のものであれば30~50万円程度から可能

  • 実写・アニメーション、納期などによって変動する

「当社は幅広いクリエイターに制作を依頼することができるため、予算に合わせた制作が可能です」。(株式会社プルークス 担当者)

→ 詳しくはこちら(株式会社プルークスのサイトへ)

4.千代田ラフト

千代田ラフト

千代田ラフトは1989年設立、東京に拠点を置く企業。YouTube動画広告に特化したサービスあり。もあともと映像企画・制作に特化した事業展開で、番組制作での受賞歴もある。グループ会社に、1970年から長年放送番組制作を手掛ける千代田ビデオがある。

※以下、公式サイト掲載情報より調査。

サービスの特長

  • 創業30年以上、年間制作約300件の実績あり
  • 最新の放送水準に沿った高品質、かつ制作プロセス簡略化による低コスト化を実現
  • YouTube動画広告に特化したサービスあり
  • YouTube動画広告制作から配信、運用まで依頼できる

利用者の特徴

<YouTube動画広告制作事例の一例>

  • 光通信 人材採用動画:企業名検索30倍以上、インターンシップ応募数増
  • 成城大学 学生募集動画:約70万人にリーチ、デジタル広告経由での出願画面への遷移が6,000名。志願者数が前年比127%の21,134人に増加。
  • ムーンスター 認知拡大目的の動画:広告の想起・認知上昇、会社名検索が約3倍に増加

料金体系

映像制作費 30万円~/本
YouTube広告費 5万円~/月
運営費 5万円~/月

→ 詳しくはこちら(千代田ラフトのサイトへ)

5. Crevo株式会社

crevo

Crevo株式会社は、2012年設立、東京に拠点を置く企業。動画制作サービスは2014年から開始した。アニメーション・実写ともに多くの実績をもち、企業向けのさまざまな用途の動画・映像制作を行っている。特にアニメーション動画制作においては先駆的存在であり、独自の制作メソッドとクリエイターネットワークをもつ。

※以下、公式サイト掲載情報より調査。

サービスの特長

  • アニメーション動画制作を他社に先駆けて行っており、独自のメソッドがある
  • 国内外5,000名以上のクリエイターネットワークから、案件ごとに専属チームを作る
  • 独自開発した動画制作管理ツールにより、制作の効率化と省コストを実現

利用者の特徴

<アニメーション動画制作事例の一例>
※予算49万円以下の商品・サービス紹介動画制作事例

  • 日本通運株式会社
  • GMOメイクショップ株式会社
  • ストアーズ・ドット・ジェーピー株式会社

※予算50~100万円以下の商品・サービス紹介動画制作事例

  • 日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社
  • 株式会社東洋経済新報社
  • 株式会社ビズリーチ

料金体系

※実績に基づく目安
~49万円:シンプルなキャラクターイラストやピクトグラムのアニメーション制作が可能
50~99万円:デザイン性に富んだイラストやバリエーションのある動き、ストーリー性のあるアニメーション制作が可能
100~299万円:デザイナーをアサインしてアニメーション制作。オリジナルキャラクター制作や、シンプルな3DCG制作が可能
300万円~:テレビCMに使えるレベルの制作。3DCGをフル活用したアニメーション制作も可能。

→ 詳しくはこちら(Crevo株式会社のサイトへ)

編集部のまとめ

  1. .調査母数(問い合わせした企業数):10社
  2. 有効回答数(調査にご協力いただいた企業数):4社
  3. 企業向けInstagramストーリーズ制作の中心価格帯は次の通りとなりました。
    50~100万円

今回の調査では、以下の動画広告制作を前提として調査を行いました。

  • YouTubeに配信したい
  • 10~15秒の動画制作
  • アニメーションを使いたい

企業やサービスによって必ずしも条件通りではありませんが、上記の条件で動画広告制作を依頼する場合、おおよそ50~100万円となるケースが多い印象です。サービスによっては30万円程度の予算で相談可能な場合もあります。

実写とアニメーションでは、アニメーションのほうがややコストが抑えられるようですが、デザインにこだわったり、3DCGを活用したり、クオリティを上げれば当然費用も上がります。逆に、自社にある素材を提供することで、コストを抑えられることもあります。

動画広告により求める効果と予算を明確にした上で、動画広告制作サービスを提供している企業に相談すれば、予算内でどういった表現が可能か提示してもらえるので、まずは相談してみると良いでしょう。

動画広告市場はまだまだ成長が見込まれ、今後、動画に親しむユーザー、動画を活用する企業はどんどん増えていくと思われます。今すぐに動画広告に取り組むわけではなくとも、今のうちから、動画の活用について考え始めておきたいところです。

編集部では、調査にご協力いただける企業を随時募集しています。 調査協力に関する問い合わせは以下のフォームよりご連絡ください。

https://www.webtanguide.jp/contact

調査実施概要
  • 調査機関:2020年1月10日〜2020年1月28日
  • 調査方法:インターネット調査及び電話取材にて実施
  • この記事を書いた人
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河村 郁恵

i.kawamura

山口県出身。王朝文学が好きで研究者を夢見て大学で国文学を専攻するも、方針転換で就職。新卒で入社した会社でネットショップ運営に携わり、カスタマーサポートから商品開発、プロモーションなどを経験。その後、EC業界向けメディアに転職。編集部でメディア運営や業界紙の制作ディレクションを経験した後、フリーのライター・編集者として独立。

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