LPのCVRを改善するには?LP改善のポイントと役立つツールまとめ|見積もり相場ガイド

LPのCVRを改善するには?LP改善のポイントと役立つツールまとめ

2021年10月20日

Webマーケティング施策において、Web広告などの集客施策からの送客先として活用されるLP(ランディングページ)。しかし、LPを公開してみたものの、なかなかCV(コンバージョン)につながらないということは珍しくありません。LPで効果を出すためには、CVに至るまでの要所を押さえ、1つずつ分析と効果検証を行う必要があります。本記事では、LPのCVR(コンバージョン率)を向上するための改善の方向性を解説した上で、実際の改善施策に役立つツールと、施策実施のポイントをまとめました。

CVR向上させるには?LP(ランディングページ)改善の5つの方向性

LP(ランディングページ)を改善しCVRを向上させるには、以下の5つの方向性で改善ポイントを探ると良いでしょう。LP改善では、ユーザーがページを訪れてからCV(コンバージョン)に至るまでに離脱が起きやすいポイントの改善施策を行い、直帰率を下げることでCVRが向上します。

1.ファーストビューの最適化

ファーストビューとは、そのページを訪れたユーザーが最初に目にする部分のこと。ページの第一印象ともいえます。ユーザーに「このページに自分が求めている情報がある」という直感的に理解してもらい、離脱することなくコンテンツを読み進めてもらうことが重要です。

LP訪問ユーザーの行動を分析して、滞在時間が短く離脱が多い場合は、ファーストビューに課題がある可能性が高いと考えられます。ファーストビューを改善する主なポイントは以下の通りです。

2.コンテンツの内容・表示順

ファーストビューでユーザーの興味をひくことに成功したら、CVに至るまでコンテンツを読み進めてもらえるよう、ファーストビューに続く内容を適切な順番で表示する必要があります。ペルソナ設定に基づき、どんな内容をどういう順番で表示すればユーザーの興味感心がCVまで維持されるかを考え、コンテンツに優先度をつけましょう。ここでは、ユーザーの感情・行動の変化に沿ったコンテンツの内容と順番が求められます。そのためにも、ペルソナ設定が重要です。

3.CTAの最適化

CTAとは「Call,To,Action」の略で、直訳すると「行動喚起」。LPにおいて、ユーザーが申込や資料請求などのCVに至るボタンを指します。CVR向上のためのCTAの改善ポイントとしては、以下のような点があげられます。

  • ボタンの色・デザイン:一般的に、LPのCTAには赤・オレンジ・緑がよく使われます。ただ、CVR向上に効果的な色・デザインは、LPのデザインや商材、ユーザー層など条件によって異なります。一般的に効果的とされる色・デザインをベースに、少しずつ変化させた色・デザインでABテストを行い、より効果的なCTAを探りましょう。
  • ボタンの位置・数:ユーザーがLPを閲覧する際の視線の動きを想定して、自然なタイミングでCTAを設置する必要があります。CTAの数は、多すぎても少なすぎても離脱につながります。コンテンツの内容に応じて、行動を検討するユーザーが多いと考えられる箇所に設置しましょう。
  • 文言:たとえば「お申し込みはこちら」「資料請求する」など、CTAにどういった文言を置くかによってCVRは変わります。また、CTAの直前にある一文も重要です。たとえば、「期間限定○○日まで」「先着○○様限定受付中」など、ユーザーがCVに至るモチベーションを高める一文を考えましょう。

4.エントリーフォームの最適化(EFO)

エントリーフォームは、CTAのクリック後にユーザーが必要事項を入力するフォームです。入力中の離脱を防ぎ、CVR向上のためにエントリーフォームを最適化することを、EFOといいます。EFOは「Entry,Form,Optimization」の略です。EFOのポイントとしては、以下の点があげられます。

  • 入力項目の数:入力項目が多いほどユーザーにとって入力が手間となり、離脱につながりやすくなります。あれもこれもと項目を設定するのではなく、必要な情報にしぼって入力項目を設定しましょう。
  • フォームのデザイン:エントリーフォームには、LPとは別のシステムを連携させることがよくあります。その際、LPとエントリーフォームとでデザインのトンマナが乖離していると、ユーザーが不安感を抱き、離脱につながるおそれがあります。システムが別であっても、なるべくシームレスに見えるデザインを心がけましょう。
  • エラー時のUI:ユーザーが入力した項目にエラーがありページが戻る際、入力済みのデータが消える仕様のフォームがありますが、これはユーザーが再入力を面倒に感じ、離脱の可能性が高まります。エラー時にも入力済みデータがある程度保有される設計にしましょう。
  • ページ遷移:エントリーフォームは、LPから別ページに遷移するよりも、LP内でそのまま入力できるほうが入力しやすく、離脱を防げます。LPのシステムによって対応可否は異なりますが、LP内にフォームを埋め込めるならばそのほうが望ましいデザインです。

5.LPの表示速度をあげる

LPの内容を改善しても、LPの表示速度が遅いと、LPを見る前に離脱するユーザーが増えてしまいます。一般的に、Webサイトの表示速度は3秒程度から離脱が高まるといわれます。特にスマホユーザーは、表示速度が遅いと離脱する傾向が強くなります。

表示速度が遅くなる原因は、画像やテキストなどのデータサイズです。特に画像はデータサイズが大きくなりがちなので気をつけましょう。LPの表示速度は、サイトスピード測定ツールで計測できます。表示速度に加え、表示速度が遅い原因や改善案を提案してくれるツールもあります。

LP(ランディングページ)改善に役立つツール

LP(ランディングページ)改善に役立つツール|見積もり相場ガイド
LPのどこで離脱が起き、どこを改善すれば良いのかを分析するには、次のようなツールが役立ちます。

アクセス解析ツール

LPに限りませんが、Webサイトへのアクセス解析ツールの定番といえば、Googleが提供している「Googleアナリティクス(GA)」です。無料で利用できますが、取り扱うデータ量が大きい企業向けには、有料のプランもあります。

Googleアナリティクスで分析できる代表的なデータ:
・ユーザーレポート:サイト訪問ユーザーに関する詳細
・広告レポート:Google広告などの広告成果の分析・改善
・集客レポート:ユーザーのサイト訪問経路、サイトでの行動、CVパターンなど
・行動レポート:サイトで発生しているユーザー行動の詳細
・コンバージョンレポート:コンバージョン発生に関する詳細
・リアルタイムレポート:サイトにおけるリアルタイムのデータ
・ユーザーフローレポート:サイト内でのユーザーの移動経路

さまざまなデータ取得が可能な一方で、それを分析し社内外に共有するための解析レポートを作成するには時間と手間がかかります。レポート作成の効率化が課題だと感じる場合は、Googleアナリティクスレポート自動生成ツールの併用がおすすめです。

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Googleアナリティクスで取得できるデータ以外にも分析したいデータがある場合は、複数のデータソースと接続することが可能な「Googleデータポータル」を活用しましょう。

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ヒートマップツール

ヒートマップツールは、Webページ上のユーザー行動をサーモグラフィのように色と濃淡により可視化できるツールで、LP上のどこでユーザーが離脱しているのかを分析する際に役立ちます。ツールによる差もありますが、分析できる基本的なユーザー行動としては、以下のようなものがあります。

・スクロールの動き
・マウスの動き
・滞在時間
・クリック
・ページ離脱

ヒートマップツールのメリットは、色でユーザー行動を可視化することで、ユーザー行動を直観的に捉えられることです。特に、集客はできているのにCVRが伸びないというときの、課題と解決施策を導く足がかりとなります。

ヒートマップツール単体ではアクセス解析に対応しおらず、数値による正確なデータ収集・分析はできません。そのため、アクセス解析ツールと併用がおすすめです。

ツール導入の相場観

Webページの月間PVによって変動する料金体系が一般的です。月間PVが数千程度の場合は月額費用無料~月額5,000円程度、月間PVが数万以上ある場合は月額費用10,000円~50,000円程度になります。

ヒートマップツールの最新相場調査:2020年10月版

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ABテストツール

ABテストツールは、LPの改善前と改善後の効果検証に役立つツールです。ABテストツールでは、2パターンのページについて均等にアクセスするユーザーを振り分け、どちらの効果が高いかをテストできます。LP改善では、改善箇所について1箇所ずつABテストを行い、より効果の高いLPへと改善していきます。

ABテストツールを利用すれば、ユーザー振り分けの設定や、効果検証をツールの管理画面から簡単に行えます。なお、3パターン以上の比較を行う、多変量テストというテストができるツールもあります。

ABテストツールを導入することで、ABテストを簡単に実施でき、LPの効果検証と改善のスピードが早まります。一方で、比較検証する箇所が、ページ離脱やCVRにあまり影響しない箇所だと、LP改善につながりません。ABテストを行う前に、解析ツールやヒートマップを活用して、優先度の高い改善すべき箇所を見つける必要があります。

ABテストツールには、無料で利用できるものもありますが、詳細な分析やカスタマイズを行いたい場合は、有料ツールの利用をおすすめします。ABテストツールには、ABテスト機能主体のものと、LPやWebサイト改善のためのサービス・ツールのひとつの機能としてABテスト機能がついている場合とがあります。

ツール導入の相場観

ABテスト機能主体のツールは、月額数万円程度から、コストを抑えて利用可能です。ABテスト機能以外にもLP改善全般を対象としたサービス・ツールであれば、月額十数万円程度がひとつの目安です。

ABテストツール有料版の最新相場調査:2019年6月版

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EFOツール

EFOツールは、エントリーフォームを最適化するツールです。EFOツールの中心的な機能は、ユーザーの入力支援機能です。これにより、ユーザーのフォーム入力の手間を減らすことができます。たとえば、以下のような機能があります。

・入力不備を赤字で知らせる
・全角入力を自動で半角に修正
・郵便番号から住所を自動入力

また、以下のようなフォーム改善の機能を持つツールもあります。


・エントリーフォームにおけるページ遷移を減らす

・Webページの世界観に合うようにフォームをデザインできる

さらに、EFOツールでは、フォームの分析や改善後の効果検証も行えます。ただし、ツールによって分析できる範囲や精度が異なります。

ツール導入の相場観

EFOツールの利用料金の相場は、「月額1万円以内」と「月額3万円以上」に大きく分かれます。月額3万円以上のEFOツールには、入力支援・フォーム改善の高度な機能があったり、分析の精度が高かったりします。また、フォーム数によって料金が変動することもあります。

LP(ランディングページ)改善でCRVを向上させるためのポイント

LP(ランディングページ)改善でCRVを向上させるためのポイント|見積もり相場ガイド
ここまで解説してきたことを踏まえ、実際にLP改善施策に着手する際には、確実に効果を出すために次の点に気をつけましょう。

仮説検証は1つずつ行う

本記事で解説している方向性でLPを見直すと、改善施策が複数出てくるかと思います。それらの改善施策は、1つずつ実施して仮説検証を行いましょう。複数の改善施策を同時に進行させると、どの施策により効果が出たのか、効果検証がしづらいためです。

優先度を決めて改善施策を実施する

改善施策の仮説検証を1ずつ行うにあたっては、効果の高そうな順に着手しましょう。優先度の決め方としては、ツールなどを活用してLPの分析を行った際、離脱がもっとも多いと考えられる箇所の改善施策から着手します。

優先度を自社で決めかねる場合は、外部の視点を取り入れるのも効果的です。LP制作会社の中には、LPの改善も含めた運用まで対応しているところもあります。何から着手したら良いか分からないという場合、そういった外部の会社に依頼をしてみるのもおすすめです。

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CVした後の運用も視野に入れる

LP運用の目的はCVですが、そのユーザーがコンバージョンした後にどんなフォローアップが必要になるか、という中長期的な視点も大切です。コンバージョンとなるアクションを資料請求やイベント参加と定義づけている場合、一度のCVでは売り上げにつながりません。CV=購入とする場合でも、フォロー体制の有無がリピート顧客になるかどうかに影響します。継続的に売上を立てるには、どんな見込み客を獲得し、どうやって受注・リピートしてくれる顧客へ育成して行くかを俯瞰して戦略設計をする必要があります。

LPを改善しながら見込み客の獲得数を増やすだけでなく、獲得した見込み客をいかに育成するかという視点での改善も忘れてはいけません。


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まとめ

LPの改善は、ユーザーがLPを訪問してからCVに至るまでの要所を押さえながら、分析に基づき1箇所ずつ改善と効果検証を行うことで確実にCVRが上がります。そういった点で、通常のWebサイト改善よりもやるべき施策が明確で、効果を出しやすいといえます。

ただし、LPを改善して早く効果を出すためには、分析と効果検証をいかにスピーディーかつ多く繰り返せるかが重要です。そのために、本記事で紹介したようなツールを活用しましょう。ツールを使うことで、時間のかかる分析や効果検証を大幅に効率化できます。

また、社内だけでは人手や時間が足りない場合は、外部の支援サービスを活用するのもおすすめです。その際も、本記事で解説したことを押さえておくことで、効率的にコミュニケーションがとれるはずです。

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i.kawamura

山口県出身。王朝文学が好きで研究者を夢見て大学で国文学を専攻するも、方針転換で就職。新卒で入社した会社でネットショップ運営に携わり、カスタマーサポートから商品開発、プロモーションなどを経験。その後、EC業界向けメディアに転職。編集部でメディア運営や業界紙の制作ディレクションを経験した後、フリーのライター・編集者として独立。